1 0 0 0 OA 食品と免疫

著者
八村 敏志
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.509-515, 2005-08-01 (Released:2009-05-25)
参考文献数
54
被引用文献数
1 1
著者
小川 剛伸 安達 修二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.602-609, 2014-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1
著者
岩川 弘宙 泊 幸秀
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.510-514, 2015-07-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
26

タンパク質をコードしていない20塩基から30塩基程度の小分子RNAは,相補的な配列をもつ標的遺伝子の発現を負に制御する.核にコードされている小分子RNAであるmicroRNA(miRNA)が内在の相補的な遺伝子を抑制するシステムは動植物で保存されており,分化,発生やストレス応答などさまざまな生体反応を緻密に制御している.本稿では植物のmiRNAが標的の遺伝子を抑制するメカニズム,特にこれまで理解が進んでいなかったmiRNA依存的な翻訳抑制機構について動物のmiRNA機構と比較しながら解説する.
著者
原 博
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.412-419, 2008-06-01 (Released:2011-04-11)
参考文献数
70
被引用文献数
1 1

カルシウムは,有機物を構成する C,H,O,N についで体内に多く含まれる元素であり,体を支える骨の主要成分である.カルシウムの摂取量が,身長の重要な決定因子ともいわれる.『日本人の食事摂取基準—2005年版』では,推定平均必要量は示されていないが,成人の目標量として男女とも600~650 mg/日が策定されている.カルシウムの主な供給源は乳製品や小魚,大豆などであるが,現在の食事ではこれらは減少傾向にある.厚生労働省の平成15年国民健康・栄養調査によると,カルシウム平均摂取量は先の目標量に対して,20~29歳が最も低く,男性73%,女性74%であり,かなり低い摂取レベルにあるといえる.将来,骨粗鬆症など骨疾病の大幅な増加が危惧される.筆書らは,主にカルシウムの腸管吸収の研究を行なっているが,本稿ではまず,その背景ともなる,カルシウムの体内での役割や恒常性維持機構を,新しい話題を含めて解説した後,カルシウムの腸管吸収機構やそれを促進する作用を有する食品成分に関する研究を紹介する.
著者
山下 結衣 越智 ありさ 河野 尚平 二川 健
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.357-362, 2012-05-01 (Released:2013-05-01)
参考文献数
24

超高齢社会を迎えた我が国では,寝たきり患者の増加が社会問題となっている.寝たきりにより,機械的負荷が減少することで骨格筋は萎縮し,また機能が著しく障害される.これを廃用性筋萎縮と呼ぶが,これに対する有効な予防法,治療法は未だ確立されていない.ここでは,筋萎縮のメカニズムと,現在までに報告されている筋萎縮に対して有効と考えられている食品成分について紹介する.
著者
姜 英男 豊田 博紀
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.483-489, 2017-06-20 (Released:2018-06-20)
参考文献数
45

生命活動を維持するための摂食行動は,視床下部による制御を受けることが知られている.しかしながら,美味の認知によりもたらされる情動的な摂食行動を引き起こす高次脳機能メカニズムは諸説あり,なかでも山本らによる報酬回路活性説が有力視されてきたが,いまだその全貌は確立されてはいない.本稿では,「甘味」や「うま味」といった味覚によりもたらされる情動的な摂食行動を引き起こす脳活動において,島皮質味覚野と胃腸自律領野神経細胞間で生じる神経ネットワーク活動が中心的役割を果たしている可能性を紹介する.
著者
松井 利郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.228-235, 2015-03-20 (Released:2016-03-23)
参考文献数
32

高血圧治療薬として初めて登場したのがACE阻害薬である.ACEとはAngiotensin I-converting enzymeの略称であり,レニン分泌を諸端とする一連の代謝系における昇圧物質の産生にかかわる酵素とされる.この代謝系はレニン–アンジオテンシン系と呼ばれ,これまで昇圧系として認識されてきた.しかしながら,近年の報告では本系の代謝物に降圧作用を示す物質が存在することが判明している.ACE阻害を基本とする機能性食品成分(主としてペプチド)は特定保健用食品の関与成分として取り扱われているが,本系の複雑な代謝が明らかになりつつある現在,抗高血圧食品とのかかわりについて再考する段階にあると考える.本稿では,これらを踏まえてレニン–アンジオテンシン系について概説する.
著者
鬼頭 誠
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.220-227, 1974-04-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
8
被引用文献数
2 1
著者
石谷 翠里 大西 由希子 柿原 優佳 代田 健太郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.136-137, 2012-02-01 (Released:2013-02-01)

本研究は,平成23年度日本農芸化学会大会(開催地 京都)での「ジュニア農芸化学会」において発表予定であったが,残念ながら東日本大震災によって大会が中止となった.日本農芸化学会和文誌編集委員会によって選定し,掲載することとなった.ある植物においては,咲き始めてから咲き終わるまでに花弁の色が変化する色変わり花というものが存在する.本研究は,その色変わり花の一つであるチャールストンというバラに着目し,その色変わりと紫外線との関係について詳細に調べている.
著者
吉田 稔
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.197-202, 2018-02-20 (Released:2019-02-20)
参考文献数
25

微生物からのスクリーニングは,時として予想外の大きな発見をもたらす.真菌の形態異常を惹起する抗真菌抗生物質として東京大学の醗酵学研究室で発見されたレプトマイシンは,生命の根幹にかかわるタンパク質核外輸送因子の発見と画期的抗がん剤開発研究を可能にしたユニークな天然物である.レプトマイシンの標的として同定された機能不明のCRM1は,真核生物共通のタンパク質核外輸送因子であることが明らかになった.その後,CRM1は骨髄腫をはじめ多くのがんで重要な役割を果たすことが明らかになり,現在,最も大きな注目を集めるがんの分子標的の一つとなっている.本稿では,微生物スクリーニングから始まって,生物学上の重要な制御因子の発見と新たな創薬標的の発見をもたらしたレプトマイシンの物語を振り返ってみたい.