著者
宮津 進 吉川 夏樹 阿部 聡 三沢 眞一 安田 浩保
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.479-488, 2012-12-25 (Released:2013-12-25)
参考文献数
12
被引用文献数
7 1

本研究では,田んぼダムの効果算定を目的に,農業主体の低平地における内水氾濫現象を適切に評価する新たなモデルを構築した.本モデルは,1)各土地利用からの流出量を計算する地目別流出モデル,2)排水路網の流れを計算する河川・排水路網モデル,3)氾濫水の伝播を計算する氾濫流モデルの3サブモデルで構成される.これらは相互に連動しており,それぞれのサブモデルの計算結果である水位が,互いの境界条件もしくは計算条件となる.本モデルは,浸水規模および浸水継続時間が計算できるうえ,「地形適合セル」の導入によって,低平地の地形的特徴を効果的かつ効率的に表現できる点に基本的特徴がある.構築したモデルを異なる地形的特徴をもつ田んぼダム取組実施2流域に適用し,モデルの妥当性を検証するとともに,田んぼダムの効果を検証した.
著者
尾崎 慎治 福間 英祐 戸崎 光宏 阿部 聡子 小川 朋子 比嘉 国基 坂本 尚美 坂本 正明 河野 奈央子 山城 典恵 鈴木 貴子 角田 ゆう子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.3038-3047, 2008 (Released:2009-06-11)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

目的:微小乳癌に凍結療法を施行し,画像所見および病理組織学的所見から非切除凍結療法の可能性を検討した.方法:1cm以下の限局性乳癌7症例を対象とした.凍結機器はVisica Cryoablation System (Sanarus Medical, Pleasanton, USA)を用い,局所麻酔下で超音波ガイド下凍結療法を施行した.結果:凍結範囲はUS,MRIで特徴的な所見を示した.目的病変は全例で凍結範囲内に位置しており,残存病変は認めなかった.病理組織学的に凍結療法の抗腫瘍効果の検討を行った1症例では,凍結範囲の中心部(腫瘍存在部位)から採取した組織において,ヘモジンデリン沈着を伴う瘢痕様線維性組織を認め,腫瘍細胞は完全に消失していた.7症例の凍結療法後の平均観察期間は9.7カ月(3カ月~21カ月)であり,現在まで再発所見を認めていない.結論:限局性の微小乳癌病変に対して超音波ガイド下凍結療法は乳癌の局所療法の一つになりえる可能性がある.
著者
新城 靖 阿部 聡 板野 肯三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.63, pp.15-22, 2004-06-17
被引用文献数
2

この論文は、XML Web サービスのための大域的ファイル・サービスを提案している。このファイル・サービスでは、データはケーパビリティによりアクセス可能である。ケーパビリティはデータへの参照として働くので、ケーパビリティの利用は XML Web におけるデータの表現力を高める。大域的ファイル・サービスは、既存のケーパビリティを元に、それより弱いケーパビリティを作成する機能を提供する。この機能は、悪意があるプログラムである可能性がある遠隔のコンポーネントによる予期しないアクセスを防ぐ。この論文は、大域的ファイル・サービスの実現の1つとして、コールバック・ファイル・サーバについて述べている。このファイル・サーバを利用することにより、XML Web サービスのサーバは、従来のローカル・プログラムとより簡単に連携させることができる。This paper proposes a global file service for XML Web Services. In this file service, data can be accessed with capabilities. Since capabilities act as refrences to data, using capabilities enriches the power of data expression in XML Web Services. The global file service provides a facility to produce a weaken capability based on an existing capability. This facility prevents unexpected access by remote components that can be malicious programs. This paper describes the call back file server that implements the global file service. By using the server, the servers of XML Web Services can work together with conventional local programs more easily.