著者
難波 貴代 北山 秋雄
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.25-32, 2006-04-01 (Released:2017-09-15)

被介護高齢者と主介護者間における共依存関係に着目した高齢者虐待の研究は、海外や国内においても十分に研究がなされている状況にない。そこで本研究は、不適切な介護を行う介護者の行動に着目し、介護者の特徴と被介護高齢者と共依存関係にある介護者への看護介入について検討を行うことを目的に訪問看護師2名から1事例の問題状況・看護介入・介護者の反応について面接を行い、逐語録を作成し分析を行った。結果、不適切な介護をする介護者の特徴には(1)訪問看護過程で被介護高齢者と信頼関係を形成するのは困難、(2)被介護高齢者との思いが一緒であり、意思決定権は自分にある、(3)被介護高齢者、専門職をコントロールしようとする、(4)専門職がコントロールできないと不平不満を述べる、(5)過去の「母親像」と現在の「母親像」のギャップがある、(6)疲労が増強すると、一時的に外部に目を向ける。介護者に対する看護介入に(1)家族全体の力動をみる、(2)過去の「母親像」と現在の「母親像」について話し合う、(3)被介護高齢者の身体状態によっては、一時的に施設入所を図る、(4)専門職間の連携を図ることが示唆された。
著者
金丸 斗生 蟹澤 功樹 赤坂 幸亮 一色 正男 難波 貴代 安部 惠一
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.143-144, 2019-02-28

大規模災害時、要配慮者を含む避難者が避難所に入所する際、避難者の身体的精神的な状態によって色分けし,緊急時の搬送先(病院,福祉施設,隔離した小部屋等)の区分を行う避難所管理システムを開発した。避難者の色区分は要配慮者向けトリアージによって行う。本提案のトリアージは3回以上行うことを想定とし,1次トリアージでは避難所スタッフによる外観での判断,2次トリアージでは問診票,3次トリアージでは医療スタッフよる診察によって色区分を決定する。避難所入所の際にフルカラーLEDを搭載したリストバンドを全員に配布し,トリアージによって決定された色をLEDに反映させることで,一目で避難者の搬送先及び区分を識別できるシステムとした。また,配布するフルカラーLED搭載のリストバンドと避難所管理システム本体との通信には多数のノードと通信ができ,省電力型無線通信規格であるIEEE802.15.4を採用した.