著者
清水 裕子 森 理恵
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.29-39, 2006-12-25

本研究は,ファッションブランド,メゾン・マルタン・マルジェラについて,ブランド自身はどう考えているのか,雑誌などではどう取り扱われているのか,そして,実際の着用者はどのように見て,着ているのか,この三者の関係性を見ていくものである。調査の結果,メゾンとメディアと着用者の関係については次のことが明らかになった。メゾンは様々なことに挑戦していこうとしており,そこに意味付けをしているのはメディアである。しかし着用者はメディアが作るイメージよりも,服そのものの新しさに驚いたり,楽しんだりして着ているのである。
著者
Mahmood Hassan 藤目 幸擴 松井 年行 奥田 幸延 鈴木 春雄
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.39-43, 2000-12-25

ワサビ'だるま-3号'について形態的観察を行った。ワサビは日本など温帯アジア原産植物で, アブラナ科に属し, 宿根性である。通常葉と茎の基部が可食部として収穫される。可食部は通常根茎と呼ばれることが多いが, 肥厚して短縮化した茎である。肥厚した茎は地中で成育することが多い。葉柄の基部も肥厚している。いくつかの子株が茎の基部から伸張して, 繁殖に用いられる。花には4枚の白色の花弁, 6本の雄ずいと1本の雌ずいがある。
著者
西谷 美乃理 森 理恵
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.33-41, 2005-12-25
被引用文献数
1

陸軍被服本廠内の被服協会の機関誌『被服』と,上村六郎『戦時の本染』により,十五年戦争下における染色をめぐる状況を見た。その結果は次のようにまとめられる。植物染料による「本染」(草木染)の振興は,第一に,化学染料の輸入の途絶と国内染料工場の化学兵器工場への転用とによる染料不足,第二に,本土空襲による迷彩色を身につける必要性の高まり,というふたつの要因から企図された。ところが一方,「本染」は,先に民芸関係者により,化学染料にはない美をもつものとして評価しようという動きが開始されていた。これが「本染」振興の第三の要因である。その普及に当たっては,染料不足の解消と迷彩色の獲得という差し迫った目的よりも,これは日本古来の美なのである,という美的精神的側面が強調される。「本染」(草木染)は戦時下の国粋意識と結びつき,戦後にはこの第三の要因によって,支持されることとなった。
著者
森 理恵
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.19-28, 2006-12-25

1889年の創刊以来現在まで日本美術史研究の権威とされる,美術誌『国華』において,その研究を支えた思想の変遷と戦争との関係を明らかにすることを目的とし,日露戦争期,第一次世界大戦期,日中戦争期・太平洋戦争期における,誌上の論説の分析をおこなった。その結果,『国華』の思想は,戦争と深くかかわり,戦争を賛美し,戦争の進展にともなってその思想を発展さ,常に日本帝国主義と歩調を合わせて展開してきたことが明らかになった。
著者
松原 周信
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.7-11, 2003-12-25
被引用文献数
3

To investigate the time series structure of jumping reaction time with visual and auditory stimulus, onset time of (1) M. vastus lateralis EMG amplitude, (2) motor response, (3) M. gastrocnemius EMG amplitude, (4) knee joint extension, (5) plantar flexion, respectively following stimulus and (6) jumping reaction time were measured concerning both light and sound in 46 young female subjects. Onset time of (1) was earlier at sound than light stimulus. But the time lag of (1) to (6) was larger at sound. Factor analysis was applied to time series data i. e. from (1) to (6), and 3 factors were extracted. The loading of factor 1 was large at onset time of above discrived (1) and (2) component. Then linear discriminant function on the 3 factors was obtained, and there the coefficient of factor 1 played extremely high significant contribution to discriminate data of each stimulus. As the result, it was made clear that jumping reaction time with visual and auditory stimulus was strongly featured by the onset time of M. vastus lateralis EMG amplitude and that of motor response. (Accepted September 9, 2003)
著者
佐藤 佳郎 高田 肇 片山 順
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.75-86, 1998-12-25

コレマンアブラバチ(Aphidius colemani)とショクガタマバエ(Aphidoletes aphidimyza)が, ワタアブラムシの生物的防除素材として, 1998年4月に農薬登録された。京都府京都乙訓農業改良普及センターは京都市上賀茂のキュウリ栽培ビニルハウス(側面開放型, 網なし)において, これら2種天敵昆虫を1997年5月2日から1週間間隔で計4回放飼して防除試験をおこなった。著者らはワタアブラムシとその天敵昆虫の発生量, 特に捕食寄生バチ類の動態を調査した。ワタアブラムシは5月中旬に1か所(数株)で大発生し, 6月にはそこからハウスのほぼ全域に広がり, 天敵からのエスケープ状態となった。サンプリングしたアブラムシの捕食寄生バチによる寄生率は平均67%(解剖による), コレマンアブラバチは一次捕食寄生バチの81%を占めた。サンプリングした茶褐色丸型マミーから, コレマンアブラバチは13%しか羽化しなかったのに対し, 4科8種にわたる二次捕食寄生バチが39%も羽化した。黄色粘着板トラップにはコレマンアブラバチより在来のアブラバチLipolexis gracilisが18%多く捕獲された。本試験の結果から, 天敵昆虫を有効に利用する方法を考察した。
著者
蜂須賀 元文 上野 勝代 佐々木 伸子
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 人間環境学・農学 (ISSN:13433954)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.17-25, 2001-12-25

Homes for single mothers should play the role of a "residence" until they are on their own. However, little attention has been paid to residential environments of the homes and not enough researches on the homes have been done from the viewpoint of their structures. This study aims to elucidate the realities of the residential environments of the homes and describe how the residents are actually supported. Questionnaires were sent out nationwide to 299 homes for single mothers to gather information. Ground plans of the homes were also collected. In addition, we visited homes that were considered to be advanced and interviewed the staff and the residents there. The results of our research are summarized as follows : (a) Sixty percent of the homes for single mothers don't function fully as a residence. (b) Nearly half the homes don't necessarily provide the residents with adequate support because the staff at these homes are off duty at night and on holidays. (c) The support of most homes doesn't meet the needs of the households of mother and child. That is the reason why the rate of living units used by families of mother and child at each home is low.