著者
佐藤 浩史 山崎 敬広 高橋 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.289, pp.37-41, 2008-11-06

GPSなどによる位置情報は主にナビゲーションサービスで利用されてきたが,昨今は,各種のSNSやTwitterに代表される緩いコミュニケーションサービス,マーケティングなどにおいても重要なものとなってきている.しかし一方で,一般ユーザが自分の位置や行動の詳細を公にすることはプライバシ保護の意味で問題がある.そこで,コミュニケーション目的の公開に適した情報を生成するため,コンテクスト全体を曖昧にしつつ,位置とユーザの関連の強さを定量化する手法を提案する.この値は「におい」をメタファとして説明することが出来る.さらに適用イメージとして,お互いの「におい」をユーザ間で共有するSNSを例示する.
著者
井上 武 朝倉 浩志 植松 幸生 佐藤 浩史 高橋 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.411, pp.97-102, 2010-01-28

多くのWebサイトが,AjaxやマッシュアップのためにWeb APIを提供しているが,Webアプリケーションに適した再利用可能なデータべースコンポーネントがないために,そのようなコンポーネントはサービスごとに独立に開発されてきた.本稿ではWebアプリケーションの開発を迅速に行うためのデータべース管理システムWAPDBを提案する.WAPDBは,Web API標準技術のAtomをべースに設計され,Webアプリケーションに求められる機能を提供する.たとえば,効率的なデータ・アクセス制御や簡潔な拡張メカニズム,検索・統計の提供である.WAPDBの導入によって,開発者はこれらの機能を繰り返し開発することから解放される.さらに,RESTアーキテクチャスタイルに準拠しているため,アプ リケーションに統一性やスケーラビリティがもたらされる.我々はWAPDBを用いたサンプルアプリケーションを開発し,大きな性能低下なしに開発コストを削減できることを示す.我々の実験では,開発コストが半減した一方で,アクセス時間は数ミリ秒しか増加しなかった.
著者
金木 亮一 高橋 紀之 矢部 勝彦
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.211, pp.29-34,a1, 2001-02-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

代かき作業と肥料の種類が田面水の窒素・リン濃度に対して及ぼす影響を検討するため, ポット試験を行った.代かきについては2条件 (代かき有りと無し), 肥料の種類については4条件 (無肥料, 重焼リン, 化成肥料, 被覆肥料) とし, 実験は3回繰り返した. 表面積500cm2のポット8個に水田作土を約20cmの厚さに詰め, 10cm湛水した.ポットは20℃ の恒温室内に静置し, 実験開始1, 3, 5, 7日後に田面水を採水して分析に供した.田面水の窒素・リン濃度に対しては, 代かき作業の方が肥料の種類よりも強い影響を及ぼし, 代かき7日後においても有意な差を示していた.窒素については代かき化成肥料区が他よりも著しく高い濃度を示した. リンは代かきの有無によって大きな濃度差を生じたが, 肥料の種類による差異は小さかった.
著者
井上 武 高橋 紀之 宮崎 敏明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3911-3921, 2002-12-15
参考文献数
12

現行の移動体通信では,各移動端末の移動特性にかかわらずそれぞれの位置を一様に管理している.しかし,実際には多くの端末がまとまって移動している状況が見られ,位置管理システムに大きな負荷を与えている.満員電車や自動車が連なって走っている道路はその一例である.本論文では,位置登録と呼び出しを「負荷」と考え,この負荷が小さくなるように同様の移動特性を持つ端末をグループ化する手法を提案する.移動端末をグループごとに階層的に管理することによって,位置登録発生数を削減することができる.また,グループ数を調整することで,グループ形成にともなう通信オーバヘッドを抑制する手法についてもあわせて提案を行う.いくつかの状況を想定したシミュレーションを行い,大きな負荷軽減効果が得られることを検証した.Present mobile networks handle the location of mobile terminals uniformly. However, many mobiles often move together; i.e., passengers on the same train or a group of cars running on a road. They pass many location areas and issue many location update requests, which incur the heavier location management overheads. In this paper, we present an efficient location management algorithm based on the collaboration of mobiles; accompanying mobiles form groups, and mobile networks handle group locations hierarchically, which reduces the location management overheads. We also describe an unique algorithm which supresses the communication overhead caused by the collaboration. These algorithms can be implemented in a distributed manner, and so they are highly scalable. Simulation results show that our algorithms greatly reduce the location management overheads.
著者
井上 武 朝倉 浩志 佐藤 浩史 高橋 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.191-196, 2009-02-24
参考文献数
17
被引用文献数
2

現在のWebアーキテクチャは,RESTと呼ばれるアーキテクチャスタイル(設計指針)に基づいて設計された.しかし,RESTには,サービスのパーソナライズに欠かせない「セッション」についての設計指針がない.このため,セッションに関連する技術は指針なく開発され,整合性を欠いたまま利用されている.本稿は,RESTにセッションのための設計指針を追加し,サービスのパーソナライズに必要な特性を導く.この指針に従って設計されたアーキテクチャは,パーソナライズの基礎であるユーザの区別から,柔軟な認証手続きやサービスの連携までを実現する特性を備える.設計指針により現在のセッション実装の課題を明らかにするとともに,今後の開発の方向性を示す.