著者
斉藤 進 高間 総子 豊巻 孝子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.165-168, 1972-07-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
9

環境条件が味覚にどのような心理的影響を与えるかについて実験するため, 温湿度, 照明, 音響などを調節できる特殊な官能審査室を設け, John, W. Mitchell が行なった1:2点官能審査法を採用し, パネルによる審査をした。その結果, 総合的に温湿度, 照明, 音響などの環境要素を変えた場合と, 照明のみを変えた環境条件下で行なった場合では何れも5%の水準で有意差があり, 環境が味覚の心理に影響したものと思われた。
著者
小山 秀紀 鈴木 一弥 茂木 伸之 斉藤 進 酒井 一博
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.56-67, 2019 (Released:2020-04-10)
参考文献数
33

本研究では昼寝を想定した椅子での短時間仮眠が睡眠の質,パフォーマンス,眠気に及ぼす影響を調べた。仮眠は昼食後の20分間とし,ベッドでの仮眠を比較対照とした。測定項目は睡眠ポリグラフ,パフォーマンス(選択反応課題,論理課題),精神的作業負担とした。分析対象は夜間睡眠統制に成功した6名(20.8 ± 1.6歳)であった。ベッド条件に比べ,椅子条件では中途覚醒数が有意に多く(p < 0.05),徐波睡眠が少ない傾向にあった。両条件で仮眠後に眠気スコアは有意に低下した(p < 0.001)。パフォーマンスは条件間で有意差はなかった。昼寝椅子における短時間仮眠は睡眠が深くなりにくく,ベッドとほぼ同様の眠気の軽減効果が得られることが示された。(図5,表8)
著者
岩切 一幸 毛利 一平 外山 みどり 野瀬 かおり 落合 孝則 城内 博 斉藤 進
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.7-14, 2006-01-20
被引用文献数
1 4

フリーアドレス形式オフィスレイアウトでのVDT作業者の姿勢および身体的疲労感: 岩切-幸ほか.独立行政法人産業医学総合研究所-フリーアドレスとは, オフィス内の好きな机に作業者がコンピュータや資料を持って自由に座ることができる新しいオフィスレイアウトである.近年, このレイアウトの導入が増えてきていることから, 従来の固定席形式レイアウトと比較した, フリーアドレス形式レイアウトの実状と作業者の疲労状況を明らかにすることを目的としたアンケート調査を実施した.解析対象者は, システムエンジニア職でノート型コンピュータを使用している20歳から59歳までの男性VDT (Visual Display Terminals)作業者203名とした.そのうち, フリーアドレスの作業者は150名, 固定席の作業者は53名であった.フリーアドレス形式レイアウトは, 固定席形式レイアウトに比べて個人の作業スペースの改善に有効であった.フリーアドレスにおいて危惧されてきた作業者間のコミュニケーションやサポートの不備については, 作業者の不満は認められなかった.しかし, フリーアドレス形式レイアウトでは, 踵が浮いた姿勢で作業している者が多く, 椅子の高さ調節を行っていないと思われた.さらに, このレイアウトは, 首・肩および背中・腰のこり・痛みを増大させる可能性も否定できなかった.このことから, フリーアドレス形式レイアウトは, 何らかの問題を抱えている可能性があり, このレイアウトとVDT作業者の健康について更に研究が必要と考えられた.
著者
小山 秀紀 鈴木 一弥 茂木 伸之 斉藤 進 酒井 一博
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.56-67, 2019

<p>本研究では昼寝を想定した椅子での短時間仮眠が睡眠の質,パフォーマンス,眠気に及ぼす影響を調べた。仮眠は昼食後の20分間とし,ベッドでの仮眠を比較対照とした。測定項目は睡眠ポリグラフ,パフォーマンス(選択反応課題,論理課題),精神的作業負担とした。分析対象は夜間睡眠統制に成功した6名(20.8 ± 1.6歳)であった。ベッド条件に比べ,椅子条件では中途覚醒数が有意に多く(p < 0.05),徐波睡眠が少ない傾向にあった。両条件で仮眠後に眠気スコアは有意に低下した(p < 0.001)。パフォーマンスは条件間で有意差はなかった。昼寝椅子における短時間仮眠は睡眠が深くなりにくく,ベッドとほぼ同様の眠気の軽減効果が得られることが示された。(図5,表8)</p>
著者
岩切 一幸 毛利 一平 外山 みどり 堀口 かおり 落合 孝則 城内 博 斉藤 進
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 = Journal of occupational health (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.201-212, 2004-11-20
参考文献数
29
被引用文献数
11 34

