著者
高瀬 公三 西川 比呂志 山田 進二
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.717-720, 1983-12-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
11

脳病変をともなう鶏ひなから分離したPseudomonas aeruginosaに対するひなの感受性を検討し, 以下の成績を得た.ひなの感受性は脳内接種で最も高く, 102個で100%死亡した. 皮下および腹腔内接種ではやや低下し, 経口接種では最も低く, 108個で20%が死亡した. これらはすべて接種後5日以内に死亡した.各種日齢のひなに108個を皮下接種した結果, 1および7日齢ひなで100%, 14日齢ひなで50%, 24日齢ひなで10%の死亡率を示し, 若い日齢でより高い感受性を示した.皮下接種によるひなの50%致死量は104.6個であるのに比し, マウスでは107.5個で, 明らかにひなの感受性が高かった.皮下接種した4例のひなに, 野外例と同様な脳病変を再現できた.
著者
岩下 亜季 田原口 智士 高瀬 公三
出版者
鹿児島大學農學部
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
no.56, pp.1-7, 2006-03

西日本の動物園および水族館で飼育されているペンギン(合計144羽)から、2002年8月-2004年5月にかけて採取された糞324検体についてサルモネラの分離を試みた。その結果、2002年8月にA動物園由来の16検体中8検体(50%)からサルモネラが分離され、すべてSalmonella Senfenberg(SS)と同定された。また、2003年12月にC水族館由来の糞15検体中1検体(6.7%)からサルモネラ(04群、血清型不明)が分離された。市販の12薬剤に対する薬剤感受性試験の結果、分離SS株はクロラムフェニコールに対して耐性を獲得していると思われた。04群血清型不明株は耐性を獲得しているとは考えにくかった。SSの7株および04群血清型不明1株を用いて、侵入遺伝子invAの検索を行ったところ、全てinvAを保有していることがわかった。
著者
高瀬 公三 馬場 守ジルベルト 西 理佳子 藤川 英雄 山田 進二
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.327-330, 1995
被引用文献数
1

発育鶏卵漿尿膜(CAM)及び鶏腎培養細胞(CK)由来の鶏アデノウイルス(FAV)寒天ゲル内沈降(AGP)抗原の反応性を実験感染鶏血清及び野外鶏血清を用いて比較し, 次の成績を得た. 実験感染鶏血清の両由来抗原による陽性率はFAVの株(血清型)の違いによって異なり, ヘテロ抗原での陽性率はホモ抗原でのそれに比べて低く, またヘテロ抗原での抗体価もホモ抗原の抗体価に比べて低い傾向を示した. さらに, CAM由来抗原を用いた方がCK由来抗原の場合よりも高い陽性率, 又は高い抗体価の得られる場合が多かった. CAM由来抗原を用いて野外鶏血清を検査したところ, 用いる抗原(血清型)によって抗体陽性率は異なったが, 複数の抗原を混合することにより, 陽性率は高まった. このことから, FAVの血清疫学調査にはCAM由来の複数の血清型のAGP抗原を用いて行うことが望ましいと考えられた.
著者
高瀬 公三 馬場 守 ジルベルト 有吉 理佳子 藤川 英雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1129-1131, 1996-11-25

SPF発育鶏胚の高度病原性伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(hv IBDV)F539株及びDV86株に対する感受性を, 3つの接種ルートで, 従来型IBDV G691株と比較しながら調べた. その結果, 鶏胚のhv IBDV 2株に対する感受性はG691株より高く, 感染胚のほぼ100%が死亡し, 算出された50%胚致死量は50%胚感染量とほぼ同値を示した. 鶏胚に対する高い致死性はhv IBDVに特徴的な性状と思われた.
著者
高瀬 公三 馬場 守 ジルベルト 有吉 理佳子 藤川 英雄
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1129-1131, 1996
被引用文献数
7

SPF発育鶏胚の高度病原性伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(hv IBDV)F539株及びDV86株に対する感受性を, 3つの接種ルートで, 従来型IBDV G691株と比較しながら調べた. その結果, 鶏胚のhv IBDV 2株に対する感受性はG691株より高く, 感染胚のほぼ100%が死亡し, 算出された50%胚致死量は50%胚感染量とほぼ同値を示した. 鶏胚に対する高い致死性はhv IBDVに特徴的な性状と思われた.
著者
高瀬 公三 馬場 守ジルベルト 西 理佳子 藤川 英雄 山田 進二
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.327-330, 1995-04-15
被引用文献数
2

発育鶏卵漿尿膜(CAM)及び鶏腎培養細胞(CK)由来の鶏アデノウイルス(FAV)寒天ゲル内沈降(AGP)抗原の反応性を実験感染鶏血清及び野外鶏血清を用いて比較し, 次の成績を得た. 実験感染鶏血清の両由来抗原による陽性率はFAVの株(血清型)の違いによって異なり, ヘテロ抗原での陽性率はホモ抗原でのそれに比べて低く, またヘテロ抗原での抗体価もホモ抗原の抗体価に比べて低い傾向を示した. さらに, CAM由来抗原を用いた方がCK由来抗原の場合よりも高い陽性率, 又は高い抗体価の得られる場合が多かった. CAM由来抗原を用いて野外鶏血清を検査したところ, 用いる抗原(血清型)によって抗体陽性率は異なったが, 複数の抗原を混合することにより, 陽性率は高まった. このことから, FAVの血清疫学調査にはCAM由来の複数の血清型のAGP抗原を用いて行うことが望ましいと考えられた.
著者
牛島 稔大 河合 透 長尾 和哉 高瀬 公三 種子野 章 山田 進二
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.390-393, 1994-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
11

熊本県および大分県内の6養豚場における2週齢豚26頭, 4週齢豚29頭および8~12週齢豚48頭, 計103頭について鼻粘膜から Bordetella bronchseptica (Bb) および Paseurella multocida (Pm) の分離を試みBb凝集抗体価を測定した. Bbは103頭中26頭から分離され, 菌分離陽性例の凝集抗体価は1: 160以下であった. Pmは103頭中55頭から分離され, 菌分離陽性例のBb凝集抗体価は1: 20未満から1: 1, 280であった. 経時的にみると, Bb分離以前にPmが分離される豚群が認められ, Bbの先行感染がなくPmの鼻粘膜定着がおこる例のあることが示唆された.
著者
高瀬 公三 西川 比呂志 野中 富土男 山田 進二
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.567-574, 1985-08-15
被引用文献数
3

肉用鶏の腱鞘炎由来トリレオウイルス58-132株の病原性を検索した. 1日齢SPFひ^^.な^^.に58-132株を皮下接種すると, 10^<2.7>PFU/羽以上でひ^^.な^^.は全例死亡し, LD_<50>は10^<0.8>PFUであった. 10^<5.7>PFU/羽の経口接種では14羽中10羽が死亡した. 58-132株を7日齢以下のひ^^.な^^.に経口接種すると生残ひ^^.な^^.の全例に腱鞘炎が認められたが, 14日齢接種では5羽中3羽のみが発病し, 21日齢以上のひ^^.な^^.への接種では発病例はなった. また, 感染ひ^^.な^^.と同居させたひ^^.な^^.の全例に腱鞘炎が発生し, ウイルスが回収され抗体も陽性を示した.