著者
香山 瑞恵 永田 奈央美 高谷 知憲 高橋 正憲
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.97-106, 2007
被引用文献数
2

教科「情報」の教科書は,平成15年度に初版が発刊され,平成17年度には改訂版が発刊されている.本研究ではこれらの教科書に関する定量的データに基づく分析から,その特徴を明らかにし,特に変化の著しい内容に関する変化傾向の定性的分析を通じて,普通教科「情報」の範囲と教授内容の方向性に関して考察した.その結果,情報Aでは「問題解決」に関する内容の記述が詳細かつ具体的になり,主体的な情報活用のための態度形成に関わる記述が増加した一方で,コンピュータリテラシーに相当する記述の本文内での扱いが減少していることがわかった.また情報Bでは,コンピュータの機能や仕組みに関する記述の精査が進み,社会における情報技術の在り方を示す内容が重視されていることがわかった.情報Cでは,情報A同様にリテラシー的記述の減少がみられ,さらに情報通信ネットワークの仕組みと適切なネットワークコミュニケーションの在り方とに関する記述が顕著に増加していた.
著者
高橋 正憲
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2005年度春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.43, 2005 (Released:2005-09-09)

情報システムが企業活動において有効に機能するためには,システムが前提としているビジネスプロセスが経営目標,経営戦略の実現に適合していることが必要である.昨今の変化の激しい経営環境の下では,ビジネスプロセスは定常的な機能モデルからダイナミックなプロセスモデルに転換せざるを得ない.こうした中でプロジェクトマネジメント協会(PMI: Project Management Institute)が2003年12月に発表した「組織的プロジェクトマネジメント成熟度モデル(OPM3: Organizational Project Management Maturity Model)」は,プロセス最適化に向けて成熟度評価のリファレンスモデルと継続的改善のフレームワークを提供するものとして興味深い.本論では,OPM3の構成要素について概説するとともに,その将来的な意義について考察する.
著者
高橋 正憲 羅 明振 栗原 考次
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-16, 2022 (Released:2023-01-25)
参考文献数
23

COVID-19 (2019年に発生した新型コロナウイルス感染症) は, 2019年12月31日に中華人民共和国湖北省・武漢市で最初の症例が確認され, WHO (世界保健機関) が2020年3月11日にパンデミック (世界規模の大流行) 宣言をする事態となった. COVID-19の初感染が観測されるまでの時間に影響を与える要因を理解することは, 次回パンデミックが起きた際に各国が初期段階で取るべき行動指針を考える一助となることが期待される. 本研究では, 初感染までの時間を複数の社会経済的要因の関数として表現した2成分混合回帰モデルを提案する. 分析の結果, 感染初期は飛行機での人の移動が原因となり中国から距離の近いアジア国々やヨーロッパやアメリカなどの先進国に感染が広がっていったことが示唆された. また, 感染中期以降は, アフリカや南米などの人口が多い国に感染が広がっていったことが示された.