著者
大竹 登志子 菊池 和則 前川 佳史 石井 腎二 菊池 和則 前川 佳史 石井 賢二
出版者
(財)東京都老人総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

高齢者の排尿障害に対して,現状では泌尿器科あるいは婦人科外来で対応しているが,まだ十分とはいえない.そこで当事者本人がアクセス可能な「さわやか(排尿)相談室」を導入し,その効果をみた.成果として,1)排尿状態の現状と本人の理解度と日常生活実態が分かりやくし,高齢者が記入しやすい冊子「さわやか日誌(排尿日誌)」と「高齢者排尿問題解決問診表(老研・大竹版)」を作成した.2)個別の面談ケアにより,高齢者の排尿問題解決に面談ケア方法という手法が開発され,このシステムを東京都老人医療センターに導入した.
著者
蓑輪 裕子 林 玉子 中 祐一郎 小滝 一正 大原 一興 佐藤 克志 狩野 徹 前川 佳史 堀端 克久
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.493, pp.109-115, 1997-03-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
9
被引用文献数
4 4

The purpose of this research is to evaluate the effectiveness of the house remodeling support system for the elderly. We administered questionnaires and conducted interviews with recipients of house remodeling grants in Edogawa-ku in Tokyo. The results are summarized as follows; for the elderly there are many difficulties of various types. It was found to be most expensive to remodel bath equipment. Regarding support system, we determined that the elderly need subsidy program, advice concerning methods of remodeling from specialists who have some knowledge about construction and the elderly, and a rental system for technical aid because some items are too expensive and are needed only short term.
著者
相原 良孝 木村 一裕 溝端 光雄 高宮 進 前川 佳史 清水 浩志郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.18, pp.963-970, 2001

心身機能の低下した高齢ドライバーにとって, 道路案内標識は, 認知や判断の正確性, 迅速性を最も厳しく求められる標識である。本研究では, 高齢ドライバーの標識判断時間を評価するとともに, CG映像を用いて, これを推定する方法について検討することを目的としている。本研究では, 地名判断と方角判断という2種類の判断時間の計測を行った。地名判断とは, 標識上にある地名から進行方向を判断するものであるのに対し, 方角判断とは, 標識上にない目的地の方角を判断するものである。<BR>分析の結果, 以下の点が明らかになった。(1) CG映像を用いた実験により, 各種の判断時間の推定が可能であること。(2) 方角判断は地名判断に比べ, より多くの時間を要すること。ではまずはじめに実物の標識を用いて行われた既往研究との比較により, CGによる実験結果との対応関係を明らかにするとともに, CGの長所である複雑な交通場面における標識の判読性について考察し, 高齢ドライバーが複雑な判断を伴う状況において, 非高齢ドライバーよりも多くの時間を要することを明らかにした。
著者
徳田 哲男 前川 佳史 新田 収 入内島 一崇
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.91-98, 2001

中規模特別養護老人ホームの寮母全員を対象に、介護空間別による介護のしにくさに関するアンケート調査と、介護動作に支障を感じさせない寸法の計測を実施した。本調査対象施設の主要な介護空間寸法は、おおむね施設整備基準を越えていたが、介護空間評価においてはさまざまな介護のしにくさが指摘された。主要な介護空間について現存寸法と寮母申告にもとづく推奨寸法を比較すると,出入口の幅員は一般浴室の現存寸法が112cmに対して推奨寸法が140cm,便所がそれぞれ99〜117cm、150cmであった。また居室内のベッドと車いす間の現存移乗寸法は97〜160cmと広範囲に及んだが、推奨寸法として200cmを必要とした。今後の施設居住者の身体機能水準を考慮すると,車いすによる移動はいっそうの増加が予想されることから,福祉機器による移動寸法を前提とした施設空間の設計が不可欠とされる。
著者
國澤 尚子 徳田 哲男 新田 収 前川 佳史 植竹 篤志 桑原 邦寿
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.13-21, 2003
被引用文献数
1

本研究は、車いすを必要とする要介護者およびその介護者が行動しやすい居住空間の広さや備品の配置などについて提案することを目的とする。本稿では、車いすの回旋動作およびベッド・車いす間の移乗動作から、最適な居室のスペースとベッドの高さについて検討した。要介護者、介護者の内観報告をもとに分析した結果、X軸方向、Y軸方向の推奨幅から算出された床面積は9.40m^2であった。これは従来の特別養護老人ホームでの1人あたりの居室面積に近い値であるが、私物が配置された居室の中で車いすを使用しながら生活するためには、さらに広いスペースが必要であろう。また、移乗介助に適したベッド高の推奨値は47.9cmであり、この値は要介護者がベッドの高さに対して「不安を感じない」高さにほぼ一致した。さらに、筋電図を用いて介護者の身体負担を評価した結果、ベッドに臥床している要介護者を抱き起こして座位にするときと、車いすから立位にさせるときに筋負担が大きいことが示唆された。