著者
松村 洋一郎
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.40, pp.95-113, 2019-03-09

筆者は、明治・大正期に様々な雑誌に掲載された西洋クラシック音楽の作曲家の伝記情報に関する調査を継続して行っている。本稿はその一部であり、大正期の音楽誌(『音楽新潮』など14誌を対象とした)に掲載された、作曲家の伝記情報を扱った記事情報をまとめたものである。今後、大正期の音楽誌全体に関する調査を終えた際に、ここに収録した記事情報も加えて分析を行う予定である。
著者
鹿島 千穂
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = Jissen Women's Junior College Review (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.42, pp.35-47, 2021-03-10

近年、ウェブCM が炎上するケースが増えている。本稿では3 つのおむつのウェブCM を分析し、ジェンダー炎上の構図を概観する。さらに、ウェブCM がどのように受容されているかを調査するために行った学生への視聴アンケートの結果を提示する。インターネットが当たり前となった情報環境の中で、炎上の背景にはウェブCM を視聴する側のメディアリテラシー能力が関係していることを指摘する。
著者
霜村 光寿
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = Jissen Women’s Junior College Review (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.75-88, 2020-03-09

戦後日本において,スポーツの普及は学校教育での運動部活動に負うところが大きいが,近年では部活動が抱える問題が顕在化し,そこには現代社会が抱えるスポーツ,ジェンダーの問題の縮図的構造も垣間見える。本稿は,テレビ放映されたアニメーション作品を題材に,スポーツ,ジェンダー,部活動に対して持たれているイメージを比較分析,析出することで,現代社会における課題解決のための手がかりを提供するものである。
著者
大塚 みさ
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57-67, 2019-03-09

近年、媒体を問わず国語辞書の売れ行きは低迷傾向にある。筆者による調査結果では、大学生は辞書の代わりにスマートフォンを使用する傾向が見えるが、辞書アプリに代わってサーチエンジンやハッシュタグ検索が多く行われつつある。こうした状況下で、意味の分からない語への対処の実態を把握するにはどうしたらよいだろうか。その方法を探る目的でファッション雑誌記事における外来語を用いて行った予備調査の結果を報告する。
著者
西脇 智子
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.69-83, 2019-03-09

社会福祉法人日本点字図書館の前身となる日本盲人図書館を創設したのは本間一夫である。疎開先の北海道増毛にある本間の生家に置いてきた蔵書の一部が帰館した。そのうち点字出版書を対象に本年9 月までに収集した諸事象を補充し発行所の別に再考した結果、当時の点字図書の一部でもある27 件の点字出版所が製版発行した点字図書であることが判明した。これらは点字出版事業史を裏付ける貴重な資料であることが推察された。
著者
大塚 みさ
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = Jissen Women’s Junior College Review (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.9-18, 2023-03-10

外来語の数の多さや意味の分かりづらさがしばしば話題となっている。公共性の高い場面での外来語の使用や、「外来語弱者」と呼ばれる高年層には配慮が必要であることは言うまでもないが、これから社会で活動する大学生には、必要に応じて馴染みのない外来語を積極的に習得する姿勢が求められるのではないだろうか。本稿では、その一助となる教材の開発に必要な外来語語彙のレベル別整理を目指した試みを報告し、その検証と今後の課題の検討を行う。
著者
三浦 宏文
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.43-55, 2019-03-09

本稿では宮沢賢治の作品を引用する映画『幕が上がる』に表れた初期仏教思想を検討した。本映画中で富士ヶ丘高校演劇部員たちが吉岡先生の退職という喪失から立ち上がって行く仕方は、仏弟子達がブッダの入滅を体験する中で「自らをたよりとし、法をよりどころとして生きていく」という後の「自帰依」「法帰依」と言われる教えによって乗り越えていく姿と酷似していた。そして舞台『幕が上がる』ではそこからさらに「お互いの喪失を救い合う」という大乗仏教の境地にまで進められていたのである。
著者
宮木 孝子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = Jissen Women's Junior College Review (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.42, pp.(1)-(15), 2021-03-10

