著者
高野 洸 安田 靖彦 猪瀬 博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.10, pp.606-610, 1963

テレビジョン信号のように直流をふくむ広帯域の信号を符号化伝送することは, 従来PCM, Δ変調を用いて試みられてきた.本報ではΔ変調と同等の簡単な回路でこれよりすぐれた特性が得られるΔ-Σ変調方式を取上げ, この方式によってテレビジョン信号の伝送実験を行なった結果を報告する.実験のため構成した変調装置はトンネルダイオードを基本要素とし, 最高サンプリング周波数60Mc/s, 伝送帯域3.5Mc/sのもので, これによって水平解像度300~350本の再生画像を得た.
著者
安田 庸三
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.326-334, 1965-05-01

映画用磁気録音は, 画と音とが完全に同期することが絶対条件である.これには磁気フィルム方式, 磁気ストライプ方式, 同期信号制御形6mmテープ方式等があるが, 本稿では磁気フィルム方式と磁気ストライプ方式についての問題点を解説し, 特に磁気ストライプ方式はストライプの実際について, また, フィルム方式は, ベースの厚さの点から発生する各種の障害を解説した.そのほか, 劇映画製作における磁気録音の利用状況などについても説明して, テレビ関係者の参考とする.
著者
十束 義昌 江野沢 和夫 山根 久吉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.180-182, 1956-05-01

本装置は閉回路テレビジョンの一応用としてNHK技術研究所で設計試作したものである.撮像管には1吋ビディコン6198が使用され, 走査線は625本で500本以上の解像力を示している.
著者
西村 武 浅山 隆男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.203-209, 1971-03-01
被引用文献数
3

色票を白色光源で照明した場合と, カラー受像管に一様な色パターンを出した場合とについて, 膚色, 空の色, 草木の緑の記憶色を求める実験を行なった.色票で求めた記憶色は, 自然の物体の色にくらべて一般に彩度が高かったが, 受像管で求めた記憶色は色票で求めた記憶色にくらべてさらに彩度が高かった.この結果とカラーテレビの好ましい色再現との関係を調べることは, 今後の研究課題である.
著者
林 宏三 杉本 昌穂
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.303-313, 1966-05-01

NHKでは, オリンピック用として, イメージオルシコンを2本使用し, 1本の撮像管から輝度信号を, 他の1本の撮像管から3つの色信号を取り出す方式のカラーカメラを開発し, オリンピックの開会式, その後は甲子園の高校野球などの中継番組に使用している.このカメラは, 分離輝度撮像方式と点順次撮像方式の特長をかね備えることを目標にしたものであるが, 技術的には, 新しい高度のものが要求された.ここでは, 本カメラについて概説した後, この撮像方式の理論的解析と, 本カメラの心臓部ともいうべき, 順次-同時変換器について記述する.
著者
池下 源一郎 平岩 昭三
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.112-117, 1971-02-01

カラーバーストをパルス化し, サンプルホールドパルスとして, カラーバースト自動利得調整(Color Burst AGC)回路をサンプル値制御系として構成し, 応答速度, 振幅ジッター等を改善することができた。従来, 一般に連続信号系としての概念で構成されていたので, 振幅ジッターを少なくするために応答速度が犠牲になっていた.今回, この系をサンプル値制御系として解析し, また, P変換により振幅ジッターを解析し, 系の応答と振幅ジッターを改善することができ, 設計上有効であった.
著者
吉田 哲雄 青山 憲太郎 坂井 正 弓削田 毅
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.205-213, 1969-03-01

香港地区におけるUHFテレビジョン放送設備につき, その設備概要ならびに, これに採用されたNew PAL方式規格(CCIR Standard system I)につき説明した.
著者
岡田 喜義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.810-817, 1966-12-01

演色性と色再現の区別を述べ, カラーテレビの色再現と演色性の評価に関し将来の方向を示唆した.CIEが等色差のUVWの色空間を構成して色差を数量化表示する方法を採決したことの解説に始まり, 光源の演色性評価数の定義と計算方法, 自然昼光の実態とCIEの合成昼光標準の計算方法を述べた.現在, 日米両国で製造されているキセノンランプ, 螢光放電灯, 水銀灯の演色評価数の概数を示し, また, 光源の演色挙動を通覧する方法を述べた。
著者
雄山 厚 大山 宏 河本 典之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.805-810, 1974-10-01
被引用文献数
3

VHFテレビ受信用の小型単指向性アンテナを開発した.このアンテナは2本の放射素子を用い, ハイブリッド回路, 移相回路および整合回路を介して位相給電したものであり, VHFテレビ全帯域にわたって単方向の指向性を示すものである.また小型化しているが, その利得は-5〜+2.5dB程度であり, E面指向性はVHFテレビオールバンド8素子アンテナと同等なので, 強・中電界では従来の八木アンテナに代って使用できる.
著者
中村 孝一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.658-665, 1966-10-01

写真フィルムに関して, その写真的な性質について今日常識化し, 多くの人が知っているが, 写真フィルムの基体をなすフィルムベースについてはあまり知られていない.この解説では, 写真フィルムベースに関して説明すると同時に, その問題点および日本における現状についての筆者の考えをのべた.写真乳剤とベースとは車の両輪の関係にあり, いずれか一方の性質が劣っても, 良い写真フィルムはできない.