著者
高橋 信之 上原 万里子 室田 佳恵子
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

動脈硬化性疾患発症リスクとして近年、重要と考えられている食後高脂血症が、高脂肪食による腸管炎症で悪化する可能性について検討したところ、1週間の高脂肪食摂取による食後高脂血症の悪化が観察された。また摂取する脂質構成脂肪酸の違いについて検討したところ、不飽和脂肪酸に比べて飽和脂肪酸で食後高脂血症の悪化が認められた。以上の結果より、高脂肪食摂取、特に飽和脂肪酸の摂取により食後高脂血症が悪化する可能性が示唆された。並行して検討した、抗炎症作用を有する新規食品成分のスクリーニングでは、新たに食品成分Xが同定され、動物レベルにおいても、高脂肪食誘導性の食後高脂血症悪化を改善することが明らかとなった。
著者
高橋 信之 河田 照雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

これまで空腹時高脂血症が動脈硬化性疾患のリスク因子として重要であると考えられてきたが、近年、食後高脂血症の方が動脈硬化性疾患発症とより密接に関連していることが示され、食後高脂血症を予防・改善することが重要であると考えられている。しかし、これまでに小腸上皮細胞における脂肪酸酸化活性が食後高脂血症にどのような影響を及ぼすか検討されてこなかった。そこで本研究では、小腸上皮細胞での脂肪酸酸化活性を変化させる内因性・外因性因子の食後高脂血症に対する作用を検討した。その結果、内因性因子としてレプチンが、外因性因子として PPAR-alpha 活性化剤であるベザフィブレートが。小腸上皮細胞での脂肪酸酸化を亢進させることで食後高脂血症を改善することが明らかとなった。さらに PPAR-alpha を活性化する作用を有する DHA にも同様に食後高脂血症を改善する作用があることが明らかとなった。以上のことから、小腸上皮組織における脂肪酸酸化活性は、生体内への脂質輸送量を決定する上で重要であり、食品成分により食後高脂血症を改善することが可能であることが示された。
著者
黒川 洸 尾島 俊雄 高橋 信之 増田 幸宏 小澤 一郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

首都直下地震対策が緊急の課題である現在、世界に多大な影響力を持つ東京の企業の業務中枢機能を維持することが重要である。ミュンヘン再保険会社が発表した都市のリスク指数では、東京の危険度は710と他の都市の高くても100前後という値に比べて非常に高く、国際的に東京の危険性が危惧され、今後東京での国際的企業の経済活動が阻害される恐れがある。現在国際的に行政のみならず民間企業も地震リスクに対策を行うことが必要とされている。特に中央防災会議首都直下地震専門対策委員会においても、企業が災害時に重要業務を継続するためのBCP(事業継続計画)の策定を行うことが必要と報告されている。しかし日本の企業の地震リスク対策は不十分であり、ここ30年以内に起こる可能性の高い首都直下地震による多大な被害も懸念される。そこで企業が具体的にこれらの地震リスクを低減し事業継続を行なうための防災投資の提案を行う必要がある。都市の防災基盤整備としての安全街区構築のためのスキーム検討として、新たな保険制度の提案を目指して下記項目について検討を進めた。BCPのISO化や、企業統治の一環として企業の一層の危機管理が求められる中で、都市のライフラインや建築の設備系統を強固に整備して、特別に信頼性を高めた地域を、日本独自の「安全街区」として提案する。こうした「安全街区」が実現した場合の、安全街区内の高い仕様の建物について、地震利益保険や再保険市場での査定、あるいは不動産投資市場における評価への影響について調査を行った。また海外への研究発表に重点をおいて研究活動を進めた。また、環境と防災両面に資する「都市環境インフラ」の構築に向けての包括的な概念検討を継続して進めており、関連の実測調査や現地調査、文献調査を組み合わせ、今後の研究展開に資する基盤的な要素について幅広く検討を行い成果を得た。研究は、1.人工系都市基盤・都市インフラに関連する研究、2.都市内自然資本に関連する研究、3.各都市の基礎調査、4.安全・安心確保のための関連事例等の基礎調査に分類される。関連する社会的な要求を背景に、意義ある研究を行うことができた。研究助成に御礼申し上げる次第である。