4 0 0 0 OA 金太郎の誕生

著者
鳥居 フミ子
出版者
東京女子大学
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.12-46, 1984-09-30

我々が幼い頃から親しんでいる金太郎、あの、おかっぱ頭で、朱色の裸体に「金」の字の入った腹がけをつけ、足柄山の山奥で鉞(まさかり)をかついで熊にまたがり、動物を相手に相撲をとるという、力持ちで愛らしい金太郎は、どのようにして生まれたのであろうか。その誕生の過程を辿ってみると、説話的要素の演劇化、演劇的世界の文芸化・童話化の道筋をみることができる。長い年月を経て形成されてきた金太郎のイメージの定着のあとを追いながら、説話・演劇・文芸・童話のかかかり方を考えてみたい。
著者
鳥居 フミ子
出版者
日本歌謡学会
雑誌
日本歌謡研究 (ISSN:03873218)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.86-98, 1990-12-30 (Released:2021-03-31)
著者
鳥居 フミ子
出版者
東京女子大学
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.11-31, 1993-03-15

ここに掲載する「正氏出世始」は「糸井文庫」所蔵の絵入り六段本である。「糸井文庫」は京都府与謝郡岩滝町出身の銀行家糸井仙之助氏(明治七年五月二十日生、昭和二十四年二月一日没)による丹後地方の郷土資料を中心とするコレクションで、昭和二十四年一月に舞鶴市に譲渡されたものである。当初は舞鶴市立西図書館に保管されていたが平成二年十二月より舞鶴市教育委員会の管理下に移された。「正氏出世始」は古浄瑠璃「さんせう太夫」の一本である。従来本書については紹介されたことがなく、『国書総目録』『古典籍総合目録』などこも掲載されていない。説経「さんせう太夫」の浄瑠璃化の様相が知られる絵入り本である。
著者
鳥居 フミ子
雑誌
日本文學
巻号頁・発行日
vol.77, pp.32-43, 1992-03-15
著者
鳥居 フミ子
雑誌
東京女子大学紀要論集
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.77-95, 1993-09-20

One of the Tosa Joruri, Suounonaishi Bijinzakura is based on a waka by Suounonaishi (which was collected as one of the Ogura One Hundred Waka) and an anecdote which was based on a henka of Fujiwarano Tadaie. Suounonaishi Bijinzakura dramatized a further anecdote in the progress toward marriage of Suounonaishi and Tadaie dealt with in these two poems. This drama portrays both the heroine and the hero in terms of the modern Japanese interpretation of human nature.
著者
鳥居 フミ子
雑誌
日本文學
巻号頁・発行日
vol.67, pp.1-15, 1987-03-15

中将姫説話が江戸時代にどのように演劇化されていったかを、土佐浄瑠璃「中将姫」を中心にして考えてみたい。中将姫は当麻寺の曼陀羅の制作者として鎌倉時代以来喧伝されてきた女性である。その説話は、縁起・絵解き・絵巻などとなって、当麻寺の宣伝に一役を担って、大衆の間に根を下ろしていった。中世においては、物語化されてお伽草子となり、さらにこれが劇化されて、能にも作られている。江戸時代を迎えて、中将姫説話は、歌舞伎や浄瑠璃に仕組まれて、変貌しながら大衆の中に浸透していったのである。その変貌の様相に、中世説話の近世演劇化の実態を跡づけることができるように思われる。
著者
鳥居 フミ子
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.77-95, 1993-09-20

One of the Tosa Joruri, Suounonaishi Bijinzakura is based on a waka by Suounonaishi (which was collected as one of the Ogura One Hundred Waka) and an anecdote which was based on a henka of Fujiwarano Tadaie. Suounonaishi Bijinzakura dramatized a further anecdote in the progress toward marriage of Suounonaishi and Tadaie dealt with in these two poems. This drama portrays both the heroine and the hero in terms of the modern Japanese interpretation of human nature.
著者
鳥居 フミ子
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.p47-71, 1988-03

The love story of Emperor Genso and Yokihi, first made popular in 'Chogonka', has been adapted for a variety of literary works since the Heian Period. In the popular version Atsuta Myojin (gracious deity), incarnated as Yokihi, fascinates Genso in order to frustrate his plan of invading and plundering Japan. To-no-Genso is an adaptation from this popular version of the traditional story of Genso and Yokihi; it is a characteristic honji-mono. In To-no-Genso, the lovers' merrymaking at the Kasei-kyu (Palace) and their michiyuki to Bakai-ga-hara (Plain) are typical examples of fushigoto, which feature beautiful song passages accompanied by samisen music. In this may To-no-Genso magnifies the world of the 'Chogonka' and the preceding ko-joruri to introduce a novel type of drama.
著者
鳥居 フミ子
出版者
東京女子大学
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.1-15, 1987-03-15

中将姫説話が江戸時代にどのように演劇化されていったかを、土佐浄瑠璃「中将姫」を中心にして考えてみたい。中将姫は当麻寺の曼陀羅の制作者として鎌倉時代以来喧伝されてきた女性である。その説話は、縁起・絵解き・絵巻などとなって、当麻寺の宣伝に一役を担って、大衆の間に根を下ろしていった。中世においては、物語化されてお伽草子となり、さらにこれが劇化されて、能にも作られている。江戸時代を迎えて、中将姫説話は、歌舞伎や浄瑠璃に仕組まれて、変貌しながら大衆の中に浸透していったのである。その変貌の様相に、中世説話の近世演劇化の実態を跡づけることができるように思われる。