下田歌子の教育思想「良妻賢母」を『青鞜』の下田歌子批判の評論からその思想を考察する。
著者
霜村 光寿
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = Jissen Women's Junior College Review (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.41, pp.75-88, 2020-03-09

戦後日本において,スポーツの普及は学校教育での運動部活動に負うところが大きいが,近年では部活動が抱える問題が顕在化し,そこには現代社会が抱えるスポーツ,ジェンダーの問題の縮図的構造も垣間見える。本稿は,テレビ放映されたアニメーション作品を題材に,スポーツ,ジェンダー,部活動に対して持たれているイメージを比較分析,析出することで,現代社会における課題解決のための手がかりを提供するものである。
著者
宮木 孝子
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.115-135, 2019-03-09

室生犀星は、昭和三七年、自ら編集した『室生犀星全詩集』において、詩集『美以久佐』の詩をすべて削除した。理由は「戦争雰囲気のある詩」の「心のにごりを見たくない」というものであった。この削除の意味については、既に中野重治、伊藤信吉等によって述べ尽くされている観があるが、本稿では、その削除された詩をも含め、当時の犀星の周辺を視野に入れ、犀星の戦争詩の特性を考察したい。
著者
霜村 光寿
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.40, pp.85-94, 2019-03-09

金栗四三は,戦前にはマラソン選手としてオリンピックに出場するほどの活躍を遂げ,その後は箱根駅伝を発案するなど,日本における陸上競技の普及に大きく貢献した。その業績から日本の「マラソンの父」とも呼ばれ,2019 年のNHK 大河ドラマの主人公として取り上げられるなど注目されているが,金栗についての体系的な研究はまだ少ない。今後の金栗研究の発展に寄与すべく,本稿では金栗の著作を中心に文献目録を作成した。
著者
大塚 みさ
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.40, pp.57-67, 2019-03-09

近年、媒体を問わず国語辞書の売れ行きは低迷傾向にある。筆者による調査結果では、大学生は辞書の代わりにスマートフォンを使用する傾向が見えるが、辞書アプリに代わってサーチエンジンやハッシュタグ検索が多く行われつつある。こうした状況下で、意味の分からない語への対処の実態を把握するにはどうしたらよいだろうか。その方法を探る目的でファッション雑誌記事における外来語を用いて行った予備調査の結果を報告する。Statistics clearly show that the number of paper and pocket monolingual electronic dictionaries published for Japanese native speakers is steadily declining. Surveys conducted by the author suggest that students have turned to smartphones as an alternative. However, fewer students seem to be using a dictionary app; instead, they use search engines or hashtag searches. Can the present state of students' reference practice̶that is, how they look up the meanings of unknown words̶be adequately captured? This paper reports a pilot study seeking insight into this issue by examining students' searches for defi nitions of loanwords in fashion magazine articles.
著者
三浦 宏文
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.40, pp.43-55, 2019-03-09

本稿では宮沢賢治の作品を引用する映画『幕が上がる』に表れた初期仏教思想を検討した。本映画中で富士ヶ丘高校演劇部員たちが吉岡先生の退職という喪失から立ち上がって行く仕方は、仏弟子達がブッダの入滅を体験する中で「自らをたよりとし、法をよりどころとして生きていく」という後の「自帰依」「法帰依」と言われる教えによって乗り越えていく姿と酷似していた。そして舞台『幕が上がる』ではそこからさらに「お互いの喪失を救い合う」という大乗仏教の境地にまで進められていたのである。This study examines concepts of early Buddhism in the movie Maku Ga Agaru (The Curtain Rises) via Buddhist writer MIYAZAWA Kenji's work as quoted in the movie. It highlights similarities between how the student drama club members recover from the loss of Yoshiyoka-sensei and how the Buddha's disciples overcame their great loss after the Buddha's nirvana by adhering to the Buddha's teachings and being self-reliant. This study also emphasizes how, in the live stage versions of Maku Ga Agaru, the members gained additional psychological depth in keeping with the Mahāyāna Buddhist principle of reciprocal help, "to save each other's losses.".