著者
相原 良孝 木村 一裕 溝端 光雄 高宮 進 前川 佳史 清水 浩志郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.18, pp.963-970, 2001

心身機能の低下した高齢ドライバーにとって, 道路案内標識は, 認知や判断の正確性, 迅速性を最も厳しく求められる標識である。本研究では, 高齢ドライバーの標識判断時間を評価するとともに, CG映像を用いて, これを推定する方法について検討することを目的としている。本研究では, 地名判断と方角判断という2種類の判断時間の計測を行った。地名判断とは, 標識上にある地名から進行方向を判断するものであるのに対し, 方角判断とは, 標識上にない目的地の方角を判断するものである。<BR>分析の結果, 以下の点が明らかになった。(1) CG映像を用いた実験により, 各種の判断時間の推定が可能であること。(2) 方角判断は地名判断に比べ, より多くの時間を要すること。ではまずはじめに実物の標識を用いて行われた既往研究との比較により, CGによる実験結果との対応関係を明らかにするとともに, CGの長所である複雑な交通場面における標識の判読性について考察し, 高齢ドライバーが複雑な判断を伴う状況において, 非高齢ドライバーよりも多くの時間を要することを明らかにした。
著者
高宮 進
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.967-972, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5
被引用文献数
3 1

マウントアップ形式の歩道の高さは、15cm~25cmとされてきた。ところが、高齢社会の到来、ノーマライゼーションの考え方の浸透などから、道路のバリアフリー対策が重要視されてきており、今後は歩道の高さを低くしていくことが考えられる。また住宅地区内での道路利用をみても、歩車道問のアクセス性を高めるため、歩道高さを低くすることが考えられる。本研究では、マウントアップ形式の歩道を対象とし、「歩道を低くする」という要求に対して、歩行者の危険感・安心感などから歩道面の高さを、また縁石の車両誘導性に関する実験から縁石の高さを評価する。さらに、道路機能を考慮したうえでの歩道高さのあり方を検討し提案する。
著者
片岡 正次郎 白戸 智 牛島 由美子 高宮 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-19, 2013 (Released:2013-01-18)
参考文献数
44
被引用文献数
2

地震等の災害によりインフラに被害が発生すると,被害がインフラ相互に,さらには社会・経済活動にも波及し,損失が拡大する場合がある.本研究ではシステムダイナミクスに基づいて,インフラが災害により被災した場合の復旧過程をモデル化し,首都直下地震を対象とする震災復旧シミュレーションを実施した.各インフラの復旧速度が電力,情報通信,交通インフラに依存するモデルを構築し,これらの被災によってインフラの復旧がどの程度遅れるかを定量的に算出した.
著者
橋本 成仁 坂本 邦宏 高宮 進 久保田 尚
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.797-804, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
3
被引用文献数
1

新たな面的な交通静穏化対策である「コミュニティ・ゾーン形成事業」の安全性と生活環境の向上に関して三鷹市コミュニティ・ゾーンを題材として詳細な交通事故データ分析や自動車走行速度の事前事後調査、当地区の居住者に対するアンケート調査形式の供用後調査などを行うことにより、評価・問題点の抽出を行った。その結果、当地区は交通事故の削減は進んでいるものの、住民がそれを実感できる安心感を醸し出すまでには達していないことが判明した。また、自転車・二輪車交通への対応、狭幅員の道路への整備手法の必要性など、今後、既存住宅地においてこのような事業を進める際に他の地区でも課題となるであろう問題点を抽出した。