著者
近藤 武夫
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

インクルーシブ教育を目指す合理的配慮として,欧米を中心に,読み書きや計算,記憶を助けるテクノロジー(支援技術)が教育場面で提供され,多様な障害者の教育参加が支援されている。高次脳機能障害や発達障害等のある生徒や学生では,全体的な知的機能の障害がなくとも,読み書きなど特定の認知機能に選択的に困難を持つことから,個別の認知機能を支援する技術活用が重要となる。本研究では認知面の機能障害について支援技術と認知機能障害のマッチング研究,効果や困難のアセスメント,それらを合理的配慮として教育現場に実装する実践研究を行った。また結果から,本人,親,教師に,教育場面での支援技術活用についての情報提供を行った。
著者
近藤 武 矢崎 武 奥寺 元
出版者
一般社団法人 日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-51, 1973 (Released:2010-10-27)
参考文献数
9
被引用文献数
2

日本の代表的産地の緑茶について, その浸出液中フッ素濃度を測定した結果, 一般的に高級茶 (玉露) に高濃度のフッ素を認め, さらに1回目の浸出で比較的多量のフッ素が浸出され2回目以後は少ない傾向がみられた。これらはお茶のおいしさを決める一つの科学的方法となるかもしれない。日本人のお茶からの平均的フッ素摂取量は0.48~0.97mg/日と計算され, 1日の食品よりのフッ素摂取の主要な部分を占るものと考えられた。成人男子について飲用実験を行つたところ, 緑茶浸出液中のフッ素の吸収はNaF溶液にくらべ遅れるが, 排泄は比較的速かに行なわれる傾向が認められ, NaFと緑茶中のフッ素との代謝のちがいを思わせた。また, この実験中, 尿中に排泄されるフッ素量について検討したところ, 尿中フッ素濃度 (ppm) は採尿量, 採尿時間により変動が大きいために, 尿中フッ素の測定と評価は一定時間内の蓄尿中のフッ素量 (μg) をもつて行なわれるべきものと考えられた。
著者
近藤 武夫
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.247-256, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
33

米国の公立初等中等教育では、視覚障害、肢体不自由、学習障害などの多様な障害を原因として印刷物にアクセスすることが難しい児童生徒に対し、電子データ形式で作られた教科書を無償で入手できる環境が、連邦政府により整備されている。また、こうした電子教科書の利用においては、電子教科書データの提供だけではなく、支援技術製品の児童生徒への提供、および支援技術の専門家による利用支援の提供が、個別障害者教育法(IDEA)を背景として制度化されている。本論文では、障害のある児童生徒にとってアクセス可能な電子教科書の入手および学校場面での利用とその支援に関して、米国の現状を概観し、また、日米の現状比較を通じて日本国内で解決すべき電子教科書および支援技術利用上の課題について検討する。
著者
近藤 武夫
出版者
The Japanese Association of Special Education
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.247-256, 2012

米国の公立初等中等教育では、視覚障害、肢体不自由、学習障害などの多様な障害を原因として印刷物にアクセスすることが難しい児童生徒に対し、電子データ形式で作られた教科書を無償で入手できる環境が、連邦政府により整備されている。また、こうした電子教科書の利用においては、電子教科書データの提供だけではなく、支援技術製品の児童生徒への提供、および支援技術の専門家による利用支援の提供が、個別障害者教育法(IDEA)を背景として制度化されている。本論文では、障害のある児童生徒にとってアクセス可能な電子教科書の入手および学校場面での利用とその支援に関して、米国の現状を概観し、また、日米の現状比較を通じて日本国内で解決すべき電子教科書および支援技術利用上の課題について検討する。
著者
町田 圭吾 近藤 武士 岩本 静男 倉渕 隆 遠藤 智行 飯野 由香利
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成18年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.611-614, 2006-09-05 (Released:2017-08-31)

