著者
楊 紅梅 齋藤 健司
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 第72回(2022) (ISSN:24367257)
巻号頁・発行日
pp.399, 2022 (Released:2022-12-22)

日本における相撲の歴史は長く、奈良時代の相撲節会、鎌倉時代の武家相撲、江戸時代の勧進相撲など、多様な形式で行われて。特に、江戸時代になると全国で勧進相撲が興行として行われ、1781年に相撲会所が結成され、庶民の娯楽文化として定着した。その後、江戸時代が終了し、西洋文化を取り入れて明治維新、日本社会の近代化がすすめられる過程で、このような社会の変革に相撲団体も対応し存続を図る必要性が生じた。そして、1889年に東京大角力協会が結成され、1925年に財団法人大日本相撲協会が設立されました。この財団法人大日本相撲協会の設立以後、日本においては、相撲協会が法人化に伴う組織改革を繰り返しながら団体組織として維持発展してきた。本研究は、日本の伝統的な文化である相撲が近代社会の変革に対応し、西洋の文化及び制度との衝突を克服することができたのは、この団体の法人化にあると考えた。そこで、まず、本研究では、相撲協会が初めて法人化された1925年の大日本相撲協会の設立までを研究の対象とし、相撲協会の法人化の過程を明らかにし、法人化の歴史的な意義を考察することを研究の目的とした。また、本研究では、相撲協会の財団法人化という制度の変化について、歴史的新制度論の分析の視角に基づいて、歴史的な制度の変化の過程を明らかにした。相撲協会の財団法人化という制度の変化がどのような歴史的過程で行われたのか、制度の変化に影響を与えた歴史的事実や関係するアクターの行動を明らかにした。また、1925年の大日本相撲協会の財団法人化の政策決定過程について考察した。具体的には、1909年に常設館が開館し国技として大相撲興行制度が整備されていく過程、1925年に摂政杯を契機に東、西相撲協会が合併し、大相撲が統一され、その後財団法人となる過程、そして財団法人設立後、組織·制度などの改革が行われる過程を明らかにした。
著者
齋藤 健司
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
齋藤 健司
出版者
神戸大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

1 現行のフランスにおけるスポーツ基本法である1984年7月16日の法律について解説付きの逐条訳を行った論文を公表した。また,同論文の解説において1984年以降のスポーツ基本法の改正の歴史的な展開を次の通り示した。1985年1月3日の法律第85-10号による改正,1987年12月7日の法律第87-979号による改正,1992年7月13日の法律第92-652号による改正,1993年12月6日の法律第93-1282号による改正,1994年8月8日の法律第94-679号による改正,1995年1月21日の法律第95-73号による改正。2 フランススポーツ基本法のスポーツ法体系における位置について,論文「フランススポーツ法典の構成」の中で示し,スポーツ基本法が基礎となりフランスのスポーツ法体系および各種の関係する制度が発展していることを明らかにした。3 特にスポーツ保険法制度の指導的判例であり,スポーツ基本法のスポーツ保険理論の展開の前提となった1989年10月24日の破棄院判決を判例研究した。また,スポーツ基本法におけるスポーツ保険制度の歴史的な形成の過程を明らかにし,論文を公表した。4 特にスポーツ指導者資格制度に関する法の歴史的発展の過程を明らかにし,論文を公表した。5 スポーツ連盟の公役務および公権力の特権を行使することによる制裁に関わる指導的な判例研究を行い,論文を公表する。6 スポーツに関する特別な法律が誕生する1940年以前において,1907年から1920年に国会に提出された体育を義務化する法律案が存在し,これらが1940年のスポーツ組織に関する法律に与えた影響を検討し,論文を公表する。7 今後は,これまで行ってきた研究成果を踏まえて,フランスにおけるスポーツ基本法の成立と展開に関する歴史的な過程をまとめ,平成11年度以降に論文としてまとめる予定である。