著者
吉久 采花 嶋田 啓太 吉村 智美 山口 公志 川崎 努
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.396-403, 2020-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
36

植物は,微生物の種類を識別する能力をもち,病原菌に対しては感染を阻止するための防御反応を誘導し,共生菌に対しては,菌の侵入を受け入れるための共生反応を誘導する.このような微生物の識別は,植物の細胞表面あるいは細胞内に存在する受容体を介して行われる.植物の病原菌認識受容体の構造や働きは,動物の自然免疫で働く受容体と酷似していることから,病原菌に対する植物の防御応答は,植物免疫と呼ばれている.一方,病原菌は,エフェクターと総称される分子を獲得し,その働きにより植物の免疫反応を阻止し,感染を成立させている.そこで,ここでは植物免疫の誘導機構と,エフェクターによる病原菌の感染戦略に関して,最近の知見を紹介する.
著者
津田 恭介
出版者
日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.42-43, 1964-02
著者
池田 郁男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.483-495, 2013-07-01
参考文献数
6
被引用文献数
4

1 0 0 0 茶の渋味

著者
辻村 みちよ
出版者
日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, 1967-05
著者
石神 昭人
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.324-330, 2018-04-20 (Released:2019-04-20)
参考文献数
16

2016年に報告された日本人の「平均寿命」は,女性87.14歳,男性80.98歳であり,女性はやがて90歳にまですぐに手が届きそうな勢いである.その一方で,自立した生活を送れる期間,すなわち「健康寿命」は,平均寿命より男性は約9年,女性は約12年も短いのが現状である.これは支援や介護を必要とする期間が,われわれの人生の最後に平均で9~12年もあるかもしれないことを示している.短いようで長い人生,いつまでも元気に過ごすためには,健康寿命をできるだけ平均寿命に近づける必要がある.本稿では,健康寿命を延ばすための最近の老化制御研究や老化指標の探索研究について,われわれの研究成果を交えながら解説する.
著者
田中 美順
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.343-347, 2020-06-01 (Released:2021-06-01)
参考文献数
13

アロエは,サボテンのように見えるがユリ科の植物で,その種類は数百種類以上とも言われている.日本では,キダチアロエが観賞用として多く使用されており,その特徴である茎が木のように立ち上がる形状から,キダチは,木立を意味している.一方,アロエベラは,アラビア半島南部,北アフリカ地中海沿岸やアフリカ南部諸島を原産地とし,その特徴として親株を中心に巨大な肉厚の葉が放射状に育つ.その葉は,大きいものでは1枚2~3 kgになることもあり,葉肉は食品の原料として用いられる.今回,われわれが行った研究を中心に,アロエベラ葉肉に含まれるアロエステロールの機能性について報告させていただく.
著者
沼田 真
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.412-418, 1977
被引用文献数
8 4
著者
香山 雅子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.593-599, 2015-08-20 (Released:2016-08-20)
参考文献数
25

ほぼすべての組織にはマクロファージが恒常的に存在し,これらの組織マクロファージは単に免疫細胞として免疫応答に関与するだけではなく,組織における恒常性の維持にも関与すると考えられている.組織マクロファージは存在する組織によって機能および形態が異なるが,この組織マクロファージの多様性を制御する因子(シグナル)については,不明な点が多い.本稿では,組織マクロファージの分化制御機構および機能について,脾臓のマクロファージを中心に概説する.
著者
西 英二 田代 幸寛 酒井 謙二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.559-565, 2017

<p>現在の犯罪捜査において,ヒトDNA型鑑定は多くの事件に活用され,犯人の特定や犯罪事実の証明に欠かせないものとなっている.しかし,いまだに解決できないさまざまな問題があり,昨今のあらゆる種類の犯罪に対応できていない.しかしながら,人体に存在する微生物叢を網羅的に解析するヒトマイクロバイオーム解析の発展に伴い,微生物を法科学分野にも利用する動きが見られるようになった.このヒトDNA型鑑定とは異なるアプローチによって,現在の法科学分野のさまざまな問題点を克服できる可能性がある.つまり,従来の一般の鑑定手法では有効な情報を得ることができなかった資料について,そこに存在する細菌叢を利用して個人の異同識別が可能であることがわかってきた.</p>