著者
安部 聡一郎
出版者
中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.61-62, 2011-11-25

発行後3年より全文を公開
著者
田宮 昌子
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.1-16, 2015-02

筆者は,失意の士人の志を詠う「悲憤慷慨の系譜」を中国の文の伝統を特徴づける重要な要素として,それを楚辞の伝承の系譜,特にその中心にある屈原像を切り口として考察して来た。この研究主題はもともと現代中国知識人の思惟様式および現代中国の社会と文化を規定する伝統要素についての関心に導かれたものであり,着想の背景には80年代中国における憂国憂民を特徴とする社会的議論と89年民主化運動の顛末があった。「六四」後20年を取材した翰光『亡命』に接し,改めて出発点の関心に思いを致し,「悲憤慷慨の系譜」の現在を,第一次・第二次天安門事件と「その後」における屈原像をめぐる現象と議論から考える。
著者
加藤 靖子
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.15-29, 2016-02

1980年代までの旧幹部制度期においては,女性はエリート地位獲得に不利であると言われてきた。そこで,女性エリートの経歴分析を行うことにより,エリート女性の特徴やこれまで明らかにされていなかった専門職から党政職及び下級管理職から上級管理職への移動に関する選抜要素を明らかにすることを試みた。その結果,専門職から党政職(管理職)への移動では,政治姿勢に問題がないと認められることが第一であり,教育的資格はさほど重視されないが,上級幹部に選抜されるためには学歴(実務能力)に加え,人事権を握る党グループメンバーからの評価が重要である可能性のあることが示された。
著者
中津 俊樹
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.14-27, 2012-02-25

19世紀における共産主義思想の出現とロシア革命(1917年)以降,ローマ教皇庁及びカトリック教会は共産主義の無神論的理念を宗教としてのカトリックと教会組織への脅威と見なし,教会組織と信徒に対する共産主義思想の浸透の阻止を図った。第二次世界大戦終結後の冷戦構造の拡大に伴い,ローマ教皇庁及びカトリック教会はこの動きを加速させた。中国のカトリック教会は教皇庁の方針を踏まえ,中華人民共和国の建国前後の時期に国内の教会組織と信徒に対する共産主義思想の影響の排除を試みた。本来,教皇庁の一連の方針は教会組織の防衛と信徒の宗教的意識という内的領域の堅持を目指したものであり,政治権力との対決は意図されていなかった。中国のカトリック教会の場合も同様であった。だが,カトリック信徒が社会的少数派で,かつ新政権が無神論的理念を新たな政治・社会秩序の建設における理論的柱と位置付けている状況下において,中国のカトリック教会の行動が本来の意図とは無関係に,新政権への敵対的行為と見なされる事は不可避であった。
著者
吉田 薫
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.1-14, 2013-08-25

何樹齢は清末の漢門で康有為,梁啓超らの変法運動にかかわっていた。本論では,何樹齢が岸上質軒や上野清に送った『大算盤』などの著述や上野清宛の書簡など,新資料を読み解きながら,これまでほとんど知られていなかった何樹齢の活動について検討する。何樹齢は,同門の陳栄衰と共に中国の改革に向けた活動をしていた。実学や算学の重要性を説き,慈善団体「善堂」を提唱し,初等教育に携わった。さらに算学と仏教思想を結び付けて新たな思想を提示しようと試みていた。何樹齢は自らの「宇宙」,「大同」世界の構築を試み,康有為,梁啓超とは異なった変法思想と活動を追究していた。
著者
古谷 真帆
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.41-50, 2007-04

急速な経済発展を遂げる隣国中国の知的財産権侵害の実情は日本でも頻繁に報道されている。この様に知的財産保護に関し問題視される中国が,現在国家知的財産戦略制定作業を進めている。本稿は,近く発表されるであろう国家知的財産戦略の内容を既に制定されている地方知的財産戦略の内容等から予測し,中国が有効な知的財産の取扱いをどの様に捉えているかについて考え,知的財産権問題で中国が置かれている立場を探ろうと試みるものである。