著者
小木曽 智信
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.25-32, 2012-11-10

旧仮名遣いで書かれた口語文のテキストを形態素解析する場合、既存の形態素解析辞書では不十分な点があった。発表者は既存の形態素解析辞書UniDicをベースに見出し語の追加やコストの再学習を行い、旧仮名遣いの口語文を解析するのに適した新しいUniDicを開発した。本稿では、この旧仮名遣いの口語文を対象とした形態素解析辞書の作成方法とその解析精度について述べる。
著者
小林 雄一郎
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.33-38, 2012-11-10

本研究の目的は,アソシエーション分析とクラスター分析を用いて,学習者による誤りの共起関係を明らかにすることである。具体的には,「ある誤りを犯す学習者は,他にどのような誤りを一緒に犯す可能性があるのか」という情報を大量に蓄積し,それらをいくつかの典型的なタイプへと統計的に分類する。
著者
小林 雄一郎 金丸 敏幸
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.259-266, 2012-11-10

本研究は,Coh-Metrix とパターン認識の技術を用いて,英語学習者による課題英作文の自動評価を試みるものである。自動評価の基準は,既存の評価システムによる分類結果とし,出力結果を比較,検討することによって,よりよい採点システムの可能性を模索する。
著者
上椙 英之 上椙 真之 多仁 照廣
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.179-184, 2012-11-10

本論文では,画像を登録すると,過去の解析実績から類似した残存状況の石像遺物に適用された解析手法を検索・適用し,自動解析を行う,解析型のアーカイブシステムの開発を行った.
著者
原田 真喜子 渡邉 英徳
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.199-204, 2012-11-10

Web集合知を介して誰でも情報の発信・受信・検索が可能になった.しかしWeb集合知の性質は各プラットフォームの性質に依存し,検索結果が言葉の全貌を示しているとは言い難い.また,言葉は日々変化するものであり,Web集合知或いは辞書においても過去の言葉の使われ方を調べることは難しい.本研究では,言葉の俯瞰的な認識と新たな知見の提供を目的に,SNS,サーチエンジン,Web百科事典の性質を客観的/当事者的に分類し,その検索結果を一様に閲覧可能な,言葉アーカイブコンテンツの制作を行った.
著者
清野 陽一 魚津 知克
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.219-224, 2012-11-10

「海のシルクロード」と呼ばれる,太平洋・インド洋沿岸の交易ルートは,古代アジア全体の相互交流に大きな役割を果たしたと考えられる.そのルートを具体的に復原するうえで大きな問題となるのが,マレー半島基部にあるクラ地峡の存在である.本研究では,クラ地峡を陸路で横断した場合と,マラッカ海峡を海路で通過した場合とのそれぞれについて,地理情報システム上での移動コスト計算をおこなった.その結果,特別な理由が無ければ,クラ地峡を通らず海上を通るルートの方が楽に移動できることがわかった.クラ地峡ルートを採用するのは,従来の説の通り,船の座礁や難破,海賊による略奪といった人文的環境が背景にあるに違いない.今後は,海上交通における移動コストをより実態に近い形で算出するためのパラメータを求めることが重要課題である.