近年,VDT(Visual Display Terminals)機器の普及により,職場におけるVDT作業者数およびVDT作業時間は増加している.それに伴い,VDT作業に関する疲労対策に取り組んでいる事業所も増えている.本研究では,このような職場におけるVDT作業者の疲労状況と疲労に関連する項目を検討し,改善すべき要因の候補を見いだすことを目的としたアンケート調査を実施した.調査票は3,927部配布し,2,374部(回収率:60.5%)回収した.解析対象者は,20歳から59歳までのVDT作業者1,406名(男性1,069名,女性337名)とした.疲労と調査項目との関連性の検討には,ロジスティック回帰分析を用いた.疲労自覚症状の訴えは,男女ともに眼の痛み・疲れが最も多く(72.1%),次いで首・肩のこり・痛み(59.3%),腰のこり・痛み(30.0%),手・腕の痛み・疲れ(13.9%)が多かった.いずれの疲労自覚症状においても,女性は男性に比べ高い有訴率を示した.眼の痛み・疲れには,男女ともに気流への不満の有無が最も関連し,従来眼の痛み・疲れの要因とされてきた照明の映り込みや文字の見やすさは関連しなかった.これは,職場での照明環境が改善され,グレア対策が進められているためと考えられる.首・肩のこり・痛みにはキー入力中の肩の持ち上がりとマウスの形状・操作位置が関連し,手・腕の痛み・疲れにはマウスの操作位置と机の高さが関連した.腰のこり・痛みには,椅子の座り心地とキー入力中の手首を浮かせた姿勢が主に関連した.筋骨格系の疲労では,VDT作業に関する疲労対策が実施されてきているにも関わらず,従来の報告と同様の項目が関連した.<br>
著者
ヴォイチェフ ヤストシェンボフスキ:ポーランド語原本 ダヌータ コルデツカ:復刻版編集者 テレサ バウカ-ウレヴィチョヴァ:英語訳 斉藤 進:日本語訳 松田 文子:日本語訳 酒井 一博:日本語訳
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.189-219, 2012 (Released:2014-07-25)
被引用文献数
1

人間工学のルーツは,1857年にポーランドの科学者ヤストシェンボフスキが,ギリシャ語に由来するエルゴノミクスを「働くことの科学」として造語したことに遡る。人間工学の誕生である。ヤストシェンボフスキは,エルゴノミクスの概念を1857年発行の「自然と産業」誌にポーランド語で発表した。ポーランド労働保護中央研究所では原典を英訳し,「エルゴノミクス概説-自然についての知識から導かれる真理に基づく労働の科学」として,国際人間工学連合と米国人間工学会大会が2000年に併催されたときに記念出版した。歴史的に重要な書籍の復刻版を日本語で公開することに対し,快諾頂いたポーランドの英語版編集者ダヌータ・コルデツカ労働保護中央研究所長に感謝する。
著者
山口 忍 丸井 英二 斉藤 進 荒賀 直子
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.468-476, 2007-09-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
29

目的: 1歳児をもつ母親の育児困難感の有無を把握し, 母子の属性と育児困難感の関連を明確にする. 対象: 千葉県内の協力が得られた2市に在住する1歳児をもつ全母親910名 方法: 2005年10月に無記名自記式質問紙による郵送調査を実施した. 育児困難感がある母親の把握には母子愛育会日本子ども総合研究所が作成した子ども総研式育児支援質問紙1歳児用を使用した. 結果: 分析対象は有効回答が得られた362名 (39.8%). 育児困難感がある母親は21.0% (76名) であった. その内, 育児困難感I. IIともにもっとも強いランク5である面接相談が必要とされる母親は4.4% (16名) であった. 育児困難感がない母親は79.0%で, その内訳では全くなしが45.0%であった. 母の属性7項目との関連では, 妊娠中に異常があった母親と関連がみられた (p<0.05). 子どもの属性7項目との有意な関連はなかった. 結論: 育児困難感がある母親は21%であり2000年の川井らの報告と比較して増加していた. また, 妊娠中に異常があった母親は育児困難感を持つことが明確になった. 今後は育児困難感軽減に向けた取り組みの充実が急務であり, そのためには妊娠中からの予防方法の開発, 汎用性がある育児困難感尺度の開発が必要である.
著者
斉藤進
雑誌
Hip Joint
巻号頁・発行日
vol.18, pp.142-147, 1992
被引用文献数
3