著者
早坂 恵莉 志鎌 瑶 赤塚 清矢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.53-58, 2019 (Released:2019-10-07)
参考文献数
9

【目的】 医療系大学生は医療や健康に関する関心が高く,良好な生活習慣の維持に努めていると予測され,行動変容ステージは高位であると予測される。今回,医療系大学生を対象に,身体活動量,運動耐容能,生活習慣および行動変容の指標を用い評価した。【対象】 A大学保健医療学部の理学療法学科,作業療法学科,看護学科に在籍する学生30名(男性15名,女性15名)【方法】 身体特性として,身長,体重,推定体脂肪率,推定骨量,推定骨密度,推定筋肉量を測定した。 ランプ運動負荷試験にて,無酸素性作業閾値での酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定し, 身体活動量は 1 週間の平均歩数を用いた。また,質問紙を用いて健康度と生活習慣,行動変容,栄養摂取状況を調査した。【結果】男女ともに健康日本21(第 2 次)で推奨する目標歩数,日本人の食事摂取基準(2015版)のエネルギー摂取量を下回った。また,DIHAL. 2の健康度・生活習慣パターン判定より,半数以上が「要注意型」「生活習慣要注意型」「健康度要注意型」に該当し,行動変容評価では,「前熟考期」から「準備期」に該当した。【結語】 医療系大学生のヘルスプロモーションにおいては,個人が個々の生活習慣を自覚した上で性差を考慮し,身体活動量のみならず食事に関する状況を踏まえ,行動変容ステージを把握しアプローチする必要があると考える。
著者
平山 和哉 有原 裕貴 対馬 栄輝 近江 洋一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.31-36, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
16

腰椎牽引療法によって効果を実感している患者の特徴を明らかにすることを目的として,横断的にアンケート調査を行った。対象は,当院において腰椎疾患の診断を受け,腰椎牽引を実施している51名である。アンケート内容は症状の詳細と牽引効果の実感についてとした。統計解析は,従属変数を牽引効果の実感,独立変数を症状の詳細および電子カルテから抽出した性別,年齢,診断名,画像所見,併用治療の有無として多重ロジスティック回帰分析を実施した。当院における牽引療法の対象者は高齢者,かつ長期通院者が多かった。対象者の72.5%が牽引による効果を実感していた。牽引による効果を実感することに関連する因子として,腰の重苦しさがある,運動療法の併用あり,罹患椎間数,年齢の4項目が選択された。今後前向き研究を行う際には,運動療法の併用や画像所見についても考慮すべきことが示唆された。
著者
石川 大瑛 尾田 敦 前田 健太郎 浦本 史也 横山 寛子 藤林 直樹 鹿内 和也 伊藤 亮太 川口 陽亮
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.60-63, 2017-08-31 (Released:2017-09-15)
参考文献数
11

【目的】健常者における静的立位での外反母趾角と後足部アライメントの関連性を明らかとすることである。【方法】対象は健常大学生178名(男性107名,女性71名,年齢22±3歳,身長167.5±8.1cm,体重60.0±9.2kg,BMI21.3±2.4)である。評価項目は,第一趾側角,第五趾側角,足底接地率,足部アーチ高率,Leg-Heel-Angle(以下,LHA),Floor-Heel-Angle(以下,FHA)である。統計学的処理は,第一趾側角を従属変数とし,第五趾側角,足底接地率,足部アーチ高率,LHA,FHA,BMIを独立変数とした重回帰分析を行った。【結果】足部アーチ高率(β=-0.25,p<0.05)と内反小趾角(β=-0.16,p<0.05)が選択された(R2=0.11,p<0.05)。【結語】足部アーチ高率は外反母趾の原因としての報告があり,それを支持するものとなった。また,足趾の変形は足部の内外側どちらに荷重が集中しているかで異なると考えられる。しかしそのR2は0.11と低く,外反母趾角に影響を与える因子はこの他にもあるものと考えられる。