著者
浅野 頼子 松岡 元 増田 理子 三輪 治
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集 第39回地盤工学研究発表会
巻号頁・発行日
pp.2327-2328, 2004-03-05 (Released:2007-01-18)

近年法面の緑化は景観の回復、自然環境の保全等の目的でさかんに取り入れられている。法面の勾配が急になると、「植生土のう」と呼ばれるものが用いられるが、その大部分は外来植物の種子が埋め込まれており、牧草など外来の草であることが多い。外来植物は現地の植生を破壊するという問題をもつ。さらに草は法面のような貧栄養の条件下では長期にわたって成長することはできず枯死してしまう。そこで自然植生回復のため(1)現地の山地の表層土を目の粗い土のう袋に入れ、埋土種子から自然発芽させる方法、および(2)鉛直に積み上げた土のうに直接挿し木する方法を試みた。これによって、急勾配でも現地の植生を破壊しない持続性のある法面緑化工法を提案する。
著者
森川 嘉之 水上 純一 田端 竹千穂 平林 弘
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集 第39回地盤工学研究発表会
巻号頁・発行日
pp.983-984, 2004-03-05 (Released:2007-01-18)

関西国際空港二期事業においては、平均層厚25mの沖積粘性土層が存在し、埋立部では2.5mピッチの正方形配置されたサンドドレーン工法により沖積粘性土地盤が改良されている。埋立工事の進捗に伴い、途中2回のチェックボーリングを実施し、埋立載荷重による地盤強度の発現が設計強度に達しているかを確認しながら施工を行っている。チェックボーリング結果から、埋立荷重載荷前後の強度増加量の深度分布に顕著な特徴が見られた。この強度増加量の深度分布について、圧密特性の応力レベルによる変化を考慮して考察した。
著者
大矢 通弘 角 哲也 嘉門 雅史
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集 第39回地盤工学研究発表会
巻号頁・発行日
pp.659-660, 2004-03-05 (Released:2007-01-18)

本文は、環境重視の循環型社会の構築という観点から、ダム堆砂のリサイクル材料としての有効性について考察したものである。量および質の両面からダム堆砂のリサイクルの可能性について検討した結果、(1)堆砂量はストック・フローとも大きくリサイクルの可能性は高い、(2)質的にも性状区分に応じた種々のリサイクルが可能、(3)適切な処理によりリサイクルの可能性はより高まる、(4)コスト面からリサイクルは制約を受ける、等を明らかにした。総合土砂管理や循環型社会形成の点からもダム堆砂リサイクルは必要であり、そのための手法に関する知見の集積が重要である。
著者
汪 発武 高田 渉 松本 樹典
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集 第39回地盤工学研究発表会
巻号頁・発行日
pp.2127-2128, 2004-03-05 (Released:2007-01-18)

崩壊誘起土石流の運動範囲予測は斜面防災の分野で重要な課題である。Sassa(1988)及びWang & Sassa (2002)によって提案された地すべり運動予測プログラムは計算結果の可視化機能などが加わり,実務適用可能の段階まで至っている。本報告は,簡単化した数値模型斜面を用いて,地形条件及び土質パラメータの影響を確認し,プログラムの有効性を確認した。さらに,崩壊土砂の衝撃による河床堆積物の流動化過程の数値実験を行った。これらに基づいて,1934年に発生した白山別当崩れを対象に,事例研究を行った。別当崩れは崩壊後,土石流となり,手取川に沿って,70kmも流下し,日本海まで達した大災害である。