著者
馬場 治 神田 穣太 岩崎 高資
出版者
東京海洋大学江戸前ESD協議会
雑誌
江戸前の海学びの環づくり瓦版
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-16, 2013-07-15

漁業者の思いに応える交流の場として (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業) / 馬場治福島沿岸生態系の放射性物質分布 (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業) / 神田穣太震災前の相馬原釜地区の漁業 (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業) / 岩崎高資漁業者、漁協職員の方に聴く、相馬原釜の沿岸漁業、震災、これからのこと (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業)テーブルで語ろう「不安の根っこを探ろう」 (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業)閉会のご挨拶 (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業)ふりかえりシートから (江戸前ESDふくしまワークショップ : 相馬原釜の沿岸漁業)編集後記
著者
馬場 治 除本 理史 川辺 みどり
出版者
東京水産大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

アサリの全国生産量は1980年代半ばまでは12〜14万トン程度で比較的安定して推移してきたが、それ以降一貫して減少を続け、近年では5万トンを下回る水準にまで低下している。その中にあって、かつて熊本県に次ぐ全国2位の産地であった千葉県は、東京湾の臨海部開発の影響等を受けて全国の産地の中でもいち早く生産を低下させてきた。しかし、1980年代前半に生産低下に歯止めがかかり、それ以降は1万トン前後で比較的安定し、近年では愛知県に次ぐ全国2位の生産を維持している。千葉県における生産維持の背景として、木更津沖合に比較的条件のよい干潟が残されていたことと、そこを利用した養貝事業(特定区域に稚貝を放流し、成長してから採捕する養殖事業)が、地元漁協によって積極的に実施されていることがあげられる。千葉県の東京湾沿岸部では古くからノリ養殖とアサリ漁業が地域経済を支える重要な産業であったが、沿海部埋立が進行した今日においても木更津周辺においては依然としてこれらの漁業が重要な位置を占めている。そこで、残された干潟の効率的利用と地域産業振興という観点から、漁協だけでなく地元自治体も種苗放流に対して財政支援策を講じてきた。また、木更津周辺では、干潟を利用た潮干狩り事業が各地区漁協の手で行われており、都市部に位置することから多くの都市住民の関心を集め、木更津漁協だけでも年間約8万人にのぼる潮干狩り入場者がある。潮干狩り事業は都市住民に貴重な自然環境の中でのレクリエーション機会を提供するとともに、漁協経営の維持にとっても重要な位置を占めている。このように、干潟の存在は、漁業者および漁協の経営維持という機能だけにとどまらず、都市住民に対するアメニティーの提供、そしてレジャー客の来訪にともなう地域経済への波及効果等、この地域にとっては極めて重要な意義を持っていることが分かった。今後は、干潟の持つこのような重要な意義に注目して、臨海部開発と干潟の保護のあり方を注意深く検討する必要があろう。
著者
小河 久朗 林崎 健一 黒倉 寿 佐野 光彦 馬場 治 堀之内 正博 小河 久志 KANGUWAN JUNTARASHOTE CHATCHAREE KAEWSURALIKHIT ANCHANA PRATHEP PRASART TONGUNUI
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

津波後の水産資源は回復しつつあるが、大型海洋植物の植生回復が遅れたところでのイカ・カニ漁業への影響は大きく、資源と漁業の回復への植生の重要性が分かった。一方、津波後、沿岸漁業と沖合漁業間に新たな漁場競合問題が発生しており、援助の不平等性と重複がこの問題の複雑化の一因であった。津波後の水産資源や漁業の回復には、植生に重点を置いた環境修復や零細漁民への被害実態に即した公平な援助の重要性を示唆した