著者
小塩 允護 肥後 祥治 干川 隆 佐藤 克敏 徳永 豊 齊藤 宇開 竹林地 毅
出版者
独立行政法人国立特殊教育総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、国内外の知的障害のある人の生涯学習の展開について、法制度の変遷、文化的背景等の社会的要因、参加者及び保護者のプログラムに参加した経緯、これまで受けてきた支援や教育のヒストリー等、支援者の障害に関する認識とプログラムの内容等の個人的要因を検討し、わが国における知的障害のある人のために有用な生涯学習プログラムや支援方法等を開発することである。本研究の成果として,海外の生涯学習のプログラムの開発を行うための資料を整理し,生涯学習における支援プログラムの開発に寄与することができた。研究最終年次である平成18年度は、年度当初に研究協議会を開催し、3年間に得られた結果を整理し、報告書の項立てと執筆分担などを決めて、平成19年2月までに報告書を作成した。アメリカのシラキュウス地区では、シラキウス大学とシラキウス学区との提携で行われているオン・キャンパス・プログラムについて、プログラム参加者、支援者、企画責任者との面接調査を行った。また、障害のある人の自己権利擁護運動と生涯学習との関連についてシラキウス大学の研究者から情報収集した。イギリスのロンドン地区では、イギリスの自閉症協会が運営する自閉症学校2校(初等教育学校、中等教育学校)、ハートフォード州立の初等教育学校1校、特別学校2校(初等教育学校、中等教育学校)を実地調査するとともに、自閉症協会の教育部門責任者、自閉症協会運営の高機能自閉症に特化した就労支援機関(プロスペクツ)責任者、ハートフォード州教育委員会のスベシャリスト・アドバイザリー・サービス担当者との面接調査を行い、イギリスが推進する教育改革やインクルーシブ教育、自閉症協会が推進するSPELLに代表される支援理念が自閉症のある人の生涯学習を進める上でどのようなインパクトを持つかについて資料収集した。報告書では,知的障害のある人の成人教育の概略,北米における知的障害のある人の高等教育機関での生涯学習の展開,オーストラリアにおける知的障害のある人の生涯学習,フィンランドにおける特別ニーズ教育と障害のある人の生涯学習,ニュージーランドの知的障害のある人の生涯学習,イギリスにおける特別な教育的ニーズに応じる教育と生涯学習の項目で,分担執筆した。
著者
熊 仁美 竹内 弓乃 原 由子 直井 望 山本 淳一 高橋 甲介 飯島 啓太 齊藤 宇開 渡邊 倫 服巻 繁 ボンディ アンディ
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.85-105, 2010-01-30

本論文は、2008年7月12日に法政大学で行われた公開講座『自閉症とコミュニケーション』におけるシンポジウムを収録したものである。慶應義塾大学における自閉症児のコミュニケーションをのばす包括的支援プログラム、筑波大学におけるPECSを日常的に使うための家庭支援プログラム、民間療育機関たすくにおける機能的コミュニケーション指導が紹介され、ボンディ博士による指定討論が行われた。