著者
片岡 正次郎 佐藤 智美 松本 俊輔 日下部 毅明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.740-757, 2006 (Released:2006-10-20)
参考文献数
62
被引用文献数
2 19

大規模地震を含むマグニチュード5以上の地震の強震記録約11,000波を用いて,地震動の最大加速度,最大速度,SI値,計測震度及び加速度応答スペクトルの距離減衰式を作成した.この距離減衰式は,モーメントマグニチュードと震源距離のほか,スペクトルインバージョンにより推定された加速度震源スペクトルの短周期レベルをパラメータとした回帰式である.短周期レベルをパラメータとした場合には,そうでない場合と比較して,顕著にばらつきの小さい距離減衰式が得られた.また,短周期レベルと地震モーメントとの関係を整理し,その地域性を考察するとともに,地震のタイプごとの関係式を提案した.
著者
猿渡 基樹 中尾 吉宏 片岡 正次郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_818-I_826, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
23

平成28年熊本地震で生じた道路橋の被害は,広い範囲で多数発生しており,様々な調査が実施されてきている.本検討では,道路橋の耐震性の向上による社会経済効果等の分析に用いる基礎資料とするため,熊本地震により被災した道路橋について,耐震設計の適用基準,橋長,損傷部位及び落橋防止対策に着目し,地震動や被災度との関係を整理し,統計分析を行った.その結果,複数径間となることにより損傷の発生率が大きくなること,道路橋被害は支承の損傷が大半を占めること,大きな地震動を受けることにより被災度も大きくなること等が統計的に明らかとなった.
著者
片岡 正次郎 白戸 智 牛島 由美子 高宮 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-19, 2013 (Released:2013-01-18)
参考文献数
44
被引用文献数
2

地震等の災害によりインフラに被害が発生すると,被害がインフラ相互に,さらには社会・経済活動にも波及し,損失が拡大する場合がある.本研究ではシステムダイナミクスに基づいて,インフラが災害により被災した場合の復旧過程をモデル化し,首都直下地震を対象とする震災復旧シミュレーションを実施した.各インフラの復旧速度が電力,情報通信,交通インフラに依存するモデルを構築し,これらの被災によってインフラの復旧がどの程度遅れるかを定量的に算出した.
著者
片岡 俊一 片岡 正次郎 大町 達夫
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.125-142, 1997-08-30
参考文献数
17
被引用文献数
4

To deepen our understanding on long period ground motion used for seismic design, the ground motion in the Osaka basin due to the 1995 Hyogo-ken Nanbu earthquake is studied. First, peak frequencies observed at Fukushima in Osaka city are discussed with the underground structure. Then, direction and velocity of wave propagation are estimated, using up-down component observed at very densely spaced stations in Osaka city. The velocities are close to the phase velocity of the fundamental mode of Rayleigh wave. Propagating direction is about N30W, indicating that the long period ground motion is predominated by the surface waves affected by 3-D topographical conditions. Using boundary element analysis, the 3-D effects on the ground motion is investigated, with a result that the long period ground motion is propagated from N40W direction with surface wave velocity.