著者
片倉 喜範
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.531-537, 2009-08-01 (Released:2011-07-14)
参考文献数
37

老化・寿命制御のメカニズムが明らかにされていくなかで,インスリン/IGF-Iシグナル伝達系とサーチュイン(sirtuin)遺伝子という,ともに進化的によく保存された老化・寿命制御シグナル・因子が同定されてきた.なかでもサーチュインは,老化を遅らせ,寿命を延長しうる唯一確実な方法であるカロリー制限に対する生体応答に必須の因子であることが示されるとともに(1),NAD依存性脱アセチル化酵素活性を有するという性格上,エネルギー代謝と老化を結びつける重要なメディエーターであるとの認識が高まり,最近ではサーチュインをめぐる研究はめまぐるしい進展を見せている.ここでは,老化・寿命制御因子としてのサーチュインのアンチエイジング活性,その発現・機能制御の分子機構,さらにはアンチエイジング創薬ターゲットとしての可能性について紹介する.
著者
田谷 昌仁
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.219-221, 2017

<p>本研究は,日本農芸化学会2016年度大会(開催地:札幌コンベンションセンター)の「ジュニア農芸化学会」で発表されたものである.発表者の研究内容は,鳥類の翼の形態と機能についての仮説を立て,検証することで翼の特定部位の形態が生物生態に関連することを見いだした研究である.飛翔・着地における乱流への対処に対する小翼羽の形状変化,さらにはその変化が鳥類の生態にまで及ぶことを検証したたいへん興味深い研究発表であった.</p>
著者
荒井 綜一
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.239-244, 1997-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2
著者
宮坂 京子 船越 顕博
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.368-374, 1999-06-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
井本 正哉
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.203-209, 2018

<p>天然物創薬研究が衰退しつつある今日,このたびの遠藤先生のガードナー国際賞ご受賞は「天然物スクリーニングから創薬へ」を再認識させ,これが天然物創薬研究の再活性化につながることになることを期待する.天然物スクリーニングは創薬研究だけでなく,ケミカルバイオロジー研究を展開するうえでのバイオプローブの探索でも非常に有効な手段である.ここでは,話題提供として,われわれの「創薬に至らなかった天然物スクリーニングとケミカルバイオロジーへの展開」を紹介する.</p>