著者
中島 喜代子 廣出 円 小長井 明美 Nakajima Kiyoko Hirode Madoka Konagai Akemi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.77-97, 2007-03-30

現在「居場所」という言葉は、日常的によく使用されているが、「居場所」の概念は、一般用語としても、また研究の面においても捉え方が様々であり、明確な定義は定まっていない。そこで、本稿では、子どもの「居場所」の概念を明確にすることを目的としている。この目的を達成するため、まず一般用語としての「居場所」の概念を捉えるために、「居場所」という言葉の登場時期と使用状況を検討し、子どもの「居場所」と社会的背景との関わりの検討を行った。さらに子どもの「居場所」に関する研究を検討することにより、研究レベルの「居場所」の概念を検討した。以上の検討を踏まえ、「居場所」の定義づけを行い、また「居場所」の構造を捉えるため「居場所」の構造を検討し、さらに「居場所」の実態を具体的に捉えるため「居場所」の持つ概念の諸側面を明確にした。そして、現在の子どもの「居場所」づくり事業を検討し、今後の事業に対する提案を行った。
著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.11-22, 1988

佐治氏の命名になる「状況陰題文」は、題述文の一つというより、状況に深く係わりを持つ特殊な存現文、強いて名付ければ、「状況存現文」とでもいうべき性格を持つ文である。というのは、状況陰題文における「状況」は、判断の対象としての主題というより、表現、理解のための無意識の前提として働いているにすぎないからであり、又、状況陰題文の述語が持つ判断作用は、文末の感動表出によりコト的なものとして収まると考えられるからである。
著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-20, 1992

多義語に見られる語義分割(意味立項)の実態を、「多い」「無い」「新しい」「重い」「強い」「難しい」「青い」「明るい」「甘い」「痛い」「美味しい」「寂しい」「寒い」を数種の辞書によって調査し、これらの形容詞の語義分割の基準として、①具体性、抽象性 ②モノ性、ヒト性、コト(ガラ)性、 ③実質、刺激、時間、価値、数量、程度、機能、体力、能力、姿態、性格、態度、心情、 ④体感、心感、 ④存在、所有、 ⑤原因・要因、 ⑥評価、が重要な位置を占めることを示した。