The experiment to grasp the indoor thermal environment when air supplied from air supply opening was carried out. The difference of the indoor thermal environment by height of air supply opening was compared. The air temperature distribution, the velocity of the wind distribution, CDP, and EHT were used as evaluation indexes. The fluctuation between upper and lower temperature in front of the air supply opening was decreased by raising the height of the installation.
著者
宮澤 大輔 栗本 康夫 竹内 篤 近藤 武久
雑誌
あたらしい眼科 = Journal of the eye (ISSN:09101810)
巻号頁・発行日
vol.15, no.10, pp.1441-1443, 1998-10-30
参考文献数
3
被引用文献数
3
著者
近藤 武一
出版者
金城学院大学
雑誌
金城学院大学論集 (ISSN:04538862)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.98-120, 1954-10-20
著者
飯野 由香利 岩本 静男 倉渕 隆 近藤 武士 遠藤 智行
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成18年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.1185-1188, 2006-09-05 (Released:2017-08-31)

The experiment was conducted in order to clarify influences of outdoor air supplied through openings on thermal environment in rooms heated by floor heating systems. The ari supply openings of various heights and types were used in respective experiment cases. The following results were obtained: (1) Draught Rating (DR) was increased by sypplied outdoor air in any heights of air supply openings and openings with natural ventilation systems. The DR in areas near the air supply openings were higher than DR in far area. (2) Influences of outdoor air supplied through openings in the heights of more than 1600mm above floor were small on thermal environment. (3) The air supply openings with mechanical ventilaion systems made better thermal temperature than openings with natural ventilation systems because mechanical ventilaion systems controled temperatures of supply air.
著者
近藤 武 笠原 香 中根 卓 樋口 壽英 藤垣 佳久
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.144-150, 2004-04-30 (Released:2017-12-22)
参考文献数
5

わが国の水道水のフッ素基準値は,0.8 mg/l 以下である.しかし,宝塚市は中等度の斑状歯の発生抑制を目的として,国の基準より低い0.4〜0.5 mg/l 以下で給水している.この基準の妥当性は,この濃度の飲料水を出生時から摂取した児童・生徒の,中等度の斑状歯所有率の減少によって証明される.今回,宝塚市水道局から公表されている,水道水中フッ素濃度の経過と,宝塚市教育委員会から公表されている児童生徒の歯科健診結果から調査した.管末のフッ素濃度は昭和55年度(1980)以降平成12年度(2000)まで,年平均濃度は暫定管理基準を超える濃度はみられなかった.昭和56年度(1981)から63年度(1988)の間に出生した児童・生徒について,斑状歯所有率の経過をみると,平成8年度(1996)では5.3%であったが,平成12年度(2000)には2.3%と減少した.むし歯のない者の割合についてみると,経年的に増加がみられたが,全国的にも同様の傾向がみられたことから,その関係ははっきりしなかった.
著者
塩谷 正樹 下 泰蔵 大岡 龍三 柴 芳郎 谷藤 浩二 正木 一郎 湯澤 秀樹 近藤 武士 鶴見 隆太
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和2年度大会(オンライン)学術講演論文集 第2巻 蓄熱・熱源システム 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.29-32, 2020 (Released:2021-10-28)

再生可能エネルギー熱利用システムは、脱炭素化に寄与する技術として期待されているが、高い導入コストが普及促進の隘路となっている。本研究の目的は、ライフサイクルの低減と性能向上を目的に、多角的な再エネ熱を活用した天空熱源ヒートポンプ(SSHP)システムの開発を行うものである。本報では、開発プロジェクトの概要と今後の実適用を目指した実施した、冬期暖房実験結果について報告する。
著者
吉竹 功央一 並木 淳郎 小崎 遼太 猪口 孝一郎 越智 明徳 関本 輝雄 山口 薫 大沼 善正 近藤 武志 柴田 正行
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.626-630, 2019-06-15 (Released:2020-08-17)
参考文献数
7

