著者
田邊 真理子 中山 正 加藤 睦子 清井 理恵子 寺石 友美子 渡邊 正樹
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.655-661, 2017-06-05

多発消失性白点症候群(MEWDS)は,近視眼の若年女性に好発し,主に片眼の視力低下や光視症,視野欠損をきたす1)。検眼鏡的には眼底に白点病巣が多数出現するが,2 週間程度で消失し,症状も1 か月程度で自然に回復する2)。MEWDS は症状が軽微であることが多く,症状出現から受診までに時間が経っている症例が多いこと,自然治癒傾向があることから,白点病巣がどこに初発し,経過中にどのような広がりや消失過程をたどるのかということについての検討はなされていない。
著者
若倉 雅登
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.13, pp.1975-1981, 2003-12
被引用文献数
5
著者
坂井 翔太 小澤 憲司 犬塚 将之 矢ヶ﨑 礼香 矢野 大仁 大江 直行 安江 志保 遠渡 沙緒理 小関 道夫 望月 清文
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1481-1487, 2020-12-05

急性に出現した複視の神経学的検査によってびまん性正中グリオーマと診断された小児の後天性内斜視症例を報告する。症例は11歳,女児。急性に複視を自覚し,近医を受診。急性内斜視が疑われたため,精査目的で当科を紹介初診した。初診時矯正視力は右1.5,左1.2で,両眼とも前眼部,中間透光体,眼底には特記すべきことなかった。対光反応には両眼とも遅延はなく,眼振はなかった。眼位は,近見30Δ,遠見35Δの共同性内斜視であり,明らかな眼球運動制限は認められなかった。Hess赤緑試験でも,両眼とも内方偏位していたものの,眼球運動の制限はなかった。頭部MRIにおいてびまん性正中グリオーマが疑われたが,神経学的には意識は清明で髄膜刺激症状や脳圧亢進徴候もなく,運動障害,感覚障害は伴っていなかった。直ちに局所放射線治療を行い,腫瘍は縮小してきたが,現在ニムスチン塩酸塩を用いた髄内局所薬剤送達による化学療法を追加して治療中である。内斜視は,びまん性正中グリオーマによる開散麻痺によって急性に発症したものと推定された。脳腫瘍を起因とする小児内斜視の発症頻度はまれなものと思われるが,急性発症の後天性内斜視は頭蓋内腫瘍によって発症する可能性があるため,頭部画像診断を必ず行い鑑別診断をすべきである。
著者
佐川 宏恵 中村 誠 寺崎 浩子
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.13, pp.1969-1974, 2007-12
著者
宮地 誠二 田中 直彦
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.24, no.12, pp.p1441-1445,図巻頭1枚, 1982-11
被引用文献数
5
著者
紺山 和一
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.9, no.10, pp.752-757, 1967-10
著者
水谷 由紀夫
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.p847-858, 1994-08
被引用文献数
7
著者
小口 芳久
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.p139-145, 1984-02
被引用文献数
20
著者
小川 徹郎
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.p249-259, 1981-03
著者
依藤 彰記 細谷 友雅 岡本 真奈 粕本 愉美 五味 文
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1527-1533, 2019-12-05

ブリモニジン酒石酸塩点眼液(アイファガンⓇ,以下BT)の主な副作用として結膜充血,アレルギー性結膜炎などがあるが,角膜炎の報告は少ない。BT使用の経過中に発症した角膜実質炎3例を報告する。【症例1】62歳女性。4年前から両眼にBTならびに緑内障治療薬2剤を使用。右眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存し,矯正視力0.8と低下した。抗ヘルペス薬は中止したが再燃はない。【症例2】79歳女性。6年前から両眼にBTほか2剤を使用。左眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の新生血管を伴う濃厚な弧状角膜混濁を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。視力低下は認めなかった。【症例3】76歳男性。3年前から両眼にBTとヒアルロン酸点眼液を使用。左眼耳下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血,濾胞を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。全例BT使用中に出現した角膜炎であること,角膜ヘルペスの既往はないこと,実質深層の新生血管を伴う角膜周辺部病変で,既報の所見に類似していることから,BTが発症に関与した可能性のある角膜実質炎と診断した。緑内障治療中の患者に周辺部角膜実質炎をみたら,BT使用歴の確認も必要である。
著者
岡本 紀夫 森本 壮 松下 賢治
出版者
金原出版
雑誌
眼科 (ISSN:00164488)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.975-981, 2019-09-05

要 約目 的:長期経過観察できた外傷性視神経症の2例の光干渉断層計所見について報告する。対象および方法:急性期の外傷性視神経症1例と陳旧期の外傷性視神経症1例に対して,光干渉断層計で平均全網膜厚および黄斑部ganglion cell complex厚について経時的に計測を行った。結果および結論:既報と同じく黄斑部ganglion cell complex厚は受傷後早期から減少し,数か月後には減少傾向がプラトーに達した。一方の平均全網膜厚は1年以上経っても軽度であるが菲薄化が進行していた。陳旧期の外傷性視神経症の光干渉断層計所見は鑑別診断の一助になると考えられた。