著者
水谷 智洋 志塚 ふじ子 松澤 恒友 天野 良彦 蟻川 幸彦
出版者
長野県工業技術総合センター
雑誌
長野県工業技術総合センター研究報告 (ISSN:18813119)
巻号頁・発行日
no.9, pp.174-176, 2014

当センターでは,栗渋皮抽出物に,in vitroで抗糖化活性があることを見出した。そこで,in vivoでの効果を検討するために,ストレプトゾトシン(STZ)誘導1型糖尿病モデルラットに,4週間の混餌投与を行った。その結果,抗糖化効果は確認できなかったが,腎臓において,酸化ストレスの指標であるTBARSの上昇を有意に抑制し,抗酸化効果があることが示唆された。
著者
太田 辰巳
出版者
長野県工業技術総合センター
雑誌
長野県工業技術総合センター研究報告 (ISSN:18813119)
巻号頁・発行日
no.12, pp.169-171, 2017

戦略的「NAGANOの食」新商品開発事業における新商品の味特徴について味覚センサを用いて評価した。特徴は適切な表現方法を用いて,比較品と合わせてレーダーチャートにて図示した。図示により新商品の特徴表示が可能であることが示された。
著者
羽生 隆
出版者
長野県工業技術総合センター
巻号頁・発行日
no.7, pp.189-193, 2012 (Released:2013-07-30)

長野県産パン用粉は外国産に比べ香りや製パン性の面でやや劣るといった評価があるので,この点を改良するため検討を行った。香りを補うため酒粕を添加した場合では乾燥物換算で酒粕5%加えた時が官能評価と製パン性のバランスが良いものとなった。酒粕由来の香りについては好みが分かれるものの香りの改善手段の一つとなりうると考えられる。乾燥米麹を添加した場合では製パン性を維持でき、官能評価にも悪い影響がでない添加量を検討した結果は2.5%であった。米麹粉末の添加は生地の粘性が増加する傾向があるので製パン性の向上および作業性の向上にも有効と考えられる。
著者
山崎 慎也
出版者
長野県工業技術総合センター
雑誌
長野県工業技術総合センター研究報告 (ISSN:18813119)
巻号頁・発行日
no.8, pp.115-117, 2013

野沢菜漬け製品を製造する際に発生する葉や株といった未利用部位の有効利用を目的として,酵素処理を併用したペースト化を試みた。使用する酵素の選抜として3種類の酵素によって処理を行い,ボールミルで湿式粉砕を行ったところ,スクラーゼCで処理したものの平均粒径が最も小さくなった。そこでスクラーゼCで処理した野沢菜の葉を家庭用ミキサーで粉砕しペースト化を試みたところ,ボールミルを使用したもの程ではないが滑らかなペーストができた。この野沢菜ペーストをおやきの生地に配合して,おやきを作製したところ,酵素を用いずにペースト化したものに比べて均一で,きれいな野沢莱の緑色となり,野沢菜らしい香りも残っていた。これにより,野沢菜未利用部位を,おやきやうどん等に配合して使用する野沢菜ぺーストとして利用できる可能性が示唆された。
著者
金子 昌二 唐沢 秀行 大日方 洋
出版者
長野県工業技術総合センター
雑誌
長野県工業技術総合センター研究報告 (ISSN:18813119)
巻号頁・発行日
no.3, pp.152-158, 2008

湿式で試料の分散・粉砕・微細化がインラインで行える装置を用いて、オカラ分離前の"呉"に微細化処理を施し、オカラの減量化やその全量を用いる豆腐(以下全粒豆腐)製造について検討を行った。その結果、微細化処理によりオカラ量が減量することが確認された。また、全粒豆腐の凝固剤にはニガリが好ましく、外観や凝固性の向上には脱気処理が必須で、TG製剤の併用が効果的であった。そして、全粒豆腐はオカラを分離した豆腐より食物繊維、カルシウム成分が多い傾向にあり、官能評価では甘みやコクが感じられ、ザラツキ評価は不快な評価ではなかった。