著者
八杉 佳穂 Yoshiho Yasugi
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.139-225, 2009-01-30

ローマ字入力漢字仮名交じり変換という画期的な方法とコンピュータの技術進歩のお蔭で,自由に日本語が書けるばかりか,検索も自由に行われるようになり,書記法の問題は解決された感がある。しかし日本語の書記法については,難しいとか,国際化に適さないというような否定的な見解がいまだに多い。それらはアルファベットが一番進化した文字であるという進化思想や,西欧の基準を無理やり日本に適用させたことに起因している。 本論では,マヤ文字とかアステカ文字など中米の文字体系から得られた知見をもとにして,漢字仮名交じりやアルファベットの文字体系にまつわる「常識」を検討している。文字の本質は,意味ある単位をいかに表わすかということ,すなわち,表語である。一見やさしくみえるアルファベットも,表語という観点からみると,漢字となんらかわるところはない。 漢字仮名交じり表記法は,世界でほかにない珍しい書記体系だから,国際標準と信じられているアルファベットにかえなければならないのではなく,唯一無二であるから,学び磨き伝えていかなければならないという思想こそ大切である。

言及状況

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> そもそも「音声言語としての日本語」にさほど熟達してゐないし、それを問題ととらへてもゐない説 ミシュテカ文明では 音声言語は あまり 重視されず,文字言語は 線条性の ある 絵と 簡単な 文字で 記録していました。各地 方言で 読む 前提です。 漢字仮名交じり表記考 https://t.co/U84DcLstLO https://t.co/m7l0gqLNmi
直前ツイートの 引用元 『漢字仮名交じり表記考』 https://t.co/U84DcLstLO 漢字かナ交じり文は,表語文字と 表音文字の 役割を 峻別する 仕組みです。 戸籍、住民票で 簡体字、多言語処理が まともに 扱えていないのは,漢字制限に 起因したり,Unicode 非互換な 縦割り行政の 弊害。
ミシュテカ文明では,子の 名前が 260日暦の 誕生日に 基づいていました。名前が 260しゅるい:では 少なすぎるので,人物の 装飾品で 特徴づけることで あだ名として 補うことにより,名前の パターンを 増やせました。 漢字仮名交じり表記考 p.161 https://t.co/U84DcLstLO https://t.co/gMBo9pJ61R
みんぱくで、梅棹さんの作文のしかたをきちんと、まなんだひとは、どれくらいいたのかなぁ。とくに、梅棹さんが目をわるくされたあとは、どうだったのだろう。梅棹さんに反対するたちばをとったグループもあったのは、たしかなことのよう。 https://t.co/LMh1ckKoDt
@simajiro_ou どーぞ。 https://t.co/rqLILSQHB4

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