- 著者
-
齋藤 健司
- 出版者
- 神戸大学
- 雑誌
- 奨励研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 1997
1 現行のフランスにおけるスポーツ基本法である1984年7月16日の法律について解説付きの逐条訳を行った論文を公表した。また,同論文の解説において1984年以降のスポーツ基本法の改正の歴史的な展開を次の通り示した。1985年1月3日の法律第85-10号による改正,1987年12月7日の法律第87-979号による改正,1992年7月13日の法律第92-652号による改正,1993年12月6日の法律第93-1282号による改正,1994年8月8日の法律第94-679号による改正,1995年1月21日の法律第95-73号による改正。2 フランススポーツ基本法のスポーツ法体系における位置について,論文「フランススポーツ法典の構成」の中で示し,スポーツ基本法が基礎となりフランスのスポーツ法体系および各種の関係する制度が発展していることを明らかにした。3 特にスポーツ保険法制度の指導的判例であり,スポーツ基本法のスポーツ保険理論の展開の前提となった1989年10月24日の破棄院判決を判例研究した。また,スポーツ基本法におけるスポーツ保険制度の歴史的な形成の過程を明らかにし,論文を公表した。4 特にスポーツ指導者資格制度に関する法の歴史的発展の過程を明らかにし,論文を公表した。5 スポーツ連盟の公役務および公権力の特権を行使することによる制裁に関わる指導的な判例研究を行い,論文を公表する。6 スポーツに関する特別な法律が誕生する1940年以前において,1907年から1920年に国会に提出された体育を義務化する法律案が存在し,これらが1940年のスポーツ組織に関する法律に与えた影響を検討し,論文を公表する。7 今後は,これまで行ってきた研究成果を踏まえて,フランスにおけるスポーツ基本法の成立と展開に関する歴史的な過程をまとめ,平成11年度以降に論文としてまとめる予定である。