著者
齊藤 誠一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.641-650, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)
参考文献数
25

持続可能な海洋の保全や水産資源の利用・開発には,衛星リモートセンシングや海洋GISを利用した海洋空間の利用・管理が不可欠である。本稿では,これまで開発した衛星リモートセンシングやデータ同化モデルを利用した水産海洋情報システムを概観した。アカイカやスルメイカの短期のピンポイント漁場予測システム,ホタテガイ最適育成海域モデルを紹介した。さらに,気候変動モデルによる中長期のアカイカ漁場予測を紹介した。これらの一連のシステムが持続可能な水産資源管理に貢献し,スマート水産業へ発展し,今後の方向性として,AIやIoTの利用についても言及した。漁具に設置されたIoTセンサーにより蓄積される水産ビッグデータの解析から,漁業者の勘と経験の暗黙知から形式知へとすることができ,後継者問題も解決につながることを期待したい。
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.587-598, 2016

<p>日本の電子出版30年の歴史を電子辞書と電子書籍の2つのコンテンツから概観する。日本の電子出版はCD-ROMの登場とともに誕生した。電子辞書は1980年代後半に生まれたCD-ROM辞書から始まり,1990年代後半には携帯電子辞書端末が主流となる。1999年iモードがリリースされると会員制のケータイ辞書引きサービスが生まれ,現在はネットワーク辞書とスマホ辞書アプリが主流になるなど時代によって媒体が変化してきた。現在はネット上の無料辞書引きサービスや検索エンジンに押されて有料電子辞書は苦戦をしている状況である。一方,電子書籍は電子辞書に比べると普及に時間がかかった。最初の電子書店は1990年代半ばにできたが,iモードによってケータイでコミックが読めるようになると徐々に普及が進み,スマートフォンの発売や米国での電子書籍のブームを受けて,日本でも2010年は「電子書籍元年」と騒がれた。現在はまだ印刷本の電子化という段階にとどまっているが,今後電子ならではの表現が加わることが期待される。</p>
著者
村田 昌富
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.42-49, 1978

国税庁における電算機システムは,HITAC-Mシリーズを導入し,税務の電算処理(Automatic data processing:ADP)を行なっている。紹介するシステムは,ADPセンター(東京,大阪,名古屋)を中心とした集中型バッチ処理システムであり,全国506税務署のうち164署で実施されている国税システムである。この内部事務システムは,所得税内務事務システム,法人税内部事務システム,債権管理事務システムの3つから構成され,税額の計算と納税者の管理等を行なっている。
著者
阿部 省三
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.619-625, 1990 (Released:2012-03-23)
被引用文献数
1

獣医師の主なる職務分野の一つであって, 一般には馴染みの薄い食肉検査の機械化を試みた。食肉検査は, と畜場で屠殺された家畜を解体する一連の作業の中で行なわれるが, 業務内容は旧態依然として非効率的であり, 合理化が求められていた。検査員は両手を用いて家畜一頭分の臓器を仕分け, 肉眼でその健康状態を診断する必要があるため, 現場でのデータ入力方式として音声入力を採用した。検査員の音声による検査結果は音声認識応答装置に送られ, 一頭単位の管理可能な検査データに変換されて蓄積される。本システムは音声入力に基づいていることから, データ入力時の用語の整理がシステム運用上重要な要素であり, 疾病・病変名等の選定, 分類, コード化についても具体例を紹介。
著者
村橋 勝子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.841-853, 1995-12-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
21
著者
東 浩紀
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.624-628, 2016

<p>インターネットの利便性をこれまでになく享受し,ネット上に拡散する情報の力が革新的な発想を後押しすることも多い21世紀初頭は,同時に情報漏えいや権利侵害,依存といった弊害や危うさを露呈し始めた時代でもある。不可視だが確実に存在する脅威,ネットにつながっているゆえの不自由さをも見極める必要がある。現代の環境を冷静に認識し,今起きていることに対してどうふるまうべきか。現代思想・法曹・警察行政・迎撃技術・情報工学・サイバーインテリジェンス等のスペシャリストが,6回に分けて考える。</p><p>第1回は,サイバースペース(情報空間)やインターネットが浮き彫りにした「人間の本質」と「未来」について,哲学者・東浩紀氏が語る。</p>
著者
福井 浩二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.471-480, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

電力系統の周波数は,発電所の出力を需要に応じて調整することでバランスを保っている。近年,この調整を需要の制御で行う,「ディマンドリスポンス」という取り組みが期待されており,日本においても技術実証や制度設計が進められている。本稿では,ディマンドリスポンスの意義や日本での取り組み状況について触れる。次に,スマートエネルギーネットワーク,新電力への活用,2015年度および2016年度の実証等,大阪ガスがこれまでガスコージェネレーションシステムを用いて取り組んだ実例を紹介する。最後に,今後の市場拡大の可能性を踏まえ,大阪ガスが準備すべき課題について言及する。
著者
長池 将幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.28-35, 2013

事業のグローバル化等,事業環境の急速な変化に対応するために,知財担当業務の拡大,知財サービスの品質向上が求められるようになり,これに伴い知財業務のリソース配分見直しが必要になった。このような環境下,知財業務の1つである特許侵害調査業務では,侵害リスク軽減と調査負荷軽減を共に満足する「経済的な調査手法」について検討した。公報抽出時の母集合を機械的に縮小する手法を整理したことで,それぞれの手法で縮小可能な規模とこれにより生じるリスクが見えてきた。本稿では,調査範囲を爆発的に膨らませずに侵害リスク回避に寄与する集合作成手法と,ここで必要な検索システムの機能を紹介する。

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出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.458-459, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)

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出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.376-377, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
著者
高田 寛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.267-275, 2009
被引用文献数
1 1

近時,Googleは,従来の検索エンジンによるサービスのほかに,Googleブック検索やGoogleストリートビューなどの新しいサービスを提供し,社会的にも大きな影響を与え始めている。しかし,これらの新サービスには法的に未解決の部分も多い。本稿では,近時のGoogleのサービスの最新動向とともに,過去の重要判例を交えながら,これら検索サービスに関連する法的問題を整理し,今後の潜在的な法律上の問題を考えてみたい。