著者
Hiromi NAKANISHI Atsushi MORI Kouki TAKEDA Houdo TANAKA Natsuko KOBAYASHI Keitaro TANOI Takashi YAMAKAWA Satoshi MORI
出版者
日本学士院
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.160-174, 2015-04-10 (Released:2015-04-10)
参考文献数
34
被引用文献数
3 14

Six months after the explosion of TEPCO’s Fukushima Dai-ichi nuclear power plant, radioactive silver (110mAg), was detected in concentrations of 3754 Bq/kg in Nephila clavata (the orb-web spider; Joro-gumo in Japanese) collected at Nimaibashi, Iitate village in Fukushima Prefecture, whereas 110mAg in the soil was 43.1 Bq/kg. A survey of 35 faunal species in the terrestrial environment during the 3.5 years after the accident showed that most of Anthropoda had two orders higher 110mAg in their tissues than soils, although silver is not an essential element for their life. However, tracing of the activity of 110mAg detected in spider Atypus karschi collected regularly at a fixed location showed that it declined much faster than the physical half-life. These results suggest that 110mAg was at once biologically concentrated by faunal species, especially Arthropoda, through food chain. The factors affecting the subsequent rapid decline of 110mAg concentration in faunal species are discussed.
著者
茂木 俊伸 森 篤嗣 Toshinobu MOGI Atsushi MORI
雑誌
世界の日本語教育. 日本語教育論集 = Japanese language education around the globe ; Japanese language education around the globe (ISSN:09172920)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.139-153, 2006-08-31

本研究は、「階段に座っての食事」「全力を尽くしての結果」のように、テ節を内部に含む名詞句(「テノ名詞句」と呼ぶ)について、(1)主要部の被修飾名詞の特性、(2)名詞句内のテ節の意味・用法、(3)テノ名詞句の統一的な意味、 という三つの観点から分析を行なったものである。本研究では、まず、先行研究の記述の整理を行ない、問題となる点を明らかにした上で、形態的な基準に基づいて被修飾名詞を「述語性名詞」と「非述語性名詞」に分類し、それぞれの名詞とテ節との関係が異なることを指摘した(上記(1)(2))。先行研究で中心的に扱われてきた述語性名詞の場合、文(動詞句)に並行的な構造を持っており、テ節と名詞とは連用修飾に相当する意味的関係にある。この構造的特性から、テノ名詞句において、一部の用法のテ節のみが生起可能であることが説明される。一方、非述語性名詞の場合、文に並行的な構造を持っておらず、連用修飾との関係は薄い。むしろ、この非述語性名詞には、「外の関係」の連体修飾に相当する意味的関係を持った名詞の多くが該当するということが指摘できる。以上のように、本研究では、従来は明確な整理がされてこなかったテノ名詞句を二つに区分した上で、さらに、二つのタイプのテノ名詞句でそれぞれ観察される制限から、テノ名詞句全体に共通する意味的特徴を抽出した(上記(3))。この特徴は、「時間的展開の内包」であり、最終的には、テ節が持つ一般的な特徴に還元できるものである。
著者
茂木 俊伸 森 篤嗣 Toshinobu MOGI Atsushi MORI
出版者
国際交流基金日本語事業部
雑誌
世界の日本語教育 (ISSN:09172920)
巻号頁・発行日
no.16, pp.139-153, 2006

本研究は、「階段に座っての食事」「全力を尽くしての結果」のように、テ節を内部に含む名詞句(「テノ名詞句」と呼ぶ)について、(1)主要部の被修飾名詞の特性、(2)名詞句内のテ節の意味・用法、(3)テノ名詞句の統一的な意味、 という三つの観点から分析を行なったものである。本研究では、まず、先行研究の記述の整理を行ない、問題となる点を明らかにした上で、形態的な基準に基づいて被修飾名詞を「述語性名詞」と「非述語性名詞」に分類し、それぞれの名詞とテ節との関係が異なることを指摘した(上記(1)(2))。先行研究で中心的に扱われてきた述語性名詞の場合、文(動詞句)に並行的な構造を持っており、テ節と名詞とは連用修飾に相当する意味的関係にある。この構造的特性から、テノ名詞句において、一部の用法のテ節のみが生起可能であることが説明される。一方、非述語性名詞の場合、文に並行的な構造を持っておらず、連用修飾との関係は薄い。むしろ、この非述語性名詞には、「外の関係」の連体修飾に相当する意味的関係を持った名詞の多くが該当するということが指摘できる。以上のように、本研究では、従来は明確な整理がされてこなかったテノ名詞句を二つに区分した上で、さらに、二つのタイプのテノ名詞句でそれぞれ観察される制限から、テノ名詞句全体に共通する意味的特徴を抽出した(上記(3))。この特徴は、「時間的展開の内包」であり、最終的には、テ節が持つ一般的な特徴に還元できるものである。This paper describes noun phrases that include a te-clause (called "te-no noun phrases") from the following three viewpoints: (1) characteristics of the modified noun, (2) meaning and usage of the te-clause, and (3) meaning of the te-no noun phrases. First, the head nouns in these noun phrases can be classified into "predicative nouns" and "non-predicative nouns," based on morphological criteria. Predicative noun snot only have a structure parallel to verb phrases but also have structural restrictions on the occurrence of the te-clause with in the noun phrase. On the other hand, non-predicative nouns do not show such a parallelism; they have a relation of modification between the te-clause and the head noun, similar to the non-case relational relative clause in Teramura's (1977) sense. This paper also finds that a schema of temporal development can be extracted from these noun phrases, which can be reduced to a general meaning of te-clauses.