著者
吉川 肇子 白戸 智 藤井 聡 竹村 和久
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-8, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
11
被引用文献数
15 11

本稿では,社会技術研究で重要となる安全と安心の概念について,以下の4つの視点から論じた.第1に,安心と安全について,日常的にどのような文脈で使われているかを主に新聞記事をもとに検討した.第2に,それぞれの概念について専門家はどのように考えているのかについて,各分野の安全基準を参照しながら検討した.第3に,以上の検討をもとに筆者らは,安全は技術的に達成できる問題であり,安心とは,安全と大いに関連があるものの,それだけでは達成できない心理的な要素を含むものであると考えた.第4に,安心と安全を能動型と無知型に分類し,社会技術研究で目指すべき能動型安心を達成するあり方を議論した.
著者
片岡 正次郎 白戸 智 牛島 由美子 高宮 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-19, 2013 (Released:2013-01-18)
参考文献数
44
被引用文献数
2

地震等の災害によりインフラに被害が発生すると,被害がインフラ相互に,さらには社会・経済活動にも波及し,損失が拡大する場合がある.本研究ではシステムダイナミクスに基づいて,インフラが災害により被災した場合の復旧過程をモデル化し,首都直下地震を対象とする震災復旧シミュレーションを実施した.各インフラの復旧速度が電力,情報通信,交通インフラに依存するモデルを構築し,これらの被災によってインフラの復旧がどの程度遅れるかを定量的に算出した.