著者
橋浦 健太 飯田 和也 赤塚 翔太 趙 勇気 神山 洋一 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.38-41, 2023-08-23

ビデオゲームにおいて複数人が協力してプレイする場合でも,それぞれが独立したコントローラーで操作が行われきた.本研究では,力覚フィードバックを用いた操作感覚の共有がビデオゲームのパフォーマンスに与える影響を評価した.その結果,全試行中で最速記録は感覚共有時に達成された一方,平均的なパフォーマンスは感覚共有時に低下した.これは,操作感覚の共有は操作を困難にする場合があるため,パフォーマンスを低下させる可能性を示唆している.
著者
林田 明香里 加藤 邦拓 太田 高志
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.313-315, 2023-08-23

本研究ではスピーカを取り付けた洋服を実装し,ユーザの動きによるインタラクティブな音楽体験を設計する.具体的には,CD アルバムのジャケット画像が印刷された洋服をユーザが着用すると,洋服上のスピーカからアルバム内の楽曲が再生される.またユーザ同士が肩を組む,あるいはハグといったスキンシップをすることで,お互いの洋服から同じ楽曲が再生されて,音楽を共有できるインタラクションを設計する.提案手法により,ユーザは音楽配信サービス上でダウンロードした音源を物理的に所有できるようになり,洋服を着用することによる視覚的かつ聴覚的な自己表現が可能になる.また,ユーザ同士の自然なコミュニケーションによる楽曲共有を可能にすることが目的である.
著者
高橋 和也 村上 雄哉 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.247-252, 2023-08-23

Figma やAdobe XD といったツールは画面上のインタラクティブなプロトタイピングに優れているが,IoT のようなハードウェアと画面が連携した体験はプロトタイピングできない.本研究では,画面設計が容易なFigma をM5StickC と連携させる拡張手法を提案する.これにより,例えば加速度センサの数値に応じてFigma の画面を遷移させる,Figma 上のボタンを押してLED を点灯させるといったことができる.提案手法を用いて,IoT 製品のプロトタイプ作成をテーマとしたワークショップを実施した.
著者
山西 良典 松村 耕平 ワイト ジェレミー
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.201-207, 2023-08-23

本稿では,出川イングリッシュにおける演出を英会話練習のしくみとして取り入れることで,非ネイティヴ英語話者にとっての会話に適した作文能力の向上をねらう.日本テレビ制作の世界の果てまでイッテQ!内の人気企画「出川哲朗はじめてのおつかい」では,出川氏のネイティヴ英語話者との会話がエンタテインメントとして楽しまれている.日本国内の標準的な英語能力からすれば,多くの視聴者は出川氏の英会話の拙さやネイティヴ話者との認識の齟齬を直接理解しているわけではなく,番組内の演出を補助情報として受け取ることで英会話におけるミスコミュニケーションをエンタテインメントとして楽しんでいるものと推察される.我々は,この番組内の演出に着想を得て,英語発話に対して非言語情報をフィードバックすることで学習者に楽しみながら自己研鑽する機会を提供するエデュテイメントシステムを提案する.提案システムは,学習者の発話を音声認識し,認識結果をプロンプトとして画像生成AI システムに引き渡す.発話への誤認識や単語の使い方の誤りが反映されたプロンプトによって画像が生成されることで,学習者は自身の発話がネイティヴ発話者に何を想像させるのかを非言語情報として知ることができるようになる.実験の結果,提案システムの利用によって,比較的安易な発音で簡単な単語を使いつつ,ネイティヴ話者とのコミュニケーションにおいて齟齬が発生しにくい発話を作文可能になることが確認された.
著者
森谷 美羽 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.290-292, 2023-08-23

点眼が苦手な人はある一定数存在している.しかし,それを支援するシステムは少ない.そこで本研究では,映像を見ながら点眼を行える「ぱちぱちドロップ」を提案する.このシステムは映像の持つ,鑑賞者を惹きつける特性を活かし,映像鑑賞時に目が開いているタイミングをカメラ画像から検出し点眼する.また,両目同時に点眼を行うことで,点眼されることへの恐怖心を抱いている時間を削減できる.ぱちぱちドロップはobniz Board,それによって制御されるDC モータ駆動ポンプ,スマートフォン上で使用するWeb アプリケーション等で構成される.
著者
平野 怜旺 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.220-227, 2023-08-23

メンタルイメージベースのブレインコンピュータインターフェース(MI-BCI)は,特定の思考やメンタルイメージを用いて外部機器を制御できる.MI-BCI は多くの用途で有望であるが,研究室以外で日常的に使用するには,まだ十分な信頼性がない.MI-BCI を制御するために,ユーザトレーニングが重要であり,ユーザは特定の脳波パターンを安定して生成する能力が必要である.しかし,この能力を身につけるための最適なトレーニング方法は未だ研究中である.本稿では,オノマトペを用いたユーザトレーニング方法を提案する.視覚イメージとオノマトペによる聴覚イメージのマルチモーダルなアプローチによるトレーニングを行い,ユーザパフォーマンスに与える影響を調査した.
著者
髙山 英里 能丸 天志 安中 勇貴 山岸 丈留 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.52-61, 2023-08-23

「あアラウド法」は,実験参加者が「あ」のみを発声することで,実験参加者のリアルタイムな感情を観測する手法である.この手法は,明確な評価基準を定義しにくいエンタテイメントコンテンツの評価に役立つ可能性がある.一方で,発声方法や感情分析の妥当性については,十分な検討がなされていない.そこで本研究では,「あアラウド法」を感情観測手法として確立するため,発声方法が結果に与える影響と,感情分析の実行可能性についての実験を行い,適した実験設計と有用性について考察した.