著者
山中 祥太 栗原 一貴 宮下 芳明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.3_53-3_63, 2013-07-25 (Released:2013-09-25)

視線計測技術の精度は年々向上しているものの,ユーザが操作したいと考えて注視している画面内のオブジェクトを視線情報のみから特定することは困難であると言われている.一方で,注視していない範囲は容易に特定できるため,この領域を適切に利用することで新たなインタラクションが可能になると考えた.本論文では,注視していない領域においてカーソルの移動速度を上昇させ,ポインティングを高速化する手法を提案する.評価実験では,PC操作において日常的に行われるアイコンクリックを想定したタスクを行い,選択時間とエラー率を計測した.実験に用いたカーソル速度は,OSの標準速度,OSの最高速度,提案手法の3種類である.実験の結果,提案手法は標準速度より選択時間が短縮され,かつエラー率は上昇しないことから有効性を示した.
著者
栗原 一貴 笹尾 和宏 山本 光穂 田中 秀樹 奈良部 隆行 國吉 雅人 会田 寅次郎 岡田 裕子 高須 正和 関 治之 飯田 哲 山本 博之 生島 高裕
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.223-224, 2014-09-12

本論文では,月および火星の衛星画像からあたかも知的生命体によって構築されたかのような構造物(擬似不自然構造物,pseudo-artificial structures)を自動検出する試みについて報告する.NASA Jet Propulsion Laboratory から公開されている観測データを対象として近年発展の著しいパターン認識手法である deep learning を採用し,顔認識技術として Deep Convolutional Network Cascade for Facial Point Detection,およびオブジェクト検出技術として 1000 種類の物体を検出可能な DeCAF (A Deep Convolutional Activation Feature for Generic Visual Recognition)を適用することで,興味深い結果を得た.
著者
栗原 一貴
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_293-4_304, 2012-10-25 (Released:2012-11-25)

本論文では動画を高速に鑑賞する技術について検討する.映画DVDなどで一般的である字幕付きの動画を対象として,字幕のない箇所は高速再生し,字幕のある箇所については字幕を読むことが可能なように再生することで,鑑賞の娯楽的価値を保ちつつ鑑賞時間を通常よりも短時間にすることを可能にする.さらに高速鑑賞時の負荷軽減のための字幕表示インタフェースとしてセンタリング,フェーディングを実装する.また再生速度,文字読み速度,総鑑賞時間の指定により動画を出力でき,モバイル機器などの一般的な動画プレイヤーで再生可能なフォーマットに変換可能な汎用性の高いエンコーダを実装および公開し,評価実験により有効性を示した.
著者
栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.8-17, 2015-09-18

本論文では,ゲーミフィケーションの派生概念である Toolification of Games を提案する.「非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」などと定義されるゲーミフィケーションでは,ゲームの知見を「後づけ」するために適切なゲームバランスと楽しさの実現が難しい点が問題であった.そこで,原則的には同じ定義に当てはまるものの,ゲームと非ゲームの大小関係,主従関係が逆であるようなケースとして,「既に完成されているゲームの余剰自由度の中で非ゲーム的目的を達成すること」を Toolification of Games と定義する.Toolification of Games にはブランド性,既習性,逃避可能性,自己表現性,物語性などの特徴があり,従来のゲーミフィケーションの問題を改善しうる可能性がある.我々は Toolification of Games と位置づけられる過去の事例を分析するとともに,三次元テトリスをプレイするだけで 3D プリンタ用の三次元モデルをデザインできる Tetris 3D Modeler,およびスーパーマリオブラザーズをプレイすることが募金活動につながる Coins for Two の開発事例を通じて,Toolification of Games の位置づけと性質,可能性を論ずる.
著者
萩原 早紀 栗原 一貴
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_52-1_62, 2016-01-26 (Released:2016-03-26)

本論文では,俗に“コミュ障”と呼ばれている人間の性質に注目し,その中で他人と視線を合わせられない症状をもつ人々を社会福祉学的な観点から支援するためのシースルー型HMD を使用したシステムの提案を行う.この“コミュ障”支援システムは,彼ら/彼女らが他人と視線を合わせられないというコミュニケーション上の問題を緩和・改善するために,顔検出技術と視覚情報提示により相手の顔を隠したり,視線をそらす癖を改善するように指示したり,視線の挙動の客観的なデータを提示したり,コミュニケーション上の危険状態が発生した場合その場から脱出する手段を与えてくれる.このシステムのプロトタイプを実装し,評価した結果,いくつかの機能は有効に働き,今後の改善点が得られた.
著者
笹尾 和宏 高須 正和 関 治之 奈良部 隆行 山本 光穂 飯田 哲 山本 博之 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.324-329, 2013-09-27

