- 著者
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篠原 美紀
- 出版者
- 公益社団法人 日本農芸化学会
- 雑誌
- 化学と生物 (ISSN:0453073X)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.4, pp.168-175, 2021-04-01 (Released:2022-04-01)
- 参考文献数
- 24
DNA二本鎖切断(DSB)修復は,放射線や活性酸素などによって生じる重篤なDNA損傷からゲノムの遺伝情報を守るだけではなく,次世代の遺伝情報の多様性の創出,免疫グロブリンの多様性など生理的にも重要な役割を担っている.さらに,バイオテクノロジーを支える技術面でも遺伝子標的やゲノム編集といった遺伝情報の改変の際に,改変する宿主における基本反応である.遺伝情報の堅牢性と可塑性という,一見相反する性質を生み出すDNA二本鎖切断修復機構は,細胞の中でどのように制御されているのだろうか?