著者
東山 雅一 平田 昌彦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.104-113, 1995
参考文献数
35
被引用文献数
7

バヒアグラス放牧草地を利用した黒毛和種育成牛飼養システムにおいて,家畜生産に影響を及ぼすと考えられる様々な要因(気象,補助飼料,草地植生,家畜生体重,草地/家畜バランス,放牧行動,模擬採食草に関する要因)の変動を3年にわたり調査した。そして,各要因の変動範囲や年,季節および1つのパドックにおける放牧経過日数に対する反応などについて検討することにより,対象システムの特徴の一端を明らかにした。さらに,要因の変動の機作を理解し,システムの特徴を明らかにするうえでの要因間の関係の解析の重要性について指摘した。
著者
長谷川 信美 西脇 亜也 平田 昌彦 井戸田 幸子 飛佐 学 山本 直之 多炭 雅博 木村 李花子 宋 仁徳 李 国梅 SCHNYDER HANS 福田 明 楊 家華 郭 志宏 李 暁琴 張 涵 李 海珠 孫 軍 宋 維茹 ガマ デチン NAQASH J&K Rashid Y KUMAR Ravi AUERSWALD Karl SCHÄUFELE Rudi WENZEL Richard 梶谷 祐介 小田原 峻吾 平川 澄美 松嶺 仁宏 佐野 仁香 長谷川 岳子 坂本 信介 樫村 敦 石井 康之 森田 哲夫
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

中国とインドにおいて、放牧方式の違いが高山草原生態系へ及ぼす影響について調査を行った。東チベット高原では、暖季放牧地が寒季放牧地よりも植物種数が多く、種数密度と地上部現存量は低かった。土壌成分は、2012年と2004年間に差はなかった。牧畜経営では、ヤクが財産から収入源への位置づけに移行する動きが見られた。また、クチグロナキウサギの生息密度と植生との関係について調査した。インドの遊牧民調査では、伝統的な放牧地利用方法により植生が保全されていることが示された。衛星画像解析では、植生は日射、気温、積雪日数等に左右され、経年的な劣化も示された。ヤク尾毛の同位体元素組成は地域と放牧方式等で異なった。
著者
杉本 安寛 平田 昌彦 上野 昌彦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.8-14, 0000
被引用文献数
5

バヒアグラス(Paspalum notatum)放牧草地におけるホルスタイン育成牛群の排泄行動を物質循環との関係から調査した。調査地は,宮崎県畜産試験場(西諸県郡高原町)内の草地約17.6aで,これに隣接して庇陰樹を囲んだ約60m^2の休息場を設けた。5月下旬より10月下旬まで8回,各回21-24頭の牛群を48時間あるいは72時間昼夜連続放牧し,5回次(7月26-29日),7回次(9月23-25日)および8回次(10月26-28日)について排糞,排尿,および採食行動を観察した。結果は以下の通りであった。1)5回次の気温は7時より18時まで27℃を越え,7回次も10-15時は27℃を越えたが,8回次は最高気温が約23℃であった。2)排糞回数(回/頭/日)は6.5-8.3回の範囲にあり,そのうち草地で排糞された比率は5,7および8回次が,それぞれ,73.9%,70.7%および88.6%であった。排尿回数(回/頭/日)は10.7-18.3回で,5回次が最も高く,次いで7回次が高かった。草地で排尿された比率は5回次と7回次が50%前後と低く,他方,8回次は87.9%と,高かった。3)糞は68-76%が日中に排泄され,尿は約80%が日中に排泄された。4)日中の温度が高い時期には,糞尿の草地への排泄比率が低下し,養分の再循環が妨げられることが示唆された。