- 著者
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高下 純平
林田 翔太郎
今木 裕幸
光尾 邦彦
- 出版者
- 日本神経学会
- 雑誌
- 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.4, pp.248-253, 2015 (Released:2015-04-22)
- 参考文献数
- 17
症例は53歳女性.2013年8月下旬にマダニ咬傷を受傷.同年10月中旬から40°C台の発熱が出現し,下旬より,左眼中心視野障害,左末梢性顔面神経麻痺をみとめ,当科入院.入院時神経学的所見で,左末梢性顔面神経麻痺,左眼中心暗点,左上下肢失調,体幹失調をみとめた.血液検査で炎症反応と髄液検査で軽度の細胞数増多をみとめた.頭部MRIは異常なく,眼底所見にて左視神経乳頭炎が示唆された.抗菌薬,ステロイドパルス療法で加療し,後日血清抗ボレリアIgG抗体陽性が判明し,神経ボレリア症と診断した.原因不明の視神経乳頭炎において,顔面神経麻痺などの神経合併症を有するばあいには,神経ボレリア症を考慮する必要がある.