- 著者
-
川島 拓也
渡邊 恵太
- 出版者
- 情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.11, pp.1483-1492, 2023-11-15
エンタテインメント性の評価は難しく,評価基準や実験手法が模索されている.エンタテインメントの本質を「心の動き」とすると,評価には体験中のリアルタイムな感情を観測する必要がある.そこで本研究では,リアルタイムな思考を観測する思考発話法を応用した,「あ」だけ発声する「あアラウド法」を提案する.あアラウド法は,実験参加者がタスク中に「あ」の大きさやトーンを変化させて感情を表現し,実験者が実験参加者の感情の強弱や種類を観測する手法である.「あ」は日常的に感動詞として使われているため,自然に感情を表現するのに適していると考察する.実験では「あ」が表現する感情の分析と,他の発声方法との比較を行い,リアルタイムな感情の観測手法としての有用性を調査する.実験結果からエンタテインメント性の評価への利用可能性を示す.