著者
深瀬 徹 簗川 堅治 高橋 ゆう 吉村 晶子
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.S5-S8, 2022 (Released:2022-08-07)
参考文献数
11

山形県蔵王温泉で,2022年6月5日から7月2日にかけてジョウビタキの巣とそこから巣立った3羽のヒナを観察した.当地では2015年夏まで日本野鳥の会山形県支部の探鳥会が実施されていたが,繁殖期のジョウビタキの観察記録はなく,近年になってから,ジョウビタキが繁殖するようになったものと考えられた.
著者
蕪野 有貴 田口 巧 松永 邦則 高橋 ゆうき 元木 悟
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.345-357, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
25
被引用文献数
5 6

アスパラガスの露地栽培において,1年間の株養成後,定植翌年の春に萌芽してくる若茎をすべて収穫し,その株の収穫を終了させる栽培法(1年養成株全収穫栽培法)を開発し,採りっきり栽培と名付けた.採りっきり栽培では,アスパラガスのセル成型苗を,新規ホーラーを使って深植えすることにより,霜害や低温のため,これまでは定植が不可能とされてきた早春の定植を可能にした.本研究では,採りっきり栽培の定植適期を検討するため,ムラサキアスパラガスの‘満味紫’およびグリーンアスパラガスの‘太宝早生’の2品種を用いて,定植時期が異なる株の生育および収量を比較した.その結果,両品種ともに,新規ホーラーを使って早期に定植することにより,大株が養成できた.また,定植時期が早まるに従ってL級規格以上の太ものの若茎の収量が増え,総収量および可販収量も増える傾向であった.さらに,春季の出荷端境期となる4月に収量が増え,露地栽培の年間平均単収に比べて,収穫1年目の収量だけで同等かそれ以上となった.採りっきり栽培は,省力かつ低コストで高品質多収栽培が可能であり,高収益が見込める新栽培法である.
著者
高橋 ゆう子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.231-240, 2008
被引用文献数
1

本研究では、歩行が安定しない重度の知的障害児2名に動作法を適用し、身体への気づきが促され、過度な緊張の弛緩や適度な緊張が獲得されるプロセスにおいて、日常行為がどのように変容するか、特に母親との関係の中でとらえられる子どもの変容に着目して検討を行った。分析にあたっては、動作法適用の経過、日常生活での様子、さらに発達検査の項目に関する母親の自由記述を資料とした。その結果、日常行為の変容過程における特徴として、(1)日常行為での身体の気づきが高まる、(2)周囲への注意が変化する、(3)試行的な動きが生じる、(4)情緒不安定さが軽減する、というプロセスがとらえられた。そこから身体の操作性と日常行為との関連、日常行為の変容に関する母親の気づきについて考察を行った。
著者
高橋 ゆう子
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.29, pp.581-590, 2019-01-01 (Released:2019-11-09)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本論の目的は,RDI(対人関係発達指導法)の特徴と効果について,一家族の事例から検討することである.対象は,6 歳のASD 児とその両親で,約2 年間RDI に取り組み,その間,アセスメント(RDA)として親子のやりとりを3 回録画した.その映像は,関係性を捉える3 つの状態(共同注意,相互調整,間主観性)について評価された (Larkin, et al, 2010).また,日常生活における母子のやりとりを録画した63 場面について母親が振り返りとして記述した内容について,コンサルタントとともに分類を試み,その特徴を整理した.結果は次の通りである.まず,3 回のRDA から父親,母親とも共同注意,相互調整,間主観性のいずれにも変化がみられた.次に母親の記述については,その内容が肯定,否定,分析,課題,疑問の5 つのカテゴリーに分類でき,否定的な内容が減って肯定的なもの,子どもとの関係性に関する内容が増えた.以上から,RDI が親子の関係性の変容に影響することが推測された.そして,情緒的意欲的関係性に焦点をあてた育て直しをねらったRDI の特徴と課題について考察を行った.