著者
黒住 隆行 柏野 邦夫 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1817-1825, 2001-08-01
参考文献数
18
被引用文献数
10

既知の音や映像(目的信号)が長時間の音や映像(蓄積信号)のどの時点にあるか探索する問題(時系列探索)において,高速かつ高精度に探索する手法を提案する.時系列探索における問題点は,音や映像の特徴にビデオのダビングや各種圧縮方式などによるひずみが発生することである.そのようなひずみが激しく起こると,探索精度が低下する.本論文では,そのようなひずみを吸収するための手法として,確率ディザボーティングを提案する.これは,ひずみの確率分布を学習により求め,その確率分布をヒストグラム上に表現するものである.ビデオのダビングや圧縮が起こった映像を探索する実験では,いずれのひずみにおいても探索精度の改善が見られた.例えば,ダビングを4回行った1時間の蓄積信号から5秒の目的信号を探索する場合では,従来法より探索精度が4.5%改善し,本手法の有効性が確認された.本手法により,様々なひずみに対して頑健なマルチメディア探索が可能になると考えられる.
著者
井上 卓弥 平山 高嗣 高橋 友和 川西 康友 出口 大輔 井手 一郎 村瀬 洋 黒住 隆行 柏野 邦夫
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.138, no.11, pp.1399-1409, 2018-11-01 (Released:2018-11-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Recently, the spread of Web cameras has facilitated video-conferencing as a means of communication. Since a Web camera is usually located outside the display while the user looks at his/her partner in the display, there is a problem that they cannot establish eye contact with each other. Various methods have been proposed to solve this problem, but most of them required specific sensors, and robust and accurate feature extraction for various appearances to densely associate facial feature points of the images. In this paper, we propose a method that transforms the eye areas to synthesize eye contact using a single camera that is commonly implemented in laptop computers. Concretely, we implemented a system which transforms the user's eye areas in an image to his/her eye image with a straight gaze to the camera only when the user's gaze falls in a range that the partner would perceive eye contact. We then confirmed the effectiveness of the proposed method in terms of accuracy of the gaze area classification, subjective evaluation score for eye contact, and accuracy of eye contact through experiments.
著者
柏野 邦夫 木村 昭悟 黒住 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.116, pp.13-17, 2005-06-09

長時間にわたって蓄積された映像信号や音響信号の特徴時系列において, 既知の映像信号や音響信号の出現箇所を高速に探索する手法を提案する.このような手法として, これまでに, 時系列アクティブ探索法が提案されている.時系列アクティブ探索法では, 類似度のもつ局所的な制約に基づいて枝刈りを行っていた.本稿で提案する手法は, 類似度の局所的な性質と大域的な性質の双方を枝刈りに利用することで高速化を図る.また, 類似度(距離)の定義にかかわらず全探索と同一の探索結果(つまり時系列アクティブ探索法と同一の探索結果)が得られるという特徴がある.映像探索を題材として実験を行った結果, 時系列アクティブ探索法に比べ, 照合計算回数が約28%削減されるとともに, 探索の所要時間も削減された.