著者
佐竹 恒夫 飯塚 直美 伊藤 淳子 東川 健
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.354-373, 1993-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
32

音声記号の受信 (理解) 面に比し発信 (表現) 面に極端な遅れがみられ, 国リハ式〈S-S法〉言語発達遅滞検査で症状分類B群 (音声発信困難) と分類された, 自閉症を伴う精神発達遅滞児4症例の発信行動の習得経過を, 発信行動の習得過程を分析するため作成した発信行動習得モデルを用いて分析した.その結果, B群のサブタイプa (文字・身振り記号・音声模倣による訓練が有効) の中に, コミュニケーション態度は不良 (自閉症) で, 音声発信を習得する過程が, (1) 初期的および事物を表す身振り, (2) 口腔器官運動や単音・単音節などの模倣および自発発信, (3) 文字を補助とする異音節結合, (4) 音声模倣による異音節結合, 自力での音声発信が日常的に可能となる, 以上のような共通する経過を示す下位群が設定できることを示した.さらに, 音声発信困難をきたす関連要因, 訓練プログラムにおける文字と身振り記号の意義などについて検討した.
著者
宮沢 和之 金田 勇 飯塚 直美 梁木 利男 植村 雅明
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.301-308, 2003
被引用文献数
1

毛髪にハリコシを付与する方法として毛髪自体の育成を助ける生物学的アプローチと, 外部からある基剤を塗布して補強する物理的アプローチが考えられる。前者は軟毛の悩みを根本的に解決できる可能性があるが, 効果が得られるまでに長期間を要する, 効果に個人差がある, などの課題がある。一方, 後者は即効性はあるものの通常洗髪などにより効果が失われるなど, 持続性に乏しいため毎日の適用が必要となる。そこで即効性に優れ, しかもその効果が長期的に持続するハリコシ向上トリートメントの開発を目的として検討を行った。本基剤に求められる基本的条件として, 1. 優れた耐水性, 2. 1本1本の毛髪を独立してコートできること, の2点が挙げられる。そこで耐水性の付与を目的としてアルコキシシランの縮合反応によるネットワーク形成を利用し, 極性をコントロールすることで毛髪への付着性を向上させ, 1本ずつの毛髪を均一な皮膜でコーティング可能な基剤とした。さらに毛髪上に形成される皮膜の強度, 平滑性を検討し, 優れたハリコシ付与効果と良好な使用性を併せ持つへアトリートメントとすることに成功した。