著者
高松 雄三 塩坂 知子 山田 輝彦 山崎 浩二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.872-879, 1998-06-25
被引用文献数
12

本論文では, CMOS回路の短絡故障に対する一つのモデルを提案し, そのテスト生成法を述べる.CMOS回路における短絡故障の振舞いは故障点の回路構造と信号値に依存するので, 短絡している信号線の信号の強さから, あるいはアナログシミュレーションで計算した値からテストを生成するという方法が提案されている.しかしながら, これらの方法は計算量が多く効率が良くない.CMOS回路における短絡故障の多くは論理値で表されることが知られている.そこで, 本論文では「正常回路で互いに異なる論理値を有する信号線間に短絡故障が生じたとき, いずれか一方の故障信号線が正常値とは異なる論理値となる」という短絡故障のモデル(以下, Uモデルと呼ぶ)を提案する.次にUモデルに対するテスト(以下, Uテストと言う)を定義し, Uテストの一生成法を述べる.最後に, 提案する生成法をベンチマーク回路に適用してUテストの生成実験を行い, その有効性を考察する.
著者
高松 雄三 白石 勝 樹下行三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.542-548, 1983-07-15

検出可能な故障に対して検査入力を生成する手法として Dアルゴリズムがよく知られており 実用化されている.しかしながら Dアルゴリズムは 誤り訂正回路のような排他的論理和ゲートの多い回路への適用は実用的でないとされている.そこで これを改良した9-Vアルゴリズム PODEMアルゴリズム FANアルゴリズムなどが考案されている.本論文では 信号線の値として 0 1 D D^^- Xの5値にさらに D/0 D/1 D^^-/0 D^^-/1 D/D^^-の5値を加えた10値を用いた検査系列生成法を提案する.本手法は 0 1 D D^^- Xの5値を用いた含意操作と 先の10値を用いた含意操作 および後方追跡の三つの基本操作から構成されている.検査入力は この基本操作を繰り返して外部入力へ信号値を割り当て 故障信号を外部出力へ伝搬させる経路活性化法により生成している.一般に経路活l性化法では 故障信号を伝搬させる経路に関連する信号値を決めるときや 分岐点における伝搬経路とその数の選択に自由度がある.この自由度の選び方が検査入力生成に関係するが 本手法では 10値を用いることにより自由度を減らし 検査系列生成時間の高速化を試みている.