著者
高嶋 礼詩 和田 穣隆 星 博幸 新正 裕尚 工藤 崇 西 弘嗣
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
日本地質学会学術大会講演要旨 第125年学術大会(2018札幌-つくば) (ISSN:13483935)
巻号頁・発行日
pp.162, 2018 (Released:2019-08-16)

【災害のためプログラム中止】 平成30年北海道胆振東部地震により学術大会のプログラムが大幅に中止となりました.中止となったプログラムの講演要旨については,著者のプライオリティ保護の見地からJ-STAGEに公開し,引用可能とします.ただし,学術大会においては専門家による議論には供されていませんので「災害のためプログラム中止」との文言を付記します.(日本地質学会行事委員会)
著者
西 弘嗣 高嶋 礼詩
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.6-14, 2005 (Released:2007-06-01)
参考文献数
55
被引用文献数
1

The Indian subcontinent and Asian continent first contacted in the late Cretaceous (about 65Ma) and strongly collided after 52 Ma that is evidenced by slowed northward motion of the Indian Subcontinent from 18-20cm/yr to 4.5cm/yr. Although the first record of uplift in Himalayan regions has been recorded during the Eocene, major uplifts of the Himalayan Range and Tibetan Plateau and the subsequent sediment supply started from the Oligocene through Miocene. Particularly, the rapid uplift stages of Himalayan-Tibetan regions have been recognized, at least, around 8Ma and the last 1Ma based on sedimentological and paleonbotanical studies of marine and terrestrial sequences. The micropaleontological studies in marine sequences revealed that the increased elevations in the Himalayan-Tibetan regions forced a strong monsoonal circulation about 8 Ma, which produced intense upwelling around the Arabian Sea and more seasonal climate changes of terrestrial sequences around the southern Asia. The hypothesis that uplift of plateaus and mountains caused large-scale climate changes during the Cenozoic is still unknown. However, an enhanced chemical weathering due to tectonic uplift in the Himalayan-Tibetan regions may be explained as the active driving force of the Cenozoic global cooling at the beginning of 50 Ma.
著者
林 圭一 西 弘嗣 高嶋 礼詩 友杉 貴茂 川辺 文久
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.14-34, 2011-01-15 (Released:2011-05-11)
参考文献数
42
被引用文献数
3 3

北海道中央南部には,上部白亜系の佐久層,鹿島層,函淵層が広く分布している.本研究では,これまで十分に検討が行われてこなかった大夕張地域以南において佐久層上部~鹿島層にかけての岩相層序を再検討するとともに,浮遊性有孔虫および底生有孔虫化石の層位分布を検討し,浮遊性有孔虫化石による国際年代対比を行った.あわせて底生有孔虫化石帯を設定し,その群集変化から堆積環境の変化を解明することを目的とした.浮遊性有孔虫に基づくと,佐久層上部~鹿島層はチューロニアン上部からカンパニアン下部に対比される.また,底生有孔虫群集の変遷から4つの底生有孔虫化石帯を設定した.底生有孔虫に基づくと,佐久層上部~鹿島層の堆積場は堆積期間を通じで中部~上部漸深海であったと考えられる.
著者
西 弘嗣 高嶋 礼詩
出版者
石油技術協会(The Japanese Association for Petroleum Technology)JAPT
雑誌
石油技術協会誌=Journal of the Japanese Association for Petroleum Technology (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.6-14, 2005-01-01

The Indian subcontinent and Asian continent first contacted in the late Cretaceous (about 65Ma) and strongly collided after 52Ma because northward motion of the Indian Subcontinent slowed from 18-20cm/yr to 4.5cm/yr. Although the first record of uplift in Himalayan regions has been recorded during the Eocene. Major uplifts of the Himalayan Range and Tibetan Plateau and following sediment supply started from Oligocene through Miocene. Particularly, the rapid uplift stages of Himalayan-Tibetan regions have been recognized, at least. Around 8Ma and the last 1Ma based on sedimentological studies of marine terrestrial sequences. The micropaleontological studies in marine sequences revealed that the increased elevations in the Himalayan-Tibetan regions forced monsoonal circulation about 8Ma, which produced intense upwelling around the Arabian Sea and more seasonal climate changes of terrestrial sequences around the southern Asia. The hypothesis that uplift of plateaus and mountains caused large-scale climate changes during the Cenozoic is still unknown. However, an enhanced chemical weathering due to tectonic uplift in the Himalayan-Tibetan regions may be explained as the active driving force of the Cenozoic global cooling at the beginning of 50Ma.
著者
高嶋 礼詩
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2001

今年度はヒマラヤ山脈と同様の衝突帯である,ヨーロッパアルプス西縁部のフランスプロバンス地域と日高山脈西縁部の北海道中軸帯において,白亜系の構造地質学的・層序学的検討を昨年度に引き続き行った.1)フランス南東部の研究結果フランス南東部のDigne周辺地域は,第三紀のアルプス造山活動によって,白亜系が東傾斜の軸を持つ南北性の褶曲と東傾斜の南北性の衝上断層群による変形を被っている.同地域の白亜系について,微化石を用いて詳細な年代を解明することにより,衝上断層による地層の欠損量を定量的に計測した.また,白亜系を不整合に覆う前縁山地堆積物の時空分布から,同地域における衝突に伴う構造運動の時空変遷を考察した.2)北海道中軸部の研究結果衝突帯の前縁部である夕張山地から石狩低地帯に至る地域と,幌加内・朱鞠内から羽幌・小平にいたる地域の2箇所で,広域で詳細な地質図を完成させた.特に前者の地域では塊状泥岩が卓越し,岩相的に単調であるために,同地域の構造を把握することはこれまで全くなされてこなかった.しかしながら,微化石による精密な化石基準面を同定し,それらを広域にマッピングすることにより,岩相上識別不能な同一時間面をトレースすることが出来た.また,夕張山地の白亜系の泥岩中には,数10層の凝灰岩層も挟まれているが,各凝灰岩を識別することが困難なために,鍵層として用いられることもなかった.しかし,各化石基準面と組み合わせることにより,他の地域(羽幌・小平)にまで対比できることが明らかになった.これらの鍵層・化石基準面に基づく地質構造の解析の結果,双珠別衝上断層,芦別岳衝上断層,桂沢衝上断層という,3つの大規模な衝上断層を発見した.さらにこれらの断層によって,それぞれ10km以上の短縮が起こっていたことを解明した.以上の結果により,日高山脈西縁部の複雑な褶曲・衝上断層構造が復元され,島弧衝突帯前縁部における構造を解明することが出来た.この結果の一部をCretaceous Researchに投稿し,受理されている.これまで行ってきた,ヒマラヤ山脈,アルプス山脈,日高山脈の研究結果から,大陸間,島弧間の衝突過程における山脈の形成と,衝上断層の発達過程を比較検討した.その結果,島弧間の衝突では,前縁山地の地質体における衝上断層系の発達のみであるが,大陸衝突では,地殻深部の変成岩ナップの大規模な前進が起こり,前縁山地堆積物に変成を起こしながらのし上がっていくことが明らかになった.