著者
豊田 弘司 川﨑 弥生
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 = Bulletin of Teacher Education Center for the Future Generation (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
no.3, pp.23-30, 2017-03

研究Ⅰでは、豊田(2016)と同じく、大学生を対象にして、努力して成功した場合、努力せず成功した場合、努力したが失敗した場合、及び努力せず失敗した場合を設定した。そしてその際に、感情、原因帰属、及び次への意欲を評定させた。その結果、努力帰属評定値と意欲度評定値との間に正の相関関係が認められた。これにより、努力帰属が動機づけを導くことが示唆された。また、努力と結果が随伴している場面で努力帰属が高まり、随伴していない場面で他の帰属傾向の高まることが明らかにされた。研究Ⅱでは、参加者の個人差要因として、随伴経験量と努力帰属との関係を検討した。その結果、随伴経験量と努力帰属評定値の間に正の相関は認められなかった。しかし、豊田(2016)と同様に、随伴経験量と意欲度評定値の間に正の相関が認められた。研究ⅠとⅡを通して性差が認められたので、原因帰属の指導において性差を考慮することの必要性が議論された。
著者
北川 知世理 中村 元彦
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.217-225, 2015-03-31

本研究では、大学生を対象に、理科と数学における文脈依存性の存在とその要因について検討し、次の3点が分かった。第1に、問題を純粋な数学、純粋な理科、または数学を用いた理科の問題のいずれとして捉えるか、という認識の違いが、文章表現上、理科として出題される問題や数学として出題される問題の正答数に影響を与えると分かった。第2に、グラフの提示によって、理科の問題を数学と関連づけられて文脈依存性がなくなることが示唆され、理科の正答率が上がることが認められた。併せて、理科の問題を数学に変換した上で解答する生徒は問題を解き易く感じる傾向のあることが考察された。第3に、数学と理科の両問題を完答した群と非完答の群では、論理的思考力の問題の平均点に有意差が見られ、完答した群は非完答の群に比べて論理的思考力が高いことが認められた。よって、論理的思考力の高い生徒は文脈に依存しにくい傾向がある可能性が考えられた。
著者
川上 文雄
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 = Bulletin of Teacher Education Center for the Future Generation (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
no.2, pp.247-252, 2016-03

筆者の「政治学(概論)」を受講する学生は大部分が教員志望者であり、中高の教科書の内容に沿った授業を期待する。しかし、そのような授業は彼らを羅列的な知識の獲得にとどめ、市民性教育の基礎を見失わせるという結果をもたらしかねない。NHK「クローズアップ現代」の放送全文テキストを主要教材のひとつに使った筆者の授業構想と実践は、脱「教科書依存」的な市民性教育の可能性を追求する。本稿は、市民性教育の基礎をシェルドン・ウォリンの「政治的なもの」politicalnessの定義、そして全文テキストを通じた社会の具体的事実の十分な理解、の二つに求め、それに即した授業構想と実践のあり方を提示する。本稿はnews in educationの意味でのNIEの論考であり、それに関心のある読者を想定した内容を含む。
著者
有馬 義貴
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.53-58, 2018-03-31

古典の学習においては、作品の内容理解ばかりではなく、その作品が古くから享受され継承されてきたものであるということへの理解もまた重要であろう。実際、現行の中学校教科書には、古典の享受・継承への着目を明確に促している教材や、享受・継承に関する学習に資すると思われる資料が少なからずみられる。それらの有効活用が求められよう。例えば、『竹取物語』について、教科書にみられる挿絵や写本・版本の写真等への着目を契機に、江戸時代における川柳など、後代の文化とも結びついた発展的な享受・継承のありようをおさえ、その上で映画や漫画、現代語訳等をみれば、現代においても引き続きそれがなされていることが理解されてくる。学習指導要領などのいう「言語文化を継承・発展させる態度」の育成のためには、そのように、現代に生きる自分たちも古典の「継承・発展」にかかわりうるのだということを実感できるような学習が必要なのではないか。
著者
鈴木 洋子
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.203-207, 2017-03-31

教員一人ひとりに給食指導に必要な指導力の形成を図ることが、延いては食育の充実と継続に繋がるとの観点から、国立の教員養成系大学を対象に教育実習に関連する科目と実習の手引き(ハンドブック)における給食指導の扱いを調査した。その結果、回答を得られた29大学(56.9%)のうち、教育実習関連科目において学校給食ならびに給食指導を扱っていた大学は4大学(13.8%)で、実習の手引き(ハンドブック)に記載していた大学は5大学(17.2%)であった。手引きに掲載されていたのは「手洗い」や「給食当番の服装」の「安全・衛生」に関する内容や、「食事の仕方・マナー」「後片付け」であった。