症例は60歳代,男性.意識消失を伴う高度房室ブロックの診断で恒久ペースメーカ植込みを行った.手術中,良好な閾値がみつからず,心房リードの留置に難渋したため,心房リードを右房側壁に留置した.手術翌日に呼吸困難,酸素飽和度の低下を生じ,胸部CT検査で右肺の気胸,心膜気腫,縦隔気腫を認めたため,胸腔穿刺で脱気を行った.解剖学的に心房リードが右房壁を穿孔した可能性が高いと判断し,外科的治療を考慮したが,心房・心室リードともに感度・閾値・抵抗値に変化を認めず,バイタルは安定していたため,経過観察とした.その後は経過良好であり,脱気後1週間で胸腔ドレーンを抜去し,胸部CT検査で気胸,心膜気腫,縦隔気腫が消失していることを確認して退院となった.解剖学的に右房側壁は胸膜と近接しており,リードのスクリューが心膜,胸膜を貫通し,気胸,心膜気腫,縦隔気腫を生じたと考えられる.心膜気腫,縦隔気腫は恒久ペースメーカ植込みの合併症において比較的稀である.治療法の選択に苦慮したが,保存的加療で治療し得た症例を経験したので報告する.
著者
平井 晃一 佐々木 章史 近藤 武 秋山 知宏 金内 昭憲 天田 望 斉藤 祐二 中野 清治 高瀬 真一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.149-154, 2013-06-01
参考文献数
19
被引用文献数
1

開心術体外循環中に生じた高カリウム血症(K=5.5mmol/L以上)を補正する手段として、体外循環中でも簡便に施行できる落差灌流式血液透析濾過法を考案した。体外循環中に高カリウム血症を呈し本法を施行した連続11症例(男:女=2:9、平均年齢63.6&pm;12.9歳)を対象とした。本法では輸血セット(内径3.0mm)を用い、血液濾過用補充液(サブラッド<sup>&reg;</sup>BSG)を落差により血液と向流になるように血液濃縮器(MAQUET BC140plus<sup>&reg;</sup>)ホローファイバー外側を灌流させた。総落差は150cm、血液流量は400mL/minとした。体外循環中の心筋保護液注入によるカリウム負荷量は69.0&pm;33.1mmolで、照射赤血球濃厚液輸血量は5.5&pm;3.6単位であった。血中カリウム濃度の最高値は6.41&pm;0.76mmol/Lであったが、本法の施行により体外循環離脱までに4.82&pm;0.22mmol/Lと有意に(p<0.0001)低下した。また体外循環開始直後と離脱直前ではナトリウム、カリウム、水素イオン濃度指数、重炭酸イオン濃度に有意差を認めなかった。本法は体外循環中に生じた高カリウム血症の補正に有用であった。
著者
平井 晃一 佐々木 章史 近藤 武 秋山 知宏 金内 昭憲 天田 望 斉藤 祐二 中野 清治 高瀬 真一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.149-154, 2013 (Released:2013-07-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1

開心術体外循環中に生じた高カリウム血症(K=5.5mmol/L以上)を補正する手段として、体外循環中でも簡便に施行できる落差灌流式血液透析濾過法を考案した。体外循環中に高カリウム血症を呈し本法を施行した連続11症例(男:女=2:9、平均年齢63.6&pm;12.9歳)を対象とした。本法では輸血セット(内径3.0mm)を用い、血液濾過用補充液(サブラッド®BSG)を落差により血液と向流になるように血液濃縮器(MAQUET BC140plus®)ホローファイバー外側を灌流させた。総落差は150cm、血液流量は400mL/minとした。体外循環中の心筋保護液注入によるカリウム負荷量は69.0&pm;33.1mmolで、照射赤血球濃厚液輸血量は5.5&pm;3.6単位であった。血中カリウム濃度の最高値は6.41&pm;0.76mmol/Lであったが、本法の施行により体外循環離脱までに4.82&pm;0.22mmol/Lと有意に(p<0.0001)低下した。また体外循環開始直後と離脱直前ではナトリウム、カリウム、水素イオン濃度指数、重炭酸イオン濃度に有意差を認めなかった。本法は体外循環中に生じた高カリウム血症の補正に有用であった。
著者
松元 隆志 射場本 忠彦 百田 真史 近藤 武士 開口 善典 船戸 剛 釼持 尚紀 稲田 雄大
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.493-496, 2013

<p>本報では、竣工初年度における教室の空調運用実態および室内環境について報告する。運用実態は代表室における空調機および分散ポンプの運用実測、在室人数の変化による外気導入量の把握、室内CO2濃度計測、給気風量の状況を確認した。また、室内環境については夏期詳細計測での机上面の水平温度分布・上下温度分布により室内環境把握を確認した。結果として、初年度の運用実態と室内環境を示唆し、今後最適な運用・調整を行う予定である。</p>
著者
佐野 始也 松谷 英幸 近藤 武 関根 貴子 新井 雄大 森田 ひとみ 高瀬 真一
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.903-912, 2009-07-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
12
被引用文献数
5 3

Helical pitch (HP) usually has been decided automatically by the software (Heart Navi) included in the MDCT machine (Aquilion 64) depending on gantry rotation speed (r) and heart rate (HR). To reduce radiation dose, 255 consecutive patients with low HR (≤60 bpm) and without arrhythmia underwent cardiac MDCT using high HP. We had already reported that the relationship among r, HP, and the maximum data acquisition time interval (Tmax) does not create the data deficit in arrhythmia. It was represented as Tmax= (69.88/HP-0.64) r; (equation 1). From equation 1, HP=69.88 r/ (Tmax+0.64 r); (equation 2) was derived. We measured the maximum R-R interval (R-Rmax) on ECG before MDCT acquisition, and R-Rmax×1.1 was calculated as Tmax in consideration of R-Rmax prolongation during MDCT acquisition. The HP of high HP acquisition was calculated from equation 2. In HR≤50 bpm, Heart Navi determined r: 0.35 sec/rot and HP: 9.8, and in 51 bpm≤HR≤66 bpm, r: 0.35 sec/rot and HP: 11.2. HP of the high HP (16.4±1.2) was significantly (p<0.0001) higher than that of Heart Navi HP (10.9±0.6). The scanning time (6.5±0.6 sec) of high HP was significantly (p<0.0001) shorter than that of Heart Navi (9.0±0.8 sec), and the dose length product of high HP (675±185 mGy⋅cm) was significantly (p<0.0001) lower than that of Heart Navi (923±252 mGy⋅cm). The high HP could produce fine images in 251/255 patients. In conclusion, the high HP acquisition is useful for reduction of radiation dose and scanning time.
著者
近藤 武 吉田 睦子 笠原 香
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.187-192, 1976 (Released:2010-03-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1

高濃度のフッ素はin vitroでコリンエステラーゼ (ChE) を阻害することを確認したので, NaFによるラットChEへの影響を検討することとした。先ず2%NaF溶液をラットの体重kg当り50mgを経口投与し, 投与後1, 3, 24, 48時間ごとに屠殺し, 解剖所見, 各重量を測定するため脳, 腎, 肝, 唾液腺, 血液などの採集を行った。各臓器および血清中のフッ素濃度とChE活性値を測定したが, フッ素はフッ素電極法, ChEはEllmanのDTNB法により定量を行った。血清, 腎, 唾液腺中のフッ素濃度は投与前の対照ラットと比較し, 1時間後には約100倍にまで達したが, 漸次減じ48時間後には投与前に回復した。またChEの抑制は1~3時間後に生じたが, 時間がたつと一部の臓器ではかえて上昇がみられた。ChEの抑制は, アセチルコリンの蓄積を促進させるので, 一般には副交感神経刺激症状を呈する。今回のラットの中毒でも一部のラットに流涎, 嘔吐様の症状などの中毒所見がみられた。