本論文では,顔認識技術と集合知に基づき,主に月および火星表面から俗に「人面岩」とも言われる,人の顔の形をした構造物の探索について報告する.我々はBrightness Binary Feature をはじめとする複数の顔認識アルゴリズムを併用し,NASA が提供した膨大な月および火星表面の衛星画像から人面状構造物を検出した.さらに,検出した映像をユーザが鑑賞,レーティングし,質の良いものを抽出するアプリケーションを試作した.
著者
森谷 美羽 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.290-292, 2023-08-23

点眼が苦手な人はある一定数存在している.しかし,それを支援するシステムは少ない.そこで本研究では,映像を見ながら点眼を行える「ぱちぱちドロップ」を提案する.このシステムは映像の持つ,鑑賞者を惹きつける特性を活かし,映像鑑賞時に目が開いているタイミングをカメラ画像から検出し点眼する.また,両目同時に点眼を行うことで,点眼されることへの恐怖心を抱いている時間を削減できる.ぱちぱちドロップはobniz Board,それによって制御されるDC モータ駆動ポンプ,スマートフォン上で使用するWeb アプリケーション等で構成される.
著者
内海 舞子 栗原 一貴
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-163, no.11, pp.1-6, 2015-05-07

日々の生活で自分の外見的印象を良くしたい場面は多くある.そこで,印象を変える手段として色と眼鏡に注目する.色彩学では色ごとに象徴するイメージがあり,色によって自分の印象を変化させることができる.また,着用者本人にも日常生活で有利となる心理的効果が期待できる.一方で眼鏡は,錯視が発生し目を大きく見せる効果がある.また近年では,単なる視力矯正用の道具だけではなく,ファッションの一部として使用されることが増え,男女関係なく身につけられ安価で手に入る装飾品となった.本研究では色の変化と眼鏡の効果を組み合わせた,色によって印象を変化させる眼鏡型 HMD(Head Mounted Display) である HMC(Head Mounted Cosmetics) メガネを提案する.ユーザ評価の結果,システムに肯定的な意見が多く,また改善,機能の追加が必要であるとわかった.そして,眼鏡型 HMD としての新たな可能性を示すことができた.
著者
岡 あゆみ 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.199-207, 2021-08-23

音はその性質上,肉眼で捉えたり触れたりすることが出来ないため,定量的に観測したり,直感的に操作を加えたりすることが難しい.そこで,聴覚と他の感覚を同期させることにより,音の扱いやすさを向上させることを検討する.近年,VRヘッドセットの普及により3D空間での表現が身近になったが,VRでの可視化手法とインタラクションの先行研究は限定的である.本研究ではVR内で見て触れながら音を調整することのできる,滝の形状をしたビジュアライザ「SoundDrop」を提案し,インタラクションについての妥当性と効果を調査する.
著者
萩原 早紀 栗原 一貴
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_52-1_62, 2016

本論文では,俗に“コミュ障”と呼ばれている人間の性質に注目し,その中で他人と視線を合わせられない症状をもつ人々を社会福祉学的な観点から支援するためのシースルー型HMD を使用したシステムの提案を行う.この“コミュ障”支援システムは,彼ら/彼女らが他人と視線を合わせられないというコミュニケーション上の問題を緩和・改善するために,顔検出技術と視覚情報提示により相手の顔を隠したり,視線をそらす癖を改善するように指示したり,視線の挙動の客観的なデータを提示したり,コミュニケーション上の危険状態が発生した場合その場から脱出する手段を与えてくれる.このシステムのプロトタイプを実装し,評価した結果,いくつかの機能は有効に働き,今後の改善点が得られた.
著者
塩田 智也 寺田 和憲 栗原 一貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2K5OS14b4, 2015 (Released:2018-07-30)

マナー違反者を直接咎責することは対人関係の悪化を嫌悪した結果ためらわれる.我々は,対面状況において過剰な情動反応を抑制するためにコミュニケーションチャネルからエージェンシーを削減する「脱エージェンシー」という概念を提案している.本研究では,「インタラクション対象が機械である」というトップダウン認知を利用した脱エージェンシーによって咎責嫌悪感を低減させられることを心理実験で示した.
著者
塩田 智也 寺田 和憲 栗原 一貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.2K5OS14b4, 2015

<p>マナー違反者を直接咎責することは対人関係の悪化を嫌悪した結果ためらわれる.我々は,対面状況において過剰な情動反応を抑制するためにコミュニケーションチャネルからエージェンシーを削減する「脱エージェンシー」という概念を提案している.本研究では,「インタラクション対象が機械である」というトップダウン認知を利用した脱エージェンシーによって咎責嫌悪感を低減させられることを心理実験で示した.</p>
著者
栗原 一貴
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011-HCI-141, no.11, pp.1-7, 2011-01-14

本論文では生態心理学分野のトピックであるマイクロスリップを工学的に計測することを出発点として,それをどの様に応用してインタフェースデザインに活かすかを 2 つの可能性から考察する.ひとつはマイクロスリップを許容したインタフェース,もうひとつはマイクロスリップ検出を積極的に活用したインタフェースである.これらを通じて,HCI 研究におけるマイクロスリップの重要性を指摘し今後の研究展望を示すことが本論文の目的である.
著者
栗原 一貴
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.919-931, 2017-04-15

本論文では,ゲーミフィケーションの周辺概念であるToolification of Gamesを提案する.「非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」などと定義されるゲーミフィケーションでは,ゲームの知見を「後づけ」するために適切なゲームバランスと楽しさの実現が難しい点が問題であった.そこで,通常のゲーミフィケーションと比較したときにゲームと非ゲームの大小関係,主従関係が逆であるようなケースとして,「すでに完成されているゲームの余剰自由度の中で非ゲーム的目的を達成すること」をToolification of Gamesと定義する.Toolification of Gamesにはブランド性,既習性,逃避可能性,自己表現性,物語性などの特徴があり,従来のゲーミフィケーションの問題を改善しうる可能性がある.我々はToolification of Gamesと位置づけられる過去の事例を分析するとともに,三次元テトリスをプレイするだけで3Dプリンタ用の三次元モデルをデザインできるTetris 3D Modeler,およびスーパーマリオブラザーズをプレイすることが募金活動につながるCoins for Twoの開発事例および過去の事例分析を通じて,Toolification of Gamesの位置づけと性質,可能性を論ずる.
著者
土井 伸洋 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.18-25, 2018-09-06

本論文では,IoT機器,Webサービス,AIなどの処理を統合して,最終的にゲームコントローラ操作へと変換し既存ディジタルゲームを操作するためのミドルウェア,GameControllerizerを提案する.多様な機器および情報源を既存ゲームへの入力として扱えるようになることにより,新たなエンタテインメントの創出やゲーミフィケーションの構成のための試行錯誤を容易に行うことが可能となる.GameControllerizerはNode-REDにより各種入力情報を既存ゲーム入力に変換するプログラミングを簡便に行うビジュアルプログラミング部,およびハード・ソフト両面のエミュレーションにより実際のゲーム機への入力信号を発生させるゲーム入力エミュレーション部からなる.基礎的な性能評価を行うとともに,多様なユースケース事例を提示することでその有用性を示す.
著者
栗原 一貴
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.919-931, 2017-04-15

本論文では,ゲーミフィケーションの周辺概念であるToolification of Gamesを提案する.「非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」などと定義されるゲーミフィケーションでは,ゲームの知見を「後づけ」するために適切なゲームバランスと楽しさの実現が難しい点が問題であった.そこで,通常のゲーミフィケーションと比較したときにゲームと非ゲームの大小関係,主従関係が逆であるようなケースとして,「すでに完成されているゲームの余剰自由度の中で非ゲーム的目的を達成すること」をToolification of Gamesと定義する.Toolification of Gamesにはブランド性,既習性,逃避可能性,自己表現性,物語性などの特徴があり,従来のゲーミフィケーションの問題を改善しうる可能性がある.我々はToolification of Gamesと位置づけられる過去の事例を分析するとともに,三次元テトリスをプレイするだけで3Dプリンタ用の三次元モデルをデザインできるTetris 3D Modeler,およびスーパーマリオブラザーズをプレイすることが募金活動につながるCoins for Twoの開発事例および過去の事例分析を通じて,Toolification of Gamesの位置づけと性質,可能性を論ずる.Gamification is the use of game elements and game design techniques in non-game contexts. A major criticism of gamification, however, is that it is difficult to realize an appropriate game balance and fun experience because knowledge of the game is applied a posteriori. Here we propose the concept of Toolification of Games (ToG), which is a peripheral concept of gamification, and is defined as "achieving non-game purposes in the redundant spaces of existing games." ToG includes branded, hot-start, avoidable, performable, and contextualisable features, which allow us to avoid the aforementioned problem of gamification. We discuss the characteristics and the potential of ToG with existing and self-produced examples including Tetris 3D Modeler, with which the user can design 3D models simply by playing 3D Tetris, as well as Coins for Two, which allows the user to raise money for charity simply by playing Super Mario Bros.