著者
辰巳 桃子 鮫島 由香 松井 徳光
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.329-334, 2019-10-05 (Released:2019-10-11)
参考文献数
12

低温(5℃)条件下で甘酒により挽肉を発酵させ,タンパク質の分解の程度を調べたところタンパク質の分解は緩やかであった。そこで,より早く食肉を軟らかくでき,甘酒で発酵させることの有効性を明らかにするため,酵素活性に影響を与えることが予測される,米麹の保存状態(冷蔵・冷凍)や甘酒の塩分濃度によるプロテアーゼ活性への影響について検討した。米麹のプロテアーゼ活性は冷蔵・冷凍ともに保存期間の経過につれて増加傾向が見られ,冷凍保存した米麹は著しい品質劣化もなかった。甘酒に食塩を添加することで酵素反応温度55℃で行ったものはプロテアーゼ活性が増加した。食塩を添加した甘酒で発酵を行う方が調理への汎用性が高いことが推察されたため,今後,実際に食肉の発酵を行う5℃においての食塩添加による有効性を明らかにする必要がある。
著者
西田 菜津美 鮫島 由香 田畑 麻里子 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.80-84, 2015-07-31 (Released:2018-03-15)

一般的に,ヨーグルトの物性及び風味は凍結保存を行うことで変化する.しかしながら,ヨーグルトにきのこ麹を加えることで,ヨーグルトの物性や風味,乳酸菌の生菌数は維持された.
著者
鮫島 由香 澤 菜穂 田畑 麻里子 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.100-103, 2017 (Released:2019-09-05)
参考文献数
8

鰹出汁を用いてスエヒロタケ Schizophyllum commune (NBRC4928)の菌糸体を培養したところ,マルト培地で培養した菌糸体と比較して抗酸化活性が高かった.鰹出汁培地で培養した菌糸体中にエルゴチオネインの生産が確認された.エルゴチオネインの収量は乾燥菌糸体1 gあたり1.01 mgであり,培地1 L当たりの生成量は12.9 mgであった.鰹出汁培地を用いた場合では乾燥菌糸体1 gあたりの収量は少なかったが,培地1 Lあたりの収量は生成する菌糸体が比較的多かったため従来報告されている収量より高かった.