著者
高橋 鉄美 曽田 貞滋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

集団内多型の維持機構を解明することは、遺伝的多様性の維持と直結するため、進化生物学的・生理学的に重要な課題である。私は、シクリッド魚類のあるグループに見られる集団内オス色彩二型を例に、その維持機構を解明しようとしている。本研究課題では、飼育個体群を用いた連鎖解析と野生個体群を用いた関連分析を行い、二型を支配する遺伝子が組み換えの制限された狭いゲノム領域に存在することを明らかにした。しかし、二型の維持機構を解明するには至らなかった。当初、異類交配によって維持されるという仮説を設定していたが、それを支持する結果が得られなかった。このため新たな仮説を提唱し、今後の研究に筋道をつけた。
著者
高橋 鉄美 亀田 佳代子 川村 めぐみ
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.576-578, 2002-07-15
被引用文献数
3 1

琵琶湖産アユとワカサギをカワウの胃内容物から種判別できるようにする目的で尾鰭骨格の観察を行った。両種は尾部棒状骨に下尾骨が癒合せず,2-5個の尾鰭椎前椎体に神経棘が関節することから他の琵琶湖に生息する魚類と区別できた。またアユは尾鰭椎前第3および第4椎体の神経棘が筒状の構造を持ち,先端に軟骨を有すること,そして上尾骨が2本で後方の下端が2叉するか,もしくは3本であることにより,ワカサギと明瞭に識別することが出来た。また両種の尾鰭骨格と体長の関係式も求めた。