- 著者
-
山里 道彦
大賀 優
- 出版者
- 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.10, pp.659-665, 2011-10-18 (Released:2011-11-10)
- 参考文献数
- 20
外傷性脳損傷 (TBI) 者の社会的孤立を防ぐために,集団で行う心理療法が注目され,さまざまな形態でのグループ訓練が試みられてきた.本報告ではTBI者に対して,デイケアの形態で行うグループ訓練の有効性を認知面と心理行動面に分けて検証した.過去3 年間にデイケアに参加したTBI 20 例を対象とし,訓練6 カ月後に家族に対して行った質問票の結果で,心理面 (抑うつ気分・興奮) と,行動面 (他者情動の理解・身だしなみ) に有意な改善がみられた.これは,我々のとったグループ訓練の体制によりTBI者の発動性やコミュニケーション能力が改善したためであると考察された.TBI者の心理行動面の改善に,デイケアの形態をとったグループ訓練は有効であった.