- 著者
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飛佐 学
田尻 一裕
村上 研二
下條 雅敬
増田 泰久
- 出版者
- 日本草地学会
- 雑誌
- 日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.2, pp.149-157, 2003-06-15
ファジービーンの刈取り語の再生に関与する諸要因と再生機構との関係を明らかにするため,生育温度及び刈取り高さが再生過程における乾物生産,窒素固定能,貯蔵養分などの推移に及ぼす影響について検討した。野外で1/10,000aポットに栽培したファジービーンを播種後28日目に,昼夜温一定の20℃, 25℃および30℃の環境調節実験室に入れ,播種後47日目に地際から7.5cmまたは15cmの高さで刈取った。刈取り後全ての処理区で乾物重の一時的な減少がみられ,根の減少は13日目まで続いたが,その後増加した。刈取り後28日目における植物体乾物重は15cm刈区が7.5cm刈区より1%水準で有意に高く,15 cm刈区においては25℃および30℃区は20℃区より5%水準で有意に高かった。これは葉面積比が高かったことから,刈取り後の葉面積の展開速度の差によるものであった。全非構造性炭水化物(TNC)含有量,根粒重,窒素固定能についても刈取り直後に減少し,特に,7.5cm刈の全温度区と15cm刈30℃区で減少が著しかった。このことから,ファジービーンは高刈りをすれば刈取り後の貯蔵養分量が多く,再生速度も高く,また,生育適温とされる25-30℃では,貯蔵養分の消費は多いが,その後の再生は速いことが示された。