- 著者
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西村 幸満
酒井 正
野口 晴子
泉田 信行
- 出版者
- 国立社会保障・人口問題研究所
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
「団塊の世代」という日本のベビー・ブーマー(以下、BB)は、人口規模の大きさから戦後一貫して文化的・思想的異質性を強調されてきた。欧米(主に米)が消費の担い手としたのと対照的である。世代の特殊性・異質性を過度な強調は、引退過程にも見られた。本研究は、BB世代の引退過程に注目し、就業分布、健康・介護要因が前後の世代と比較して異なるかを検証した。結果から判断すると、BB世代が特殊な傾向をもつとはいえないが、人口規模の大きさによる社会的な対応は避けられない。法改正による就業延長が規模の効果を吸収したようにみえるが、そもそも引退パターンも前世代と変わらないため、法改正の効果と認めることはできなかった。