1 0 0 0 OA 肥満の生化学

著者
奥田 拓道
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.754-760, 1979-12-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
11
著者
脇 賢羽 竹本 怜将
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.104-107, 2021-02-01 (Released:2022-02-01)

各地にある醤油醸造業は,地域ごとに独特の味や風合いなどを生み出す地域の特色ある食文化を担っている.しかし塩分濃度が高いことに加え廃液の処理の問題により年々醤油醸造業は減少してきている.そこで,われわれは長年研究を行ってきた淡水性ユーグレナによる廃しょうゆ処理を試みた.ユーグレナの培養実験ならびに培養したユーグレナの二枚貝の育種実験等を行った.その結果,ユーグレナが高塩分濃度で培養可能であることを明らかにした.また,廃しょうゆ処理で必要となる希釈水量の削減にもつながることを見いだした.さらに,希釈した廃しょうゆで培養したユーグレナを餌として与える二段階処理実験では,醤油の色調が茶褐色からほとんど透明に脱色できるとともに,アサリの旨味成分が増加するなど想定外の成果も得られた.このような研究結果を活かすことで,廃しょうゆ処理の経費削減およびアサリなどの餌を目的としたユーグレナの新たな利用方法を見込める可能性がある.
著者
田中 保
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.187-192, 2011-03-01
参考文献数
30
被引用文献数
1

食べる胃腸薬といわれるキャベツやダイコン,春の七草に含まれるナズナ,スズナ,スズシロ(ダイコン)など,胃腸に良いとされる食物にアブラナ科の植物は多い.アブラナ科の植物を生で食べると,植物酵素のホスホリパーゼDと消化酵素のホスホリパーゼA<sub>2</sub>の作用で生理活性脂肪質のリゾホスファチジン酸(LPA)が生じる.消化管への野菜の効果にLPAが関与する可能性を論じる.
著者
遠藤 章
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.276-280, 2010-04-01 (Released:2011-08-29)
参考文献数
20

コンパクチン(ML-236B,メバスタチン)とその最初の同族体ロバスタチン(モナコリンK,メビノリン)が発見されたのは30年以上前の1970年代である(コンパクチン同族体をスタチンと総称).ロバスタチンが商業化スタチン第1号として登場してから(1987年)でも20年以上が過ぎた.現在では,その後開発された半合成および合成スタチンを加えた計7種のスタチンが,世界中で毎日約4,000万人の患者に投与され,すでに500万人の命を救ったとされる.スタチンの年間売り上げは3兆円(邦貨換算)を越す.卓越した安全性と薬効が認められたスタチンは,ペニシリンと並ぶ‘奇跡の薬’と呼ばれている.医学と医療に与えたインパクトが巨大なだけでなく,世界の医薬品産業でも史上最大の売上げを記録して,産業界からも注目されている.このような例は百年に幾度もないだけに,ペニシリンの例に倣って(1),発見と開発をめぐる事実を正確に後世に残すのが,筆者に課せられた責